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姉夫妻4
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一方、メルベールも嘘がバレて、焦っていた。表向きは良き嫁姑だと思っていたはずが、義母・レイアにも見限られた。
義母への些細な嘘じゃないと思ったが、ユーリの立場で考えたら、とても不愉快だったと思う。要望通りに買いに行くのが嫌だっただけで、お金なら払ったのに。
「どうだった?楽しかったかい?シュアト公爵家は、うちとは関りがなかったのにどうしたんだろうな」
「ユーリが親しかったそうなの」
「そう、だったのか…」
ユーリのことで、メルベールを誘ってくれたのか。ユーリを偲んで、明るい会にはならなかったかもしれないが、有意義な時間を過ごせたのではないだろうか。
「でもユーリからは聞いたことがなかったの」
「それは普通だろう?私だってオーランドの交友関係までは知らないさ」
学生の頃ならまだしも、いくら双子でも結婚して、別の家で暮らせば、交友関係など分かるはずがない。わざわざ親しいと告げることもないだろう。
「でっ、でも教えてくれていたら一緒に行ったのに。そうしたら、こんなことにならなかったわ」
「何かあったのか?」
「多分、私たちを辱めるために呼んだのだと思うわ」
「は?」
「怒らないで聞いて欲しいのだけど…」
まさかシュアト公爵家で何か起きたというのか?アベリーであるまいし、茶会だろう?母上も一緒だったはずだろう?
「実はお義母様、いつも誕生日の贈り物の要望を言って来るじゃない?」
「ああ、だが私も注意したし、言われた物を贈らなくてもいいと言っただろう?」
メルベールは贈り物は好意であって、義務的に欲しい物を貰える日ではないのではないか、わざわざ言いに来るのがトスター侯爵家では普通なのかと問われた。
キリアムは言われたことがなかったので、そんなはずはないと母上にも止めて欲しいと話したはずだ。
「それはそうなのだけど、要望を言われるのが、とても嫌だったの」
「そうだろうとは思っていたが?また何か言って来たのか?」
「そうじゃなくて、ユーリはお義母様に言われた物を、贈っていたのだと思うの。多分、高価なものを」
「はあ?何だよそれ!」
ユーリにも同じように伝えて、しかも高価な物を買わせていたというのか。
「ユーリにはあなたは働いているから、高い物でもいいでしょうと言っていたと、聞いたわ」
「そんな恥ずかしい真似をしていたのか?」
そんな母上だったのかと思うと、心底恥ずかしい。欲しい物があるなら、父上に言えばいいじゃないか。
「それで…実はユーリがお義母様に贈った物を、私と一緒に買った様に言ってしまったの。何度か…」
「は?」
「悪かったと思っているわ、ユーリにも最低なことをしたと思っているの」
「何度かって…」
「ネックレスとか、鞄とか、靴とか…」
「ユーリには話して、お金は払ったんだよな?」
「それが、していないの」
「は?」
「ユーリにも言っていないし、お金も一切払っていないの。その年の誕生日は私は何も贈っていないの」
「何だって?」
嫌だったのは分かるが、ユーリは関係ないじゃないか。
「キリアムが注意してくれても、お義母様は買ってくれと言っているわけじゃない、私は要らない物は欲しくない、この中から選んでくれればいいって、当たり前のように言われるのが本当に嫌で、実は何もあげていないのにって、思っていたのよ…」
注意しても止めない母上に、贈らずに憂さ晴らしをしていたのか。年に一度のことがそれほどまでに嫌だったのか?
「母上は正直、仕方ないが…ユーリに、ユーリは知っていたのか?」
「分からないわ、もしかしたら知っていたのかも。怒っていたのかもしれない」
「それは、メルベールに言わなかったとしても、怒るだろう。俺でもオーランドにそんな風に使われたら腹が立つよ」
「そうよね…」
「待ってくれ、それは母上に個人的に言われたのか?」
「それが今日の茶会で、言われたのよ」
「は?」
義母への些細な嘘じゃないと思ったが、ユーリの立場で考えたら、とても不愉快だったと思う。要望通りに買いに行くのが嫌だっただけで、お金なら払ったのに。
「どうだった?楽しかったかい?シュアト公爵家は、うちとは関りがなかったのにどうしたんだろうな」
「ユーリが親しかったそうなの」
「そう、だったのか…」
ユーリのことで、メルベールを誘ってくれたのか。ユーリを偲んで、明るい会にはならなかったかもしれないが、有意義な時間を過ごせたのではないだろうか。
「でもユーリからは聞いたことがなかったの」
「それは普通だろう?私だってオーランドの交友関係までは知らないさ」
学生の頃ならまだしも、いくら双子でも結婚して、別の家で暮らせば、交友関係など分かるはずがない。わざわざ親しいと告げることもないだろう。
「でっ、でも教えてくれていたら一緒に行ったのに。そうしたら、こんなことにならなかったわ」
「何かあったのか?」
「多分、私たちを辱めるために呼んだのだと思うわ」
「は?」
「怒らないで聞いて欲しいのだけど…」
まさかシュアト公爵家で何か起きたというのか?アベリーであるまいし、茶会だろう?母上も一緒だったはずだろう?
「実はお義母様、いつも誕生日の贈り物の要望を言って来るじゃない?」
「ああ、だが私も注意したし、言われた物を贈らなくてもいいと言っただろう?」
メルベールは贈り物は好意であって、義務的に欲しい物を貰える日ではないのではないか、わざわざ言いに来るのがトスター侯爵家では普通なのかと問われた。
キリアムは言われたことがなかったので、そんなはずはないと母上にも止めて欲しいと話したはずだ。
「それはそうなのだけど、要望を言われるのが、とても嫌だったの」
「そうだろうとは思っていたが?また何か言って来たのか?」
「そうじゃなくて、ユーリはお義母様に言われた物を、贈っていたのだと思うの。多分、高価なものを」
「はあ?何だよそれ!」
ユーリにも同じように伝えて、しかも高価な物を買わせていたというのか。
「ユーリにはあなたは働いているから、高い物でもいいでしょうと言っていたと、聞いたわ」
「そんな恥ずかしい真似をしていたのか?」
そんな母上だったのかと思うと、心底恥ずかしい。欲しい物があるなら、父上に言えばいいじゃないか。
「それで…実はユーリがお義母様に贈った物を、私と一緒に買った様に言ってしまったの。何度か…」
「は?」
「悪かったと思っているわ、ユーリにも最低なことをしたと思っているの」
「何度かって…」
「ネックレスとか、鞄とか、靴とか…」
「ユーリには話して、お金は払ったんだよな?」
「それが、していないの」
「は?」
「ユーリにも言っていないし、お金も一切払っていないの。その年の誕生日は私は何も贈っていないの」
「何だって?」
嫌だったのは分かるが、ユーリは関係ないじゃないか。
「キリアムが注意してくれても、お義母様は買ってくれと言っているわけじゃない、私は要らない物は欲しくない、この中から選んでくれればいいって、当たり前のように言われるのが本当に嫌で、実は何もあげていないのにって、思っていたのよ…」
注意しても止めない母上に、贈らずに憂さ晴らしをしていたのか。年に一度のことがそれほどまでに嫌だったのか?
「母上は正直、仕方ないが…ユーリに、ユーリは知っていたのか?」
「分からないわ、もしかしたら知っていたのかも。怒っていたのかもしれない」
「それは、メルベールに言わなかったとしても、怒るだろう。俺でもオーランドにそんな風に使われたら腹が立つよ」
「そうよね…」
「待ってくれ、それは母上に個人的に言われたのか?」
「それが今日の茶会で、言われたのよ」
「は?」
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