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シュアト公爵家の茶会2

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「ええそうよ、クレアとお休みを合わせて、一緒に来て貰っていたの」
「医師と薬師だから難しいことではないわ」
「そうだったのですか、私は何も知らなかったものですから。ユーリも言ってくれれば良かったのに…来れなくて残念がっていると思います」

 レイアは悲しげな表情で、ユーリへの思いを口にすると、皆がカップを置き、しんみりと静かになってしまい、健気な義母のつもりだったが、失敗したと感じ、慌ててメルベールに声を掛けた。

「メルベールもそう思うわよね?」
「はい、言ってくれたら付き合ったのにと思いました」

 グッと温度が下がったが、緊張と思った様にうまく会話が出来ない、レイアとメルベールは気付かない。

「話す必要がなかったから、言わなかっただけではありませんか?」
「え」
「そもそもユーリはクレナ伯爵夫人で、メルベール嬢はトスター侯爵家、別ではありませんか?」

 そう言ったのはミオール・スカラット侯爵夫人。明らかに何を言っているのかしらという表情である。

「ユーリは昔からあまり自分のことを話すのが、得意ではないものですから…ねえ、メルベール?」
「はい、そうです。私が話してばかりで話辛かったのかもしれませんが、あの子はいつも聞く側でしたので、きっかけがなかったのだと思います」
「そうじゃないわ。呼んでいないのに、参加が出来るはずないではありませんか?トスター侯爵家もそうでしょう?」

 皆、ふふと明らかに当たり前じゃないかと微笑んでいる。

 レイアもそのくらいは分かっているが、同じ家に嫁いだ、しかも双子の姉妹なら、参加してもいいのではないかという意味だと伝えたかった。

「それはそうですが、ユーリとメルベールは双子ですから、一緒に呼んでもらったら華やかになるのではないかと…そう思っただけですの」
「双子だからって、それはいくらなんでもおかしいですわ。ユーリだけで十分華やかですわ、ねえ皆さん」

 皆、そうですわねと和やかに微笑み、レイアが居たたまれなさを感じていると、アルビナート・コンクエッツ公爵夫人が、このケーキも美味しいわという言葉で、再びそれぞれに話し始めた。

 レイアもあまりいい感触ではないことは気付いていたが、これからのことを考えると、どうにか親しくしなくてはいけない。

 ユーリのことで助けになってあげたいと思わせれると思っていたが、話せば思った以上に、しんみりしてしまい、親しくなっていないのにお開きになって困る。次も呼ばれること、アベリーのことはどうにもならないとしても、トスター侯爵家の味方になって貰わないといけない。

 どうするべきかと悩んでいると、リナース・ガルツ侯爵夫人から声を掛けられた。

「トスター侯爵夫人。そちらのネックレス、素敵ですわね」
「ええ、ありがとうございます。嫁に誕生日にいただきましたの」

 レイアはやったと思った、今日はメルベールとユーリから贈られたネックレスを付けて参加していた。

「メルベール嬢から?」

 メルベールは肩をすくめて、にっこりと笑って見せた。

「どうして否定しないの?姉君は一切出していないのに」
「っえ」
「まあ義母が言わないんだものね、ユーリに貰ったと言えばいいのに、なぜ嫁なんて言い方をするの?どういうつもりなのかしら。理解、出来ませんね」
「あり得ないわ」

 方々から信じられないという言葉が飛んでくる。

「嫁は嫁ですから。でもメルベール嬢ではないでしょう?」
「二人から貰ったんです、そうよね?」
「そうです!」
「嘘ですわね!そのネックレスは私が手配したのよ」

 ケーキを食べ終えた、アルビナート夫人が言い切った。
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