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答え13
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「はあ…」
えっ?違うの?刺繍と言えば花でしょう?贈ったものなんて覚えていない。
「とても前のことだったから…図案はね、ユーリに作って貰ったの。それで記憶にないのかもしれないわ」
「記憶にない?あなたはユーリと違って、頻繁に刺繍をしないのだから、覚えているものじゃないかしら?」
よく刺繍をしていたユーリが何だったかと考えるならば分かるが、メルベールは私は忙しいんだからと言って、刺繍をするところを見たこともなかった。
「それは…無我夢中だったから」
「もういいです。メルベールが嘘つきだと分かって、そうではないかと思っていましたから」
キリアムがオーランドに言っていた話と、サイラの話が合致する。既に目の前で見ていないものは、信用していなかった。
「キ、キリアム?」
「ここで何だったか言えば、そうよそれよと言い出すのだろう?もう言わなくていいよ、聞きたくもない」
「えっ、ちょっと忘れてしまっただけじゃない…言ってくれたら、思い出すわ」
「…」
何で言ってくれないのよ、たかが贈り物じゃない。キリアムも過敏すぎる。
「えっ、どうして…たかが」
「たかが?君にとってはたかがなんだね…よく分かったよ」
「どうしたのよ…」
「たかがなんだろう?母も最低だが、君に母を責める権利はないよね?贈り物も私のことを考えて作ってくれたことが嬉しかったんだ。だが、それ以上に許せないのは、嘘だよ…どうしてそんなに息をするように嘘が付けるんだ?」
「嘘なんかじゃ…」
「だったら、報告書と同様に、刺繍やお菓子を監視付きで作って貰おうか?そうすれば、自ずと答えは出るだろう?」
「それがいいわね、嘘ではないのならやってみなさい」
サイラも賛同した、メルベールは奪っていくだけで、手伝っている様子すらなかった。出来るはずがない。
メルベールは嘘ではないということを証明する以外に、信用して貰う方法はない。
「でも最近していなくて…」
「はあ…」
キリアムは執務に、メルベールへの不信感で心身ともに疲れていた。認めて全て嘘だったと謝罪することもない、こんな見せかけだけの女性をを妻にしてしまったことに後悔していた。
「離縁しよう…もう嘘を聞きたくないんだ」
「えっ、まっ、冗談よね?」
「いや、ずっと考えていた…」
「嘘でしょう、子どもだっているのよ…」
「その子どもすら、アベリーに早く出て行って欲しい、いなくなれば元通りなどと思っていたのか?息子たちには関わろうともしない」
アベリーは話を聞くようにはなったが、矯正が出来たとは言えないままだった。メルベールが根気強く付き合ったのは、最初の数ヶ月くらいだろうか、使命感があったのか頑張ってはいたと思う。だが後は頑張っていると見せたいのか、少し顔を出すだけで、何を言っても駄目だと、避けるようになっていた。
だからと言って息子たちに関わるわけでもなく、アベリーのように我儘ではないが、双子で遊ぶ相手がいる、元々落ち着きのない年頃もあって、体力を削ぐためにも、外では走り回ったりしないことを約束させて、邸では大目に見ていた。だがメルベールはそれもガサツで嫌だ、服が汚れると関わらなかった。
「それは、男の子は元気があり過ぎて」
「だから、アベリーを寄宿学校に連れて行った時に、観光をして帰ろうなんて言えるんだよ…」
「メルベール!あなた、そんなこと言ったの?でも…あなたなら言いそうね、何が悪いか分からないんでしょう?」
サイラは驚き、メルベールを信じられない目で見た。でもすぐにメルベールなら言うだろうとも思ったのだ。
「っあ、えっ」
「あの時、もうやっていけないと思っていた…それで報告書、嘘の贈り物…」
「嫌よ、別れないわ」
「だったら、裁判だな…」
「えっ、そんな」
「キリアムくん、待ってくれ、離縁だなんて」
「では、嘘を付くことを義父上は容認するんですね?」
「…それは」
えっ?違うの?刺繍と言えば花でしょう?贈ったものなんて覚えていない。
「とても前のことだったから…図案はね、ユーリに作って貰ったの。それで記憶にないのかもしれないわ」
「記憶にない?あなたはユーリと違って、頻繁に刺繍をしないのだから、覚えているものじゃないかしら?」
よく刺繍をしていたユーリが何だったかと考えるならば分かるが、メルベールは私は忙しいんだからと言って、刺繍をするところを見たこともなかった。
「それは…無我夢中だったから」
「もういいです。メルベールが嘘つきだと分かって、そうではないかと思っていましたから」
キリアムがオーランドに言っていた話と、サイラの話が合致する。既に目の前で見ていないものは、信用していなかった。
「キ、キリアム?」
「ここで何だったか言えば、そうよそれよと言い出すのだろう?もう言わなくていいよ、聞きたくもない」
「えっ、ちょっと忘れてしまっただけじゃない…言ってくれたら、思い出すわ」
「…」
何で言ってくれないのよ、たかが贈り物じゃない。キリアムも過敏すぎる。
「えっ、どうして…たかが」
「たかが?君にとってはたかがなんだね…よく分かったよ」
「どうしたのよ…」
「たかがなんだろう?母も最低だが、君に母を責める権利はないよね?贈り物も私のことを考えて作ってくれたことが嬉しかったんだ。だが、それ以上に許せないのは、嘘だよ…どうしてそんなに息をするように嘘が付けるんだ?」
「嘘なんかじゃ…」
「だったら、報告書と同様に、刺繍やお菓子を監視付きで作って貰おうか?そうすれば、自ずと答えは出るだろう?」
「それがいいわね、嘘ではないのならやってみなさい」
サイラも賛同した、メルベールは奪っていくだけで、手伝っている様子すらなかった。出来るはずがない。
メルベールは嘘ではないということを証明する以外に、信用して貰う方法はない。
「でも最近していなくて…」
「はあ…」
キリアムは執務に、メルベールへの不信感で心身ともに疲れていた。認めて全て嘘だったと謝罪することもない、こんな見せかけだけの女性をを妻にしてしまったことに後悔していた。
「離縁しよう…もう嘘を聞きたくないんだ」
「えっ、まっ、冗談よね?」
「いや、ずっと考えていた…」
「嘘でしょう、子どもだっているのよ…」
「その子どもすら、アベリーに早く出て行って欲しい、いなくなれば元通りなどと思っていたのか?息子たちには関わろうともしない」
アベリーは話を聞くようにはなったが、矯正が出来たとは言えないままだった。メルベールが根気強く付き合ったのは、最初の数ヶ月くらいだろうか、使命感があったのか頑張ってはいたと思う。だが後は頑張っていると見せたいのか、少し顔を出すだけで、何を言っても駄目だと、避けるようになっていた。
だからと言って息子たちに関わるわけでもなく、アベリーのように我儘ではないが、双子で遊ぶ相手がいる、元々落ち着きのない年頃もあって、体力を削ぐためにも、外では走り回ったりしないことを約束させて、邸では大目に見ていた。だがメルベールはそれもガサツで嫌だ、服が汚れると関わらなかった。
「それは、男の子は元気があり過ぎて」
「だから、アベリーを寄宿学校に連れて行った時に、観光をして帰ろうなんて言えるんだよ…」
「メルベール!あなた、そんなこと言ったの?でも…あなたなら言いそうね、何が悪いか分からないんでしょう?」
サイラは驚き、メルベールを信じられない目で見た。でもすぐにメルベールなら言うだろうとも思ったのだ。
「っあ、えっ」
「あの時、もうやっていけないと思っていた…それで報告書、嘘の贈り物…」
「嫌よ、別れないわ」
「だったら、裁判だな…」
「えっ、そんな」
「キリアムくん、待ってくれ、離縁だなんて」
「では、嘘を付くことを義父上は容認するんですね?」
「…それは」
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