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家族会議(トスター侯爵家2)
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「父上は茶会でのことを、母上から聞いていないのですか?」
「いや、聞いたが…そんなことまで言われていたのかは聞いていない。レイアが嫌われて、あの場にいた方には信用されないだろうことは分かったくらいだ」
「父上も同罪だとされているそうですよ」
「はあ?なぜそんなことに」
どうして参加していない私までも、そのような風に思われなければならないのだ。
「トスター侯爵夫妻は嫁に図々しく、誕生日の贈り物を要求すると、あの場にいた方たちに思われているということです」
「…そんな」
確かにレイアに言われたとはいえ、周りから見れば、同じに見える。確かにユーリは良い物を贈ってくれてはいたが、別に贈り物なんてどうでもいい、私は何でもいいと言えば良かったのか…。
「父上もユーリに高い物を要求していたのですか?」
「っいや、そのだな、レイアにユーリは働いていて、子どももいないから、高い物で構わないと言っていると言われて、信じていた。だがそこまで高価な物ではない」
「値段は確認すれば分かることです。おかしいと思わなかったのですか?」
「思うべきだったな…」
おそらくレイアが高い物を要求している以上、私への物も高価な物だろう。いや、高価な物だった。贈ってくれるのだからと、遠慮するべきだった。
「で、何とか言ったらどうですか、母上」
レイアは時折、助けを求めるようにそれぞれの顔を見ていたが、誰も助けてはくれない様子に、黙ったままであった。
「違うの、本当に。そんなつもりで言ったんじゃないわ」
「どこがどう違うのですか?」
「メルベールには言われていないけど、ユーリには言われたの!欲しい物を言ってくださいって、本当よ!だから」
「妻にはもう確認が出来ないから、そう言っているのでしょう?」
「本当なの!」
「辻褄が合いませんよ、要らない物は欲しくないからと言っていたのでしょう?」
レイアはここで当たり前だと言えば、認めることになると分かっている。でも要らない物を貰って、『ありがとう、大切にするわ』なんて言えないじゃない。
「ユーリなら、黙って買ってくれると思ったのではありませんか。手紙にしなかったのは、証拠を残さないためですか?」
「違うわ!本当に言われたのよ、だから」
「そうだとしても、今のところサファイアのネックレスしか分かりませんが、なぜそのような高価な物を?ユーリが勝手に高い物を選んだなんて、言わないでくださいよ。調べれば分かることですから」
まさにレイアはそう言うつもりだった。息子にこんなに追い詰められたこともない、レイアは上手い言い訳が思いつかなかった。
「しかもメルベールにはささやかでも、返していたようですが、ユーリにはハンカチ一枚、もしくは何も返さなかった年もあるんですよね?」
「っな、本当なのか?」
「ええ、そのようです。しかも当日ではなく、思い出したかのように遅れて、あの場にいた方がおっしゃるのですから、おそらく裏が取れるはずです」
茶会で糾弾した以上、向こうは証拠、証人を持っているはずだ。あれだけの夫人が集まって、噂ということはあり得ない。
「お前、そこまで常識がないのか?」
「父上は返していましたよね?」
「ああ、おそらく対等とはいえないかもしれないが、ユーリには茶葉やあとは本、菓子などを付けていた」
「それは妻から聞いたことがありました。お義父様が贈ってくれたと」
マトムは家ではなく、それぞれに贈り物をしていたので、レイアとは別に指定した物を、買いに行ったのは使用人だが、当日にきちんと手配していた。レイアも個別で貰っているのだから、勝手に自分でするだろうと、確認をすることはなかった。
「で、母上、言い訳は思い付きましたか?」
「っ」
「いや、聞いたが…そんなことまで言われていたのかは聞いていない。レイアが嫌われて、あの場にいた方には信用されないだろうことは分かったくらいだ」
「父上も同罪だとされているそうですよ」
「はあ?なぜそんなことに」
どうして参加していない私までも、そのような風に思われなければならないのだ。
「トスター侯爵夫妻は嫁に図々しく、誕生日の贈り物を要求すると、あの場にいた方たちに思われているということです」
「…そんな」
確かにレイアに言われたとはいえ、周りから見れば、同じに見える。確かにユーリは良い物を贈ってくれてはいたが、別に贈り物なんてどうでもいい、私は何でもいいと言えば良かったのか…。
「父上もユーリに高い物を要求していたのですか?」
「っいや、そのだな、レイアにユーリは働いていて、子どももいないから、高い物で構わないと言っていると言われて、信じていた。だがそこまで高価な物ではない」
「値段は確認すれば分かることです。おかしいと思わなかったのですか?」
「思うべきだったな…」
おそらくレイアが高い物を要求している以上、私への物も高価な物だろう。いや、高価な物だった。贈ってくれるのだからと、遠慮するべきだった。
「で、何とか言ったらどうですか、母上」
レイアは時折、助けを求めるようにそれぞれの顔を見ていたが、誰も助けてはくれない様子に、黙ったままであった。
「違うの、本当に。そんなつもりで言ったんじゃないわ」
「どこがどう違うのですか?」
「メルベールには言われていないけど、ユーリには言われたの!欲しい物を言ってくださいって、本当よ!だから」
「妻にはもう確認が出来ないから、そう言っているのでしょう?」
「本当なの!」
「辻褄が合いませんよ、要らない物は欲しくないからと言っていたのでしょう?」
レイアはここで当たり前だと言えば、認めることになると分かっている。でも要らない物を貰って、『ありがとう、大切にするわ』なんて言えないじゃない。
「ユーリなら、黙って買ってくれると思ったのではありませんか。手紙にしなかったのは、証拠を残さないためですか?」
「違うわ!本当に言われたのよ、だから」
「そうだとしても、今のところサファイアのネックレスしか分かりませんが、なぜそのような高価な物を?ユーリが勝手に高い物を選んだなんて、言わないでくださいよ。調べれば分かることですから」
まさにレイアはそう言うつもりだった。息子にこんなに追い詰められたこともない、レイアは上手い言い訳が思いつかなかった。
「しかもメルベールにはささやかでも、返していたようですが、ユーリにはハンカチ一枚、もしくは何も返さなかった年もあるんですよね?」
「っな、本当なのか?」
「ええ、そのようです。しかも当日ではなく、思い出したかのように遅れて、あの場にいた方がおっしゃるのですから、おそらく裏が取れるはずです」
茶会で糾弾した以上、向こうは証拠、証人を持っているはずだ。あれだけの夫人が集まって、噂ということはあり得ない。
「お前、そこまで常識がないのか?」
「父上は返していましたよね?」
「ああ、おそらく対等とはいえないかもしれないが、ユーリには茶葉やあとは本、菓子などを付けていた」
「それは妻から聞いたことがありました。お義父様が贈ってくれたと」
マトムは家ではなく、それぞれに贈り物をしていたので、レイアとは別に指定した物を、買いに行ったのは使用人だが、当日にきちんと手配していた。レイアも個別で貰っているのだから、勝手に自分でするだろうと、確認をすることはなかった。
「で、母上、言い訳は思い付きましたか?」
「っ」
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