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誕生
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「ああ!」
「ああ!じゃありませんよ…取り違えておりませんから、安心しなさい」
ミラン前王妃は、エスザール王国の王女で、プラチナブロンドで絶世の美女と呼ばれた、国王陛下の母である。
「おそらくプラチナブロンドでしょうから、気付きなさいよ」
「素敵な髪色だと思っていましたが、気付きませんでした」
曾祖母のミランにあやかって、ミフルと名付けられ、ミラン前王妃も大層喜び、王妃は元々孫たちの世話をしてくれていたが、前王妃も大変でしょうと、世話をしてくれるようにもなった。
ソアリスはいくらでも面倒を看て欲しい、有難いと積極的に手伝って貰うことにした。乳母もいるが、テラーとミランも産後のリハビリのソアリスに代わって、世話をすることになった。
「ソアリスに子育てに遠慮はいらないと言ったけど、全く遠慮しないわね」
「5人もいるんだから!気持ちのいい子じゃない」
何度か会っていたソアリスとミラン前王妃だったが、取り違えられたんじゃないかと思って、ヒヤッとしましたと言い出し、その場にいたテラーがヒヤッとした。
だが、ミラン前王妃はふふふと笑い飛ばした。
「ええ、確かに非常にしっかりはしているのですが…」
「口が悪いことはアンセムから聞いています」
アンセムは前国王夫妻にもソアリスは、口が悪いのだと話していた。
「私室で文句言っているだけででしょう?あなたも鬱憤が溜まることは、よく分かるでしょう?」
「それは、はい…」
「ソアリスなりの処世術よ」
「…はい」
「しかし、私に似ていると言われても、自分ではピンと来ないけど、命が繋がっているのを実感して嬉しいわね」
「はい、そうですわね」
テラーも美しく気高くありながらも、優しいミラン前王妃を尊敬しており、さらにソアリスへの許容範囲は広がった。
そして、ララシャにも女の子が生まれた。名前はエミアンローズ。
ソアリスも多少の悪阻はあるのだが、酷くはない。だが、ララシャは食べ悪阻で、食事量が増えて、体重もどんどん増えていた。
医師にもこれ以上は危険だと言われるも、元が痩せているとはいえ、出産時には16キロも増えていた。
約一日掛った出産でララシャは何度も私には無理だと言いながら、リベルに励まされて、どうにか産んだ。酷く消耗して、二度と産みたくないと思った。
だがララシャも望んでいた女の子。まだどちらに似ているとも分からないが、レッドブラウンの髪と黒い瞳はリベルであった。自分に似ていることを望んでいたララシャは少し残念だった。
そして、アンセムとソアリスの元へも出産の報告がなされた。
「女の子だそうだ…良かったんだよな?」
「さあ、乳母と教師に任せた方がいいのは確かですね。まあ、関わって来なければどうでもいいです」
「大人しくしていて欲しいな」
「当分は大人しいはずです」
消耗していたララシャだったが、身体が少し回復すると、自分が死に物狂いで産んだ子だと、乳母にも過剰な指示を出し、執着を見せ始めた。面倒は世話は乳母任せではあるが、真綿で包むように、大事に大事に育てられ、過保護な母親となった。
リベルも待望の子ども、しかも娘ということで、ララシャとエミアンローズのためなら何でもすると、過保護の両親が誕生した。
成長して行くと、顔立ちはリベルとララシャのどちらに強く似ていることはなく、王太子の娘・第一王女やエクルは端麗で華やかな顔立ち、アリルは可憐で華やか、ミフルは絶世の美女にそっくり、エミアンローズは穏やかな顔立ちであった。
そして、体重も勝手に戻ると思っていたララシャは、ソアリスと違って、何もしなかった。出産で多少減ったが、以前よりも10キロは増えたままで、しかも食べることに慣れてしまい、食事量は増えたままだった。
リベルはあまり気にしていなかったが、気付けば小顔のララシャは、体だけが大きくなっていた。
「ああ!じゃありませんよ…取り違えておりませんから、安心しなさい」
ミラン前王妃は、エスザール王国の王女で、プラチナブロンドで絶世の美女と呼ばれた、国王陛下の母である。
「おそらくプラチナブロンドでしょうから、気付きなさいよ」
「素敵な髪色だと思っていましたが、気付きませんでした」
曾祖母のミランにあやかって、ミフルと名付けられ、ミラン前王妃も大層喜び、王妃は元々孫たちの世話をしてくれていたが、前王妃も大変でしょうと、世話をしてくれるようにもなった。
ソアリスはいくらでも面倒を看て欲しい、有難いと積極的に手伝って貰うことにした。乳母もいるが、テラーとミランも産後のリハビリのソアリスに代わって、世話をすることになった。
「ソアリスに子育てに遠慮はいらないと言ったけど、全く遠慮しないわね」
「5人もいるんだから!気持ちのいい子じゃない」
何度か会っていたソアリスとミラン前王妃だったが、取り違えられたんじゃないかと思って、ヒヤッとしましたと言い出し、その場にいたテラーがヒヤッとした。
だが、ミラン前王妃はふふふと笑い飛ばした。
「ええ、確かに非常にしっかりはしているのですが…」
「口が悪いことはアンセムから聞いています」
アンセムは前国王夫妻にもソアリスは、口が悪いのだと話していた。
「私室で文句言っているだけででしょう?あなたも鬱憤が溜まることは、よく分かるでしょう?」
「それは、はい…」
「ソアリスなりの処世術よ」
「…はい」
「しかし、私に似ていると言われても、自分ではピンと来ないけど、命が繋がっているのを実感して嬉しいわね」
「はい、そうですわね」
テラーも美しく気高くありながらも、優しいミラン前王妃を尊敬しており、さらにソアリスへの許容範囲は広がった。
そして、ララシャにも女の子が生まれた。名前はエミアンローズ。
ソアリスも多少の悪阻はあるのだが、酷くはない。だが、ララシャは食べ悪阻で、食事量が増えて、体重もどんどん増えていた。
医師にもこれ以上は危険だと言われるも、元が痩せているとはいえ、出産時には16キロも増えていた。
約一日掛った出産でララシャは何度も私には無理だと言いながら、リベルに励まされて、どうにか産んだ。酷く消耗して、二度と産みたくないと思った。
だがララシャも望んでいた女の子。まだどちらに似ているとも分からないが、レッドブラウンの髪と黒い瞳はリベルであった。自分に似ていることを望んでいたララシャは少し残念だった。
そして、アンセムとソアリスの元へも出産の報告がなされた。
「女の子だそうだ…良かったんだよな?」
「さあ、乳母と教師に任せた方がいいのは確かですね。まあ、関わって来なければどうでもいいです」
「大人しくしていて欲しいな」
「当分は大人しいはずです」
消耗していたララシャだったが、身体が少し回復すると、自分が死に物狂いで産んだ子だと、乳母にも過剰な指示を出し、執着を見せ始めた。面倒は世話は乳母任せではあるが、真綿で包むように、大事に大事に育てられ、過保護な母親となった。
リベルも待望の子ども、しかも娘ということで、ララシャとエミアンローズのためなら何でもすると、過保護の両親が誕生した。
成長して行くと、顔立ちはリベルとララシャのどちらに強く似ていることはなく、王太子の娘・第一王女やエクルは端麗で華やかな顔立ち、アリルは可憐で華やか、ミフルは絶世の美女にそっくり、エミアンローズは穏やかな顔立ちであった。
そして、体重も勝手に戻ると思っていたララシャは、ソアリスと違って、何もしなかった。出産で多少減ったが、以前よりも10キロは増えたままで、しかも食べることに慣れてしまい、食事量は増えたままだった。
リベルはあまり気にしていなかったが、気付けば小顔のララシャは、体だけが大きくなっていた。
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