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父の言った通り、夜会が再開されると事件について、ハービスの離縁を本当に心配している者、含みを持たせた嫌味を言って来る者がいた。
「事件には驚きましたね、大変でしたね」
「罪を償い、これからこのようなことがないようにと思っております」
「あれは、私たちわぅー」
「妹も同じ意見です」
「奥様の実家は大変でしたな、いや、離縁されたんでしたな、失礼しました」
「いえ、反省して償いをして欲しいと願っております」
「私たちはかぅー」
「妹も心配しております」
ハービスは驕ることなく、受け入れ、きちんと罪を償って欲しいと言うことだけは貫いた。そして3年間1位を貫いたアイレットは有名になっており、修道女になったことで話題にならざる得ない。
「妹君は修道女になられたそうで」
「はい」
「いや、才女がどのような道に進むのか興味がありましたが、驚きました」
「勿体ないとおっしゃる方もいたそうですが、幼い頃から教会に通っていたので、寂しい思いもありますが、自身の選んだ道を皆で応援したいと思っております」
「あの子は頭がよくたってぇ―」
「妹も寂しいばかりに心配しておりまして」
フィーストはルミナと参加するようになったため、アデリーナはハービスと参加し、自身の意思を通そうとする余り、取り繕うこともせずに、言い返そうとしており、余計なことを言う前に睨み付けて、止める係になっていた。
父も危惧していたため、アデリーナ一人では絶対に参加させないようにし、両親がいけない時はハービスが行くようにしていたが、両親の前では大人しくしているが、ハービスなら同じ気持ちだと思い、言い返そうとするのだ。
「アデリーナ、いい加減にしてくれ!父上に言われただろう。我々も非がある立場だ、言い返すような真似をするな」
「それは違うわ!私たちはあんな風に言われることはあってはならないわ」
「父上の話を聞いていなかったのか」
「お父様は正しいことをしたじゃない!マスタール侯爵家として恥ずかしいことはないはずよ!褒められるべきで咎められることはないの!」
「気付けなかった罪があるとおっしゃっただろう!父上に恥を掻かせる気か?」
「そんなつもりはないわ、きちんと話せば、私たちは悪くないって分かることじゃない!ハービスお兄様も被害者じゃない、それなのになんであんな嫌味な言い方されなければならないのよ」
父上はアデリーナは納得はしていないのかもしれないが、了承はしたと言っていた。渋々了承しただけで、従うつもりはなかったと言ことか。
「被害者が苦しい思いをしている前で言えるのか?気付かなかったことに落ち度はないと?」
「でも悪いのは罪を犯した人でしょう!」
「それはそうだが、父上は責任を感じてらっしゃるのだ。当たり前だろう?」
「違うわ!お父様は何も悪くないんだから、あいつらが悪い!家族が悪いって言ってやればいいのよ!そうでしょう?」
「ならば、私たちも気付けなかった罪の家族じゃないか」
「私たちは違うわ」
「そうやって都合のいい時は関係ないと?」
「…」
自身に降りかかることは嫌だが、罪を犯してもいないのに、どうして肩身の狭い思いをしなければならないのかと思っているのだろう。
アデリーナは責める側で、アイレットのことも面と向かって指摘するような人はいなかっただろうから、責められる側にはなったことがない。だが、このままでは良いことになることはない。
「結婚したいんだろう?大人しくしておけ。さらに結婚出来なくなるぞ」
「結婚とは関係ないでしょう!」
「事実を言っているんだよ、縁談が決まらないのはアデリーナのそういった攻撃的な言い方に問題があるからだ。本当に勘弁してくれよ」
「酷い…ソック伯爵のせいじゃない…」
「事件には驚きましたね、大変でしたね」
「罪を償い、これからこのようなことがないようにと思っております」
「あれは、私たちわぅー」
「妹も同じ意見です」
「奥様の実家は大変でしたな、いや、離縁されたんでしたな、失礼しました」
「いえ、反省して償いをして欲しいと願っております」
「私たちはかぅー」
「妹も心配しております」
ハービスは驕ることなく、受け入れ、きちんと罪を償って欲しいと言うことだけは貫いた。そして3年間1位を貫いたアイレットは有名になっており、修道女になったことで話題にならざる得ない。
「妹君は修道女になられたそうで」
「はい」
「いや、才女がどのような道に進むのか興味がありましたが、驚きました」
「勿体ないとおっしゃる方もいたそうですが、幼い頃から教会に通っていたので、寂しい思いもありますが、自身の選んだ道を皆で応援したいと思っております」
「あの子は頭がよくたってぇ―」
「妹も寂しいばかりに心配しておりまして」
フィーストはルミナと参加するようになったため、アデリーナはハービスと参加し、自身の意思を通そうとする余り、取り繕うこともせずに、言い返そうとしており、余計なことを言う前に睨み付けて、止める係になっていた。
父も危惧していたため、アデリーナ一人では絶対に参加させないようにし、両親がいけない時はハービスが行くようにしていたが、両親の前では大人しくしているが、ハービスなら同じ気持ちだと思い、言い返そうとするのだ。
「アデリーナ、いい加減にしてくれ!父上に言われただろう。我々も非がある立場だ、言い返すような真似をするな」
「それは違うわ!私たちはあんな風に言われることはあってはならないわ」
「父上の話を聞いていなかったのか」
「お父様は正しいことをしたじゃない!マスタール侯爵家として恥ずかしいことはないはずよ!褒められるべきで咎められることはないの!」
「気付けなかった罪があるとおっしゃっただろう!父上に恥を掻かせる気か?」
「そんなつもりはないわ、きちんと話せば、私たちは悪くないって分かることじゃない!ハービスお兄様も被害者じゃない、それなのになんであんな嫌味な言い方されなければならないのよ」
父上はアデリーナは納得はしていないのかもしれないが、了承はしたと言っていた。渋々了承しただけで、従うつもりはなかったと言ことか。
「被害者が苦しい思いをしている前で言えるのか?気付かなかったことに落ち度はないと?」
「でも悪いのは罪を犯した人でしょう!」
「それはそうだが、父上は責任を感じてらっしゃるのだ。当たり前だろう?」
「違うわ!お父様は何も悪くないんだから、あいつらが悪い!家族が悪いって言ってやればいいのよ!そうでしょう?」
「ならば、私たちも気付けなかった罪の家族じゃないか」
「私たちは違うわ」
「そうやって都合のいい時は関係ないと?」
「…」
自身に降りかかることは嫌だが、罪を犯してもいないのに、どうして肩身の狭い思いをしなければならないのかと思っているのだろう。
アデリーナは責める側で、アイレットのことも面と向かって指摘するような人はいなかっただろうから、責められる側にはなったことがない。だが、このままでは良いことになることはない。
「結婚したいんだろう?大人しくしておけ。さらに結婚出来なくなるぞ」
「結婚とは関係ないでしょう!」
「事実を言っているんだよ、縁談が決まらないのはアデリーナのそういった攻撃的な言い方に問題があるからだ。本当に勘弁してくれよ」
「酷い…ソック伯爵のせいじゃない…」
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