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義姉の連行
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別邸には行くと、2人には気付かれないように護衛も配置しており、マスタール侯爵は廊下にいた執事に王宮に連れて行く準備をするように告げ、応接室に入ると妻は私の顔を見ると肩の力を抜いたようだった。
「父上」「お義父様」
「あなた、終わったのですか」
「ああ…」
侯爵はリリンナに向き合い、目を見つめてしっかりと告げた。
「リリンナ、御父上が罪を犯し、拘束された。君もこれから王宮で事情聴取を受けなさい」
「な、に、をおっしゃっているのですか」
「父上、どういうことですか」
「今言った通りだ、ソック伯爵は拘束された」
リリンナは立ち尽くしており、全く話が読めずにハービスも動揺している。
「…お義父様、嘘ですよね?」
「嘘ではない、金銭目的だったのだろう」
余罪もあることだろう、当分出て来ることは叶わない。いや、もう出て来ることはないかもしれない。
「ソック伯爵もリリンナも、身の丈に合わない、良い暮らしをして来たはずだ。知っていて享受したのではないのか?」
「身の丈に合わないなんてことはありません。当たり前のことです」
「そうか、ならばそう話すといい。このまま向かう」
侯爵家の騎士を呼び込むが、ハービスとリリンナは理解が出来ない。
「…父上、本当なのですか」
「ああ、おそらく家族も拘束されているだろう。嫁いだ後の話なら情状の余地はあったかもしれないが、難しい」
「そうですか…」
「何かの間違いだわ、万が一、もしお父様が罪を犯していても私は関係ないわ。何も知らないもの」
「それは王宮で話しなさい」
「ハービス、私は関係ないわ!そうでしょう?」
「それは私には分からないよ、でも君があれやこれを買ってくれと言い、ケチだと言っていたのは実家と比べていたからだったのなら、おかしいと思うべきだったのかもしれないな」
「知らないわっ!」
暴れるリリンナを拘束して、侯爵とハービス共に連れて行くことになった。リリンナは馬車の中でも私は知らない、間違いだと泣き喚いていた。
「どうして、こんなのおかしいわ!」
「私たちに言ってもどうにもならない」
「何をしたって言うのよ!」
「…」
リリンナを待ち構えていた騎士団に渡し、侯爵とハービスは邸に戻ることになった。ハービスは父の様子から、ソック伯爵の罪状はリリンナの前では話せないのだろうと、聞けずにいたが、2人きりになってようやく聞くことにした。
「ソック伯爵は、何をしたんですか」
「明らかになっているのはワインの密輸に、麻薬の密輸に密売。おそらく別の罪状も見付かるのではないかと思っている」
ソック伯爵家と親しいことで疑われたコイナー子爵家側の調査で、子どもの人身売買が行われていたことも分かっている。
「っな、麻薬…」
「ワインの密輸もだ」
「はい…」
ワインの密輸くらいと思っていたわけではない、麻薬に驚いただけだ。いつも凛々しく、小綺麗な義父であったはずだ。
「しかも、他の罪人に罪を紛れ込ませていた」
「…そんな」
「私の落ち度でもある。咎は受ける。お前は恨んでいるか」
「そのようなことはありません、罪は償わせなければなりません」
「そうか…きっかけはバートロ伯爵家かもしれない」
「バートロ伯爵家が?」
「ああ、ワインの密輸はバートロ伯爵家の罪となっていたものだ」
「そうだったのですか」
「離縁となると思うが、いいな?」
「はい、異論はありません」
リリンナは互いに親にどうかと言われて結ばれた縁談だった。明るく、正義感の強い女性だと、考え方も一緒だと思っていたのに、アイレットのことで二人して間違い、リリンナは関わっていないにしても、享受していたのは間違いない。
婚約・結婚したが、あまりベタベタした関係ではなく、薄情かもしれないが、夫婦の自身よりも疲れ切った様子の父の方が辛いのではないかと思った。
「父上」「お義父様」
「あなた、終わったのですか」
「ああ…」
侯爵はリリンナに向き合い、目を見つめてしっかりと告げた。
「リリンナ、御父上が罪を犯し、拘束された。君もこれから王宮で事情聴取を受けなさい」
「な、に、をおっしゃっているのですか」
「父上、どういうことですか」
「今言った通りだ、ソック伯爵は拘束された」
リリンナは立ち尽くしており、全く話が読めずにハービスも動揺している。
「…お義父様、嘘ですよね?」
「嘘ではない、金銭目的だったのだろう」
余罪もあることだろう、当分出て来ることは叶わない。いや、もう出て来ることはないかもしれない。
「ソック伯爵もリリンナも、身の丈に合わない、良い暮らしをして来たはずだ。知っていて享受したのではないのか?」
「身の丈に合わないなんてことはありません。当たり前のことです」
「そうか、ならばそう話すといい。このまま向かう」
侯爵家の騎士を呼び込むが、ハービスとリリンナは理解が出来ない。
「…父上、本当なのですか」
「ああ、おそらく家族も拘束されているだろう。嫁いだ後の話なら情状の余地はあったかもしれないが、難しい」
「そうですか…」
「何かの間違いだわ、万が一、もしお父様が罪を犯していても私は関係ないわ。何も知らないもの」
「それは王宮で話しなさい」
「ハービス、私は関係ないわ!そうでしょう?」
「それは私には分からないよ、でも君があれやこれを買ってくれと言い、ケチだと言っていたのは実家と比べていたからだったのなら、おかしいと思うべきだったのかもしれないな」
「知らないわっ!」
暴れるリリンナを拘束して、侯爵とハービス共に連れて行くことになった。リリンナは馬車の中でも私は知らない、間違いだと泣き喚いていた。
「どうして、こんなのおかしいわ!」
「私たちに言ってもどうにもならない」
「何をしたって言うのよ!」
「…」
リリンナを待ち構えていた騎士団に渡し、侯爵とハービスは邸に戻ることになった。ハービスは父の様子から、ソック伯爵の罪状はリリンナの前では話せないのだろうと、聞けずにいたが、2人きりになってようやく聞くことにした。
「ソック伯爵は、何をしたんですか」
「明らかになっているのはワインの密輸に、麻薬の密輸に密売。おそらく別の罪状も見付かるのではないかと思っている」
ソック伯爵家と親しいことで疑われたコイナー子爵家側の調査で、子どもの人身売買が行われていたことも分かっている。
「っな、麻薬…」
「ワインの密輸もだ」
「はい…」
ワインの密輸くらいと思っていたわけではない、麻薬に驚いただけだ。いつも凛々しく、小綺麗な義父であったはずだ。
「しかも、他の罪人に罪を紛れ込ませていた」
「…そんな」
「私の落ち度でもある。咎は受ける。お前は恨んでいるか」
「そのようなことはありません、罪は償わせなければなりません」
「そうか…きっかけはバートロ伯爵家かもしれない」
「バートロ伯爵家が?」
「ああ、ワインの密輸はバートロ伯爵家の罪となっていたものだ」
「そうだったのですか」
「離縁となると思うが、いいな?」
「はい、異論はありません」
リリンナは互いに親にどうかと言われて結ばれた縁談だった。明るく、正義感の強い女性だと、考え方も一緒だと思っていたのに、アイレットのことで二人して間違い、リリンナは関わっていないにしても、享受していたのは間違いない。
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