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姉の友人2
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「聞いては、ないわよね?」
「え?何?何も聞いていないわ、イエル伯爵家で何かあったの?」
ディーナと婿であるシュースは、幼なじみで、関係性は悪くなかったはずだ、似ているわねと話したこともある。シュースは王宮で文官をしており、ディーナが継いだ際には、辞めて二人で頑張っていくと聞いていた。
それなのに何かあったというのか、まさか女性関係?浮気するような質には見えなかったけど、そうだとしたら茶会など来られる状況ではないだろう。
「そうではないんだけど…」
「ご主人と何かあったわけではなくて?」
「そうじゃないわ」
「何だ、まさか浮気?なんて思っちゃった。婿養子なのにあり得ないわよね」
「それはないわ…ご主人のご実家、知っているわよね?」
「確か、クラック伯爵家でしょう?」
「お母様がガルツ侯爵家の方だというのは?」
現シュース・イエル、元シュース・クラックの母・マイサは、ガルツ侯爵家の次女で、クラック伯爵家に嫁いでいる。ガルツ侯爵夫人と言えば、シュアト公爵家の茶会で、レイアのネックレスを褒めた人物である。
ディーラの夫は、リナース・ガルツ侯爵夫人の甥にあたる。
少し考えれば、繋がりが分かる相手だったはずが、メルベールは家族関係に頭が回るような質ではなかった。
「ああ、そうだったわね。そちらで何かあったということ?」
メルベールはネックレスを指摘した相手が、ガルツ侯爵夫人だとは分かっていなかった。出席者はレイアが分かっているからいいと思い、特に気にもしていなかった。
キリアムには出席者はレイアからマトムが聞き出し、伝えられていた。メルベールは参加者なのだから、分かっていると思っていたが、実は把握していたのはシュアト公爵夫人と、コンクエッツ公爵夫人だけだった。
これまで社交界で、どうしていたのかと言えば、キリアムの横で相槌を打ち、微笑んでいただけで、自分の周りにいる人なら分かるが、母親世代まで覚えてられないというのが、メルベールの意見であった。
あの場には娘や嫁もいたが、メルベールと関わりがあるような人はいなかった。ゆえに知り合いはいないと思い込んでいたのだ。
だから今日も、シュアト公爵家での茶会のことは関係ないと言っていたのだ。
ミリアとカローラとディーラは、メルベールが社交から離れていた間にも3人でも会っており、今回の茶会の話をした時に、ディーラからもう親しく出来ないと聞かされることになった。
メルベールの自業自得だという事情も聞いていたが、それでもユーリのこともあって、辛いだろうから、話だけでも聞いてあげたいと茶会を開いたのだ。
ディーラもこれまではメルベールとのことを言われたことはなかったが、ユーリが亡くなったことで、口を噤んでいた者も、黙っている必要がなくなった。
ネックレスの件を聞いたディーラは、メルベールがそんなことをするはずないとも言えなかった。以前からユーリを下に見ているとは思っていたからである。そして、次期当主として親しくすることは出来ないと判断した。
だが、ディーラもミリアとカローラには忙しくて行けないと言ってくれればいい、もし聞かれたら話してもいいが、ユーリのこともあるから、いずれ話すことになることだから、今は傷付けるようなら言わなくていいと言ってあった。
ミリアとカローラはメルベールが打ち明けてくれると思っていたが、そうではないと分かって、事前に何か打ち合わせしていたわけではなかったので、顔を見合わせてどうしようかと頭を悩ませた。
聞くべき?でも相当恥ずかしかったはずだから、聞かれたくないのかもしれないと、同じようなことを考えていた。
「ええ、そうなの。だからなかなか時間が取れないそうなの」
「ええ、時期当主だものね」
ミリアがそう言ったので、カローラも同意することにした。
「え?何?何も聞いていないわ、イエル伯爵家で何かあったの?」
ディーナと婿であるシュースは、幼なじみで、関係性は悪くなかったはずだ、似ているわねと話したこともある。シュースは王宮で文官をしており、ディーナが継いだ際には、辞めて二人で頑張っていくと聞いていた。
それなのに何かあったというのか、まさか女性関係?浮気するような質には見えなかったけど、そうだとしたら茶会など来られる状況ではないだろう。
「そうではないんだけど…」
「ご主人と何かあったわけではなくて?」
「そうじゃないわ」
「何だ、まさか浮気?なんて思っちゃった。婿養子なのにあり得ないわよね」
「それはないわ…ご主人のご実家、知っているわよね?」
「確か、クラック伯爵家でしょう?」
「お母様がガルツ侯爵家の方だというのは?」
現シュース・イエル、元シュース・クラックの母・マイサは、ガルツ侯爵家の次女で、クラック伯爵家に嫁いでいる。ガルツ侯爵夫人と言えば、シュアト公爵家の茶会で、レイアのネックレスを褒めた人物である。
ディーラの夫は、リナース・ガルツ侯爵夫人の甥にあたる。
少し考えれば、繋がりが分かる相手だったはずが、メルベールは家族関係に頭が回るような質ではなかった。
「ああ、そうだったわね。そちらで何かあったということ?」
メルベールはネックレスを指摘した相手が、ガルツ侯爵夫人だとは分かっていなかった。出席者はレイアが分かっているからいいと思い、特に気にもしていなかった。
キリアムには出席者はレイアからマトムが聞き出し、伝えられていた。メルベールは参加者なのだから、分かっていると思っていたが、実は把握していたのはシュアト公爵夫人と、コンクエッツ公爵夫人だけだった。
これまで社交界で、どうしていたのかと言えば、キリアムの横で相槌を打ち、微笑んでいただけで、自分の周りにいる人なら分かるが、母親世代まで覚えてられないというのが、メルベールの意見であった。
あの場には娘や嫁もいたが、メルベールと関わりがあるような人はいなかった。ゆえに知り合いはいないと思い込んでいたのだ。
だから今日も、シュアト公爵家での茶会のことは関係ないと言っていたのだ。
ミリアとカローラとディーラは、メルベールが社交から離れていた間にも3人でも会っており、今回の茶会の話をした時に、ディーラからもう親しく出来ないと聞かされることになった。
メルベールの自業自得だという事情も聞いていたが、それでもユーリのこともあって、辛いだろうから、話だけでも聞いてあげたいと茶会を開いたのだ。
ディーラもこれまではメルベールとのことを言われたことはなかったが、ユーリが亡くなったことで、口を噤んでいた者も、黙っている必要がなくなった。
ネックレスの件を聞いたディーラは、メルベールがそんなことをするはずないとも言えなかった。以前からユーリを下に見ているとは思っていたからである。そして、次期当主として親しくすることは出来ないと判断した。
だが、ディーラもミリアとカローラには忙しくて行けないと言ってくれればいい、もし聞かれたら話してもいいが、ユーリのこともあるから、いずれ話すことになることだから、今は傷付けるようなら言わなくていいと言ってあった。
ミリアとカローラはメルベールが打ち明けてくれると思っていたが、そうではないと分かって、事前に何か打ち合わせしていたわけではなかったので、顔を見合わせてどうしようかと頭を悩ませた。
聞くべき?でも相当恥ずかしかったはずだから、聞かれたくないのかもしれないと、同じようなことを考えていた。
「ええ、そうなの。だからなかなか時間が取れないそうなの」
「ええ、時期当主だものね」
ミリアがそう言ったので、カローラも同意することにした。
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