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義両親2

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「あと、とても不愉快だけど、私たちが善意で誕生日の贈り物の案を出していたじゃない?困らせないために」
「ああ、その方が良かったんだろう?」
「っええ、そうよ。でもユーリは強請っていたと思っていたようで」
「はあ?教えて欲しいと言うから伝えていたんだろう!」

 教えて欲しいと言うから、あまり安物でも高い物でも困るだろうと、大体は酒を要望していた。良いものばかりではあったが、強請っていたとは失礼過ぎる。

「そうなのだけど、皆様にはそのように伝わっていたようで…」

 レイアはとても耐えられなかったわと言わんばかりに、悲しげな表情を作った。

「強請るわけがないだろう!本当にそんなこと言われたのか?」
「ええ、善意だったのに、どうしてそんな風に捉えられたのかしらと、悲しくなってしまったわ」
「それ、本当に私たちのことか?アレクスと間違えているんじゃないか?あいつなら絶対言うだろう?」

 確かに実父であるアレクスならユーリに人目も憚らず言った可能性はある。だが私から言い出したことがバレるのは不味い。本当に強請っていたと思われてしまう。ユーリが勘違いしただけだと、思わせなくてはならない。

「そうかもしれないけど…」
「誤解だろう、よく考えればユーリが言うとも思えないしな。そうじゃないか?メルベールにすら言えないユーリが、誰かにそのようなことを言うんだ?」
「っえ、でも言わなければ分からないことじゃない?」
「だからアレクスと勘違いしているんだろう」
「次の茶会できちんと誤解を解いておいてくれよ。侯爵家が嫁に強請ったなんて、洩れでもしたら大変だ」

 レイアもさすがに二人して糾弾された状態で、次の茶会があるか分からない、もう呼ばれないのではないかと思っている。

「私も信じたくはないけど、ユーリが言ったのかもしれないの。皆様、ユーリを褒めてばかりで、あまり好意的ではなかったのよ」
「シュアト公爵夫人と、コンクエッツ公爵夫人と、マクシス伯爵夫人と、あとは誰がいたのだ?」
「えっと、だからスカラット侯爵夫人と、ガルツ侯爵夫人と、あとそれぞれのお嫁様や、お嬢様がいらしたわ」
「ユーリはその皆さんに好意的に扱われているということだな?」

 スカラット侯爵家と、ガルツ侯爵家までもいたのか。あとは実質、コンクエッツ公爵夫人とマクシス伯爵夫人は生家であるバエルン侯爵家も関わって来る。

「そうなのよ、だから私が何を言っても、ユーリの言うことを信じるでしょう?好意的なのだから」
「君は嫌われたのか?」
「だから、誤解だけど、信じて貰えなくて…」
「終わりだな。もしユーリが言ったとしても、否定させようにも無理じゃないか!いくら誤解だと言っても、皆ユーリを信じるに決まっている…こんなことなら行かせるべきではなかった」
「そんな…」

 レイアはようやく気付いた。ユーリのせいにして、自分に非がないように考えていたが、誤解を解くことも同時に出来なくなったのだ。

 ユーリがいれば、本人に誤解だと証言してもらえば、信じてくれただろう。でも現状では亡くなったユーリを信じるに決まっている。

「もういい形で関わることは難しいだろう」
「アベリーのこともあるのに、君もメルベールも、味方を減らしただけじゃないか」
「誤解を解く方法があれば…」
「どうやって解くというのだ?もう余計なことはするな」

 レイアはマトムに頼りにされて来た、初めて突き放されて、どうにかしなくてはならないと焦った。

 メルベールには無理、キリアムも関係ない。オーランドなら、ユーリは勘違いしていただけだと言えば、説得力があるのではないか、そう考えた。

 オーランドの妊娠した愛人のことは、子どもがオーランドの子ではなかったと証明されたことで、すっかりレイアの中ではなかったことになっていた。
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