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調査結果3
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午後から呼ばれたのは、ロズウェル子爵。ソック伯爵と鉢合わせないように、迎えに行くからと邸で待機させていた。現在、元バートロ伯爵家の領地を引き継いでいる。長男のリンダースは、バートロ伯爵家の調査の際、娘から情報を聞きさすために、メイドとして潜入させていた。
護衛は2人に減ったが、フォリッチ公爵も見届けるとそのまま残っている。
ロズウェル子爵とリンダースもフォリッチ公爵に驚くが、子爵家では会うこともないため、どうしていいか分からなかったが、フォリッチ公爵は『私のことは気にしないで』と言い、離れた椅子に座っていた。
「ロズウェル子爵、リンダース、これを見たことはあるか?」
マスタール侯爵が出したのは、バートロ伯爵家の間取り図である。
「はい」
「はい、バートロ伯爵家の間取り図です。父から見せて貰ったことがあります」
「リンダース、なぜ見せられた?」
「私が潜入していましたから、間違いはないか確認をして欲しいと」
「これに間違いはないか?憶えている限りでいい」
「…あの、その時も父に話しましたが、ワイン貯蔵庫はありません。ここは物置だと伝えました。直っていなかったのでしょうか」
「だそうだ、ロズウェル子爵」
「そうでしたか?あまり憶えておりませんで」
ロズウェル子爵はヘラヘラと笑い、どうでしたかなと困った顔をしている。
「父上、あの時に言ったはずです。父上も、それは直さなければならぬなと言っていたはずです」
「そうだったか?だが物置でもワイン貯蔵庫でも、どちらでも問題はないのではありませんか?今さら、なぜこのようなことを?」
「これを書いたのはソック伯爵だ、知っていたか?」
この間取り図を書いたのはソック伯爵だった。縦長に右上がりに字を書く癖があり、アイレットもそれで心当たりがあったのだ。
「ええ、それは、存じております」
「リンダースが言ったように、バートロ伯爵家にはワイン貯蔵庫はなかった。それなのにソック伯爵はワイン貯蔵庫と書いている。なぜだか分かるか?」
「確か密輸したワインがあったことで、勘違いなさったのではないですか?」
「ワインの密輸?そんな罪状があったのですか」
声を上げたのは間違いが正されていないことに、怪訝な表情を浮かべていたリンダースだった。
「知らなかったか?」
「詳しい罪状までは教えて貰えませんでしたので、知りませんでした。ですが、ワインの密輸など、バートロ伯爵が行うとは思えませんが」
「リンダースもそう思うか?」
「はい、バートロ伯爵家ではワインはこのような物は見たくもないという扱いでした。ワインも絶対に目に入らない、食料貯蔵庫の端の方にそっと置いてあって、客人が帰ると使用人が貰って帰るか、廃棄されていました」
リンダースは客人を招く際に、バートロ伯爵にワインはいかがしますかと問う執事のビクビクした声も覚えている。
「自分が飲むのではなく、売るために置いてあったのでしょう。だから物置でも問題ないと思ったのではありませんか」
「金のために密輸した高級ワインをか?」
「管理が杜撰だったのでしょう」
「リンダースはどう思う?」
「私にはいくらお金になると言っても、バートロ伯爵がワインを密輸するとは思えません。ワインではない物ならば分かりますが」
「ソック伯爵はどうしてもワインでなければならなかった」
「どういうことですか」
「今のリンダースの話はロズウェル子爵は初めて聞いたのだろう?」
リンダースが父を見ると、青白い顔になっており、何も答えない。
「はい、そこまでは話していなかったと思います」
「バートロ伯爵家の使用人だった者も同じ意見だった。シガーやウィスキーならともかくと」
「はい、そう思います」
「ロズウェル子爵、ソック伯爵は拘束され、王宮で取り調べを受けているはずだ」
ロズウェル子爵は息を吸い、そのまま固まってしまった。
護衛は2人に減ったが、フォリッチ公爵も見届けるとそのまま残っている。
ロズウェル子爵とリンダースもフォリッチ公爵に驚くが、子爵家では会うこともないため、どうしていいか分からなかったが、フォリッチ公爵は『私のことは気にしないで』と言い、離れた椅子に座っていた。
「ロズウェル子爵、リンダース、これを見たことはあるか?」
マスタール侯爵が出したのは、バートロ伯爵家の間取り図である。
「はい」
「はい、バートロ伯爵家の間取り図です。父から見せて貰ったことがあります」
「リンダース、なぜ見せられた?」
「私が潜入していましたから、間違いはないか確認をして欲しいと」
「これに間違いはないか?憶えている限りでいい」
「…あの、その時も父に話しましたが、ワイン貯蔵庫はありません。ここは物置だと伝えました。直っていなかったのでしょうか」
「だそうだ、ロズウェル子爵」
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ロズウェル子爵はヘラヘラと笑い、どうでしたかなと困った顔をしている。
「父上、あの時に言ったはずです。父上も、それは直さなければならぬなと言っていたはずです」
「そうだったか?だが物置でもワイン貯蔵庫でも、どちらでも問題はないのではありませんか?今さら、なぜこのようなことを?」
「これを書いたのはソック伯爵だ、知っていたか?」
この間取り図を書いたのはソック伯爵だった。縦長に右上がりに字を書く癖があり、アイレットもそれで心当たりがあったのだ。
「ええ、それは、存じております」
「リンダースが言ったように、バートロ伯爵家にはワイン貯蔵庫はなかった。それなのにソック伯爵はワイン貯蔵庫と書いている。なぜだか分かるか?」
「確か密輸したワインがあったことで、勘違いなさったのではないですか?」
「ワインの密輸?そんな罪状があったのですか」
声を上げたのは間違いが正されていないことに、怪訝な表情を浮かべていたリンダースだった。
「知らなかったか?」
「詳しい罪状までは教えて貰えませんでしたので、知りませんでした。ですが、ワインの密輸など、バートロ伯爵が行うとは思えませんが」
「リンダースもそう思うか?」
「はい、バートロ伯爵家ではワインはこのような物は見たくもないという扱いでした。ワインも絶対に目に入らない、食料貯蔵庫の端の方にそっと置いてあって、客人が帰ると使用人が貰って帰るか、廃棄されていました」
リンダースは客人を招く際に、バートロ伯爵にワインはいかがしますかと問う執事のビクビクした声も覚えている。
「自分が飲むのではなく、売るために置いてあったのでしょう。だから物置でも問題ないと思ったのではありませんか」
「金のために密輸した高級ワインをか?」
「管理が杜撰だったのでしょう」
「リンダースはどう思う?」
「私にはいくらお金になると言っても、バートロ伯爵がワインを密輸するとは思えません。ワインではない物ならば分かりますが」
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「はい、そう思います」
「ロズウェル子爵、ソック伯爵は拘束され、王宮で取り調べを受けているはずだ」
ロズウェル子爵は息を吸い、そのまま固まってしまった。
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