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姪の帰省
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学校での報告は、始めは不貞腐れたり、こんなこと出来ないと言っていたが、今は渋々ながらもやるようになったこと。反省室には二度入ることになったが、その後は大人しくなったそうだ。
反省室とは三日間、誰にも会うことなく、一人で反省文を書くというものである。
「アベリー、元気だったか?」
「ええ、まあ」
背が少し伸びたアベリー。劇的な改善は期待していなかったが、邸にいた頃よりは受け答えもしている。
こんなに厳しいとは思わなかった、勉強が難しいと言いながらも、友人が出来て、楽しいこともあるようで、やはり行かせて正解だったとホッとした。
お母様は?と一度聞いたが、領地にいると言えば、それ以上聞くことはなかった。息子たちには、まだ今回は会わせることはしなかった。
寄宿学校での馴染んだ生活があるので、メイドには最低限しかさせなかったが、ご飯が美味しい、楽でいいなどと言っており、帰りたくないと言い出す子もいるので、注意するようにと聞いており、言い出すかと思ったが、ここにいたらまた軟禁生活だと思っているようで、寄宿学校に戻っていった。
メルベールからは、始めの頃は何度も文が届いていた。
もう怒りは収まったでしょう?
早く戻して欲しい、待ってる
予算をもう少し増やして欲しい
だが返事をすることはなく、何をしているのかと思えば、皆に私は可哀想なのだと、周りに聞かせて、嘘を重ねており、邸の者には虚言癖があると通達しているために、相手にしていない。
そもそもユーリがいない時点で、メルベールの嘘は成り立たなくなっていることに、気付いていない。
領民も領地で監視されているメルベールを、何かしたのだと言う認識であるために、近付くことはないが、念のために嘘を重ねるのならば、離縁すると文を送ると、大人しくはなったそうだ。
離縁しても、次は伯爵家での蟄居が待っている。息子たちの母親であるために、どこへでも行けと追い出して、面倒事を起こされては堪らないので、監視している方がいいと義母上と決めたことである。
友人たちにも手紙を書いているようだが、返事は来ない。ディーラは仕方ないが、ミリアとカローラはどうして返事が来ないのかと思っているが、夫たちに関わるなと言われてしまったからである。
それでも関わろうという気持ちは、持っていなかった。
なぜならば、既にユーリの関係者にミリアとカローラは、メルベールの友人だと認識されており、子爵家としては大人しくしている以外、方法はない。それこそ離縁されてしまうことになるだろう。
グラーフ伯爵夫妻は、ラオン大公夫妻に会いに行った。叱られるために行くなど、今までのアレクスには考えられなかったことだった。
「お前が狂った父親か!」
「先に、怪我をさせた際は、大変申し訳ございませんでした。私がちゃんと看ていなければなりませんでした」
「そうだな、あの場の責任者はお前だったはずだ!」
「はい…」
「それなのに、何の責任もない娘に押し付けた!」
「その通りです」
「事情は奥方から文で聞いている。が、あり得ない。彼女は弱かったのかもしれない、だが、弱くさせたのはお前だろう?」
サイラはあの時の答え合わせの経緯を全て記して、お伺いをしたのだ。ラオン大公夫妻には知る権利がある。
「はい…」
「お前はここまで来るのに、何年掛かった?ユーリ夫人は、決断力があった」
「はい、申し訳ございません」
「本当に反省したのだな…ならば、後悔しながら生きろ」
「はい…」
邸を訪ねた時の傲慢さは一切なくなっており、ラオン大公夫妻も、許すことはないが、これ以上言うことはないと思った。
これで謝罪をしていないのは、アベリー・トスターのみとなった。
反省室とは三日間、誰にも会うことなく、一人で反省文を書くというものである。
「アベリー、元気だったか?」
「ええ、まあ」
背が少し伸びたアベリー。劇的な改善は期待していなかったが、邸にいた頃よりは受け答えもしている。
こんなに厳しいとは思わなかった、勉強が難しいと言いながらも、友人が出来て、楽しいこともあるようで、やはり行かせて正解だったとホッとした。
お母様は?と一度聞いたが、領地にいると言えば、それ以上聞くことはなかった。息子たちには、まだ今回は会わせることはしなかった。
寄宿学校での馴染んだ生活があるので、メイドには最低限しかさせなかったが、ご飯が美味しい、楽でいいなどと言っており、帰りたくないと言い出す子もいるので、注意するようにと聞いており、言い出すかと思ったが、ここにいたらまた軟禁生活だと思っているようで、寄宿学校に戻っていった。
メルベールからは、始めの頃は何度も文が届いていた。
もう怒りは収まったでしょう?
早く戻して欲しい、待ってる
予算をもう少し増やして欲しい
だが返事をすることはなく、何をしているのかと思えば、皆に私は可哀想なのだと、周りに聞かせて、嘘を重ねており、邸の者には虚言癖があると通達しているために、相手にしていない。
そもそもユーリがいない時点で、メルベールの嘘は成り立たなくなっていることに、気付いていない。
領民も領地で監視されているメルベールを、何かしたのだと言う認識であるために、近付くことはないが、念のために嘘を重ねるのならば、離縁すると文を送ると、大人しくはなったそうだ。
離縁しても、次は伯爵家での蟄居が待っている。息子たちの母親であるために、どこへでも行けと追い出して、面倒事を起こされては堪らないので、監視している方がいいと義母上と決めたことである。
友人たちにも手紙を書いているようだが、返事は来ない。ディーラは仕方ないが、ミリアとカローラはどうして返事が来ないのかと思っているが、夫たちに関わるなと言われてしまったからである。
それでも関わろうという気持ちは、持っていなかった。
なぜならば、既にユーリの関係者にミリアとカローラは、メルベールの友人だと認識されており、子爵家としては大人しくしている以外、方法はない。それこそ離縁されてしまうことになるだろう。
グラーフ伯爵夫妻は、ラオン大公夫妻に会いに行った。叱られるために行くなど、今までのアレクスには考えられなかったことだった。
「お前が狂った父親か!」
「先に、怪我をさせた際は、大変申し訳ございませんでした。私がちゃんと看ていなければなりませんでした」
「そうだな、あの場の責任者はお前だったはずだ!」
「はい…」
「それなのに、何の責任もない娘に押し付けた!」
「その通りです」
「事情は奥方から文で聞いている。が、あり得ない。彼女は弱かったのかもしれない、だが、弱くさせたのはお前だろう?」
サイラはあの時の答え合わせの経緯を全て記して、お伺いをしたのだ。ラオン大公夫妻には知る権利がある。
「はい…」
「お前はここまで来るのに、何年掛かった?ユーリ夫人は、決断力があった」
「はい、申し訳ございません」
「本当に反省したのだな…ならば、後悔しながら生きろ」
「はい…」
邸を訪ねた時の傲慢さは一切なくなっており、ラオン大公夫妻も、許すことはないが、これ以上言うことはないと思った。
これで謝罪をしていないのは、アベリー・トスターのみとなった。
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