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調査結果1
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マスタール侯爵は、マット・ソック伯爵を呼び出した。
マットはいつものように仕立てのいい服を着てやって来たが、フォリッチ公爵もいることに酷く驚き、座るように言われるも、後ろには屈強な護衛が4人構えていることに緊張が走った。
「フォリッチ公爵様、マスタール侯爵様、何かあったのでしょうか」
「麻薬の密輸を調査して欲しいんだ」
「ああ、はい、勿論です。てっきり何かあったのかと思いました」
フォリッチ公爵の言葉に、明らかにホッとした表情になり、驚かせないでくださいと言わんばかりの口ぶりだ。
「君はこれまでも麻薬の調査を行っていると聞いている」
「はい、何度かございますので、是非とも、お任せください」
いいカモがやって来たと思っているのだろう、急に生き生きし始めた。証拠が出なければ、紛れ込ませるまで、調査をさせようと思っていた。
だが、事が事だけに、許せない者がきちんといた。
泳がせる必要はないが、フォリッチ公爵は話をしてみたいと言った。
「麻薬の事件はいつまで経ってもなくならない」
「その通りにございます」
「やはり金が欲しくてやるのか」
「そうでございましょう、お金になると言いますから」
「罰されても、また同じことをする者はどう思ってやっておるのかの?もっと重い罰にしなければならないということかと、マスタール侯爵とも考えておったのだ。処刑も視野に入れるべきだと陛下に進言すべきかと、君はどう思う?」
現在、麻薬の所持・使用、密輸・密売も懲役刑である。薬漬けにして、犯罪を犯させるなど、あまりに悪質な場合で、終身刑が最大となっている。
「…そうですね、よろしいかと思います」
「そうか、ならばその心意気で、調査を始めて貰いたい」
「はっ、はい。お任せください。調査対象はどちらでしょうか」
「言っていなかったな、伯爵家だ」
「どちらの伯爵家、もしかして、バール伯爵家でしょうか。最近、羽振りがいいと聞きます」
今一番勢いのある伯爵家と言われている、同じ伯爵家として気に食わなかった。まさか麻薬を扱っているとは、ふざけた真似をしてくれたものだとソック伯爵は思っていた。
「バール伯爵家に君の罪状を紛れ込ませる気か?」
「え?」
「調査はソック伯爵家だよ」
「マット・ソック伯爵。ワインの密輸に、麻薬の密輸に密売、認めるか?」
「マスタール侯爵まで、何の話ですか?もしかして、私を疑ってらっしゃるのですか?私はそのようなことはやっておりません」
さすがにソック伯爵も、冗談ではないとは分かっていることだろうが、罪を認めるわけにはいかないというところだろう。
「金の流れも調べさせてもらった、なぜこんなに金があるのだ?税や商会の売り上げで、ここまでの暮らしは出来ない」
「遺産です」
「誰の遺産だ?」
「前に世話をした者がお礼だと」
「そうか、ならば申告はしていないようだが?収支が合わない」
「忘れておりまして、ははは」
「金は遺産というならば申告をしてからだな。それでワインの密輸に、麻薬の密輸に密売は?」
「私ではありません。なぜそのようなことを?証拠があるんですか!」
「あるさ、私が証拠もなしに話すはずがないだろう?」
マスタール侯爵は仕入れの伝票をソック伯爵の目の前に掲げた。罪を擦り付けるために仕入れの伝票は証拠として必要だったのだろう、従業員から2枚だけ先にこちらに渡して貰っていた。
そして、今頃、ソック伯爵家には王宮から調査員と騎士団員が証拠を押さえるために入っている。後ろの騎士も王宮からの騎士である。
マットはいつものように仕立てのいい服を着てやって来たが、フォリッチ公爵もいることに酷く驚き、座るように言われるも、後ろには屈強な護衛が4人構えていることに緊張が走った。
「フォリッチ公爵様、マスタール侯爵様、何かあったのでしょうか」
「麻薬の密輸を調査して欲しいんだ」
「ああ、はい、勿論です。てっきり何かあったのかと思いました」
フォリッチ公爵の言葉に、明らかにホッとした表情になり、驚かせないでくださいと言わんばかりの口ぶりだ。
「君はこれまでも麻薬の調査を行っていると聞いている」
「はい、何度かございますので、是非とも、お任せください」
いいカモがやって来たと思っているのだろう、急に生き生きし始めた。証拠が出なければ、紛れ込ませるまで、調査をさせようと思っていた。
だが、事が事だけに、許せない者がきちんといた。
泳がせる必要はないが、フォリッチ公爵は話をしてみたいと言った。
「麻薬の事件はいつまで経ってもなくならない」
「その通りにございます」
「やはり金が欲しくてやるのか」
「そうでございましょう、お金になると言いますから」
「罰されても、また同じことをする者はどう思ってやっておるのかの?もっと重い罰にしなければならないということかと、マスタール侯爵とも考えておったのだ。処刑も視野に入れるべきだと陛下に進言すべきかと、君はどう思う?」
現在、麻薬の所持・使用、密輸・密売も懲役刑である。薬漬けにして、犯罪を犯させるなど、あまりに悪質な場合で、終身刑が最大となっている。
「…そうですね、よろしいかと思います」
「そうか、ならばその心意気で、調査を始めて貰いたい」
「はっ、はい。お任せください。調査対象はどちらでしょうか」
「言っていなかったな、伯爵家だ」
「どちらの伯爵家、もしかして、バール伯爵家でしょうか。最近、羽振りがいいと聞きます」
今一番勢いのある伯爵家と言われている、同じ伯爵家として気に食わなかった。まさか麻薬を扱っているとは、ふざけた真似をしてくれたものだとソック伯爵は思っていた。
「バール伯爵家に君の罪状を紛れ込ませる気か?」
「え?」
「調査はソック伯爵家だよ」
「マット・ソック伯爵。ワインの密輸に、麻薬の密輸に密売、認めるか?」
「マスタール侯爵まで、何の話ですか?もしかして、私を疑ってらっしゃるのですか?私はそのようなことはやっておりません」
さすがにソック伯爵も、冗談ではないとは分かっていることだろうが、罪を認めるわけにはいかないというところだろう。
「金の流れも調べさせてもらった、なぜこんなに金があるのだ?税や商会の売り上げで、ここまでの暮らしは出来ない」
「遺産です」
「誰の遺産だ?」
「前に世話をした者がお礼だと」
「そうか、ならば申告はしていないようだが?収支が合わない」
「忘れておりまして、ははは」
「金は遺産というならば申告をしてからだな。それでワインの密輸に、麻薬の密輸に密売は?」
「私ではありません。なぜそのようなことを?証拠があるんですか!」
「あるさ、私が証拠もなしに話すはずがないだろう?」
マスタール侯爵は仕入れの伝票をソック伯爵の目の前に掲げた。罪を擦り付けるために仕入れの伝票は証拠として必要だったのだろう、従業員から2枚だけ先にこちらに渡して貰っていた。
そして、今頃、ソック伯爵家には王宮から調査員と騎士団員が証拠を押さえるために入っている。後ろの騎士も王宮からの騎士である。
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