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結婚後
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「時期が過ぎたら側妃を迎え入れる」
「はい!仰せのままに」
ソアリスは賢明な判断だと思った、すぐには体裁が悪いかもしれないが、私が罰される可能性もある。
「王妃の仕事も優秀な側妃に任せたいと思っている」
「勿論でございます」
「与えられたものだけやればいい、側妃については口出ししないでくれ」
「お心遣いありがとうございます」
クロンデール王国では、歴史から諍いを避けるために、王太子妃と側妃は別の宮で暮らすことに決まっており、他国の様に王太子妃と側妃が一緒に参加したりすることもなく、顔を合わせることはほぼない。
おかげでソアリスは少し心が生き返り、与えられた淡々と公務をこなせるようになり、一人になると口悪く罵るようになった。
「消えちまえ、吹き出物」「くたばれ、鼻毛」「くっせえんだよ、じじい」「生き恥晒しやがって」「呪われろ」
名前は指定することはないので、相手は誰か分からないが、ソアリスなりに爆発しない様に発散させている。
両親やララシャが手紙を送って来たが、読まずに暖炉で燃やした。私にはもう家族はいない。実家でも王家でも侍女にも適度な距離を保っており、欠陥品の私が粗相をした時に一緒に処刑されては可哀想だからだ。
側妃の話があるまでは、出来れば病死が一番だとソアリスは思っていたが、公務以外で外部の者と会う機会もなく、孤児院にも熱心に通って看病を行い、病気と言えば熱が出るくらいだったが、酷くなるようにこっそり水風呂に入った。風邪を引いても、せいぜい五日くらいで回復してしまう。
また熱が出たので、水風呂をどうしようかと思っていたが、医師は「おめでとうございます」と告げた。なぜか妊娠していた。
初夜を済ませていないことが問題となり、何度か弄られたが、これも側妃が来るまでの公務だと思って、淡々とこなしたのだ。それよりも殿下が一緒に眠るようになって、居心地が悪い。
「なぜ、一緒に眠る必要があるのでしょうか。ベットの具合が悪いのですか」
「嫌なのか」
「ええ、ふいに目を覚ました時に人の気配がすると殴り付けたくなるので」
「そ、そうか」
同じ部屋で眠ることにはなったが、ベットは二つに分けられることになった。そして、公務は免除されたが、悪阻というものにも悩まされた。死ねないのに苦しい。我慢してみたが、死ぬわけじゃない。
どんどんとお腹は膨れ、陣痛が始まり、男児が生まれた。
ソアリスは自身のことなのに、他人事のように感じていた。髪も目も殿下に似ているらしい。乳母が育ててくれるようで、欠陥品のソアリスが育てるわけにはいかないと思っていたので、有難いと感謝した。
第一子はユリウスと名付けられた。
両親とあの兄・サイラスがお祝いに訪れたらしいが、サイラスがどんな顔をしているのかとは思ったが、会っても話すことがないと断った。
殿下もおそらく一度も公爵邸に帰ることもないことで、察しているようで、何も言って来なかった。
「まあ、殿下によく似ているのね」
「本当だな」
サイラスはまだ結婚しておらず、ララシャも結婚していたが、子どもは出来ていないいため、公爵家にとっても初孫だった。
「ソアリスはどうしたのです?」
「まだ体調が万全でないようです」
会っても話すことがないなどとはさすがに言えず、誤魔化すしかなかった。
「何かあったのですか」
「まあ、いいじゃないか。疲れているのであろう」
「折角、労ってあげようと思ったのに」
「王太子妃にそんなこと言うもんじゃないよ」
「それでも私の娘なのよ」
殿下はたまに子どもと出掛けようと誘ってくれたが、王宮で無事のお帰りを祈っておりますと告げると、満足そうに去って行った。
結局、欠陥品の私が嫌がらせをすると思っているのか、側妃の紹介は受けていないが、側妃も一緒なのだろう。
私は欠陥品。家族の輪を乱す存在は、家族で仲良く出掛ることは出来ない。
「はい!仰せのままに」
ソアリスは賢明な判断だと思った、すぐには体裁が悪いかもしれないが、私が罰される可能性もある。
「王妃の仕事も優秀な側妃に任せたいと思っている」
「勿論でございます」
「与えられたものだけやればいい、側妃については口出ししないでくれ」
「お心遣いありがとうございます」
クロンデール王国では、歴史から諍いを避けるために、王太子妃と側妃は別の宮で暮らすことに決まっており、他国の様に王太子妃と側妃が一緒に参加したりすることもなく、顔を合わせることはほぼない。
おかげでソアリスは少し心が生き返り、与えられた淡々と公務をこなせるようになり、一人になると口悪く罵るようになった。
「消えちまえ、吹き出物」「くたばれ、鼻毛」「くっせえんだよ、じじい」「生き恥晒しやがって」「呪われろ」
名前は指定することはないので、相手は誰か分からないが、ソアリスなりに爆発しない様に発散させている。
両親やララシャが手紙を送って来たが、読まずに暖炉で燃やした。私にはもう家族はいない。実家でも王家でも侍女にも適度な距離を保っており、欠陥品の私が粗相をした時に一緒に処刑されては可哀想だからだ。
側妃の話があるまでは、出来れば病死が一番だとソアリスは思っていたが、公務以外で外部の者と会う機会もなく、孤児院にも熱心に通って看病を行い、病気と言えば熱が出るくらいだったが、酷くなるようにこっそり水風呂に入った。風邪を引いても、せいぜい五日くらいで回復してしまう。
また熱が出たので、水風呂をどうしようかと思っていたが、医師は「おめでとうございます」と告げた。なぜか妊娠していた。
初夜を済ませていないことが問題となり、何度か弄られたが、これも側妃が来るまでの公務だと思って、淡々とこなしたのだ。それよりも殿下が一緒に眠るようになって、居心地が悪い。
「なぜ、一緒に眠る必要があるのでしょうか。ベットの具合が悪いのですか」
「嫌なのか」
「ええ、ふいに目を覚ました時に人の気配がすると殴り付けたくなるので」
「そ、そうか」
同じ部屋で眠ることにはなったが、ベットは二つに分けられることになった。そして、公務は免除されたが、悪阻というものにも悩まされた。死ねないのに苦しい。我慢してみたが、死ぬわけじゃない。
どんどんとお腹は膨れ、陣痛が始まり、男児が生まれた。
ソアリスは自身のことなのに、他人事のように感じていた。髪も目も殿下に似ているらしい。乳母が育ててくれるようで、欠陥品のソアリスが育てるわけにはいかないと思っていたので、有難いと感謝した。
第一子はユリウスと名付けられた。
両親とあの兄・サイラスがお祝いに訪れたらしいが、サイラスがどんな顔をしているのかとは思ったが、会っても話すことがないと断った。
殿下もおそらく一度も公爵邸に帰ることもないことで、察しているようで、何も言って来なかった。
「まあ、殿下によく似ているのね」
「本当だな」
サイラスはまだ結婚しておらず、ララシャも結婚していたが、子どもは出来ていないいため、公爵家にとっても初孫だった。
「ソアリスはどうしたのです?」
「まだ体調が万全でないようです」
会っても話すことがないなどとはさすがに言えず、誤魔化すしかなかった。
「何かあったのですか」
「まあ、いいじゃないか。疲れているのであろう」
「折角、労ってあげようと思ったのに」
「王太子妃にそんなこと言うもんじゃないよ」
「それでも私の娘なのよ」
殿下はたまに子どもと出掛けようと誘ってくれたが、王宮で無事のお帰りを祈っておりますと告げると、満足そうに去って行った。
結局、欠陥品の私が嫌がらせをすると思っているのか、側妃の紹介は受けていないが、側妃も一緒なのだろう。
私は欠陥品。家族の輪を乱す存在は、家族で仲良く出掛ることは出来ない。
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