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姪へ告知6
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「そして、あと一つ。アベリーが見たベットで寝ているユーリ叔母様は、毒を飲んで亡くなる数時間前の姿よ」
「…え」
「ユーリが毒を飲んで会ったのは、使用人を除けば、私とアレクスお祖父様と、あなたアベリーだけだったの」
「あの時が…?」
アベリーにとってあの怪我をさせた日と、ユーリがベットで寝ていた日が同じ日だと分かっていなかった。サイラもそうなのだろうと思って、話したのだ。
「あなたに察しろ、理解しろというのは無理だったでしょうからね、覚えていないかと思っていたわ」
「あの後、亡くなったって言うの?」
「そうよ、あの後、ユーリはあのベットで息を引き取ったわ」
「そんな…」
アベリーが見た最後の記憶が亡くなる前だったとは思わなかった。母と間違えたことで、記憶に残っていたが、何を話したかまでは覚えていない。
「ユーリは悪いことをしたとも思っていないアベリーを、修道院に入れるしかないかもと言っていたわ」
今のアベリーには胸が苦しい言葉だった、代わりに死なせてしまったようなものなのに、私は何も分かっていなかった。
「でもね、ユーリはかもと言ったの。いくら5歳でも、人の痛みを理解して、いえ理解しようとして、あなたが反省していれば、違ったかもしれない。きっと、ユーリもそう願ったはずよ…」
その言葉にメルベール以外は目が熱くなった。
「私からは以上です」
キリアムはサイラに深く頷き、アベリーに向き合った。
「今までの話を聞いて、どうしたいか、どうすればいいか、今日でなくてもいい、考えて聞かせて欲しい」
「…修道院に行きます」
「そうか」
それでもという可能性もあったが、理解してくれて良かった。
「待って、相手が公爵家なら…話し合ってもらうことだって出来るんじゃない?」
声を上げたのはメルベールであった。魂胆は見え見えである。
「やっぱり結婚したいって、女の子は思うものよね。お母様もよく分かるわ。公爵家の方なら、とてもいいお相手じゃない」
結婚したいなんてと言っていた癖に、既に覚えてもいないのだろう。
「我が家ではなく、相手から話してみて貰って、それからでも遅くないわ、そうしましょう?アベリーもその方がいいでしょう?」
境遇に不満のあるメルベールは、アベリーが公爵家の縁続きになることで、起死回生をと考えているのだろう。どうせカミオール王国のパワーバランスも分からないのに、公爵家ならと、安易に考えている。
「お、母様?」
「ねえ、そうしましょうよ。私たちが言うのは問題かもしれないけど、お相手に言って貰えばいいのよ」
メルベールはいい考えだと言わんばかりだが、誰も賛同することはない。
「いい加減にしろ!そんなこと出来るはずないだろう」
「そんなことないわよ、アベリーのことを分かった上なんだから、動いてくれるかもしれないじゃない」
「私は修道院に行きます。お父様、ラオン大公家への謝罪は待って貰うことが出来ますか?まだ会って話すまでは、勇気が出ません」
直接謝罪に行かなくてはいけないことは分かったが、まだ上手く伝えられる自信がなかった。振り返って、どう伝えればいいかと考えたい。
「分かった、心から謝罪をしないと意味がないからな」
「はい、寄宿学校に戻ったら、時間が掛かるかもしれませんが、手紙を書きます。それを読んで貰えなくてもいいので、渡しては貰えませんか」
「分かった、書けたらこちらに送りなさい。私が事情を書いて送る」
「ありがとうございます」
アベリーはキリアムに深く頭を下げた。
「ちょっと待って!結婚相手はどうするのよ!公爵家の方なのよ?」
答えは出たのに、騒いでいるのはメルベールだけであった。
「…え」
「ユーリが毒を飲んで会ったのは、使用人を除けば、私とアレクスお祖父様と、あなたアベリーだけだったの」
「あの時が…?」
アベリーにとってあの怪我をさせた日と、ユーリがベットで寝ていた日が同じ日だと分かっていなかった。サイラもそうなのだろうと思って、話したのだ。
「あなたに察しろ、理解しろというのは無理だったでしょうからね、覚えていないかと思っていたわ」
「あの後、亡くなったって言うの?」
「そうよ、あの後、ユーリはあのベットで息を引き取ったわ」
「そんな…」
アベリーが見た最後の記憶が亡くなる前だったとは思わなかった。母と間違えたことで、記憶に残っていたが、何を話したかまでは覚えていない。
「ユーリは悪いことをしたとも思っていないアベリーを、修道院に入れるしかないかもと言っていたわ」
今のアベリーには胸が苦しい言葉だった、代わりに死なせてしまったようなものなのに、私は何も分かっていなかった。
「でもね、ユーリはかもと言ったの。いくら5歳でも、人の痛みを理解して、いえ理解しようとして、あなたが反省していれば、違ったかもしれない。きっと、ユーリもそう願ったはずよ…」
その言葉にメルベール以外は目が熱くなった。
「私からは以上です」
キリアムはサイラに深く頷き、アベリーに向き合った。
「今までの話を聞いて、どうしたいか、どうすればいいか、今日でなくてもいい、考えて聞かせて欲しい」
「…修道院に行きます」
「そうか」
それでもという可能性もあったが、理解してくれて良かった。
「待って、相手が公爵家なら…話し合ってもらうことだって出来るんじゃない?」
声を上げたのはメルベールであった。魂胆は見え見えである。
「やっぱり結婚したいって、女の子は思うものよね。お母様もよく分かるわ。公爵家の方なら、とてもいいお相手じゃない」
結婚したいなんてと言っていた癖に、既に覚えてもいないのだろう。
「我が家ではなく、相手から話してみて貰って、それからでも遅くないわ、そうしましょう?アベリーもその方がいいでしょう?」
境遇に不満のあるメルベールは、アベリーが公爵家の縁続きになることで、起死回生をと考えているのだろう。どうせカミオール王国のパワーバランスも分からないのに、公爵家ならと、安易に考えている。
「お、母様?」
「ねえ、そうしましょうよ。私たちが言うのは問題かもしれないけど、お相手に言って貰えばいいのよ」
メルベールはいい考えだと言わんばかりだが、誰も賛同することはない。
「いい加減にしろ!そんなこと出来るはずないだろう」
「そんなことないわよ、アベリーのことを分かった上なんだから、動いてくれるかもしれないじゃない」
「私は修道院に行きます。お父様、ラオン大公家への謝罪は待って貰うことが出来ますか?まだ会って話すまでは、勇気が出ません」
直接謝罪に行かなくてはいけないことは分かったが、まだ上手く伝えられる自信がなかった。振り返って、どう伝えればいいかと考えたい。
「分かった、心から謝罪をしないと意味がないからな」
「はい、寄宿学校に戻ったら、時間が掛かるかもしれませんが、手紙を書きます。それを読んで貰えなくてもいいので、渡しては貰えませんか」
「分かった、書けたらこちらに送りなさい。私が事情を書いて送る」
「ありがとうございます」
アベリーはキリアムに深く頭を下げた。
「ちょっと待って!結婚相手はどうするのよ!公爵家の方なのよ?」
答えは出たのに、騒いでいるのはメルベールだけであった。
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