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プロローグ

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 私は双子だけど、本来一人だったはずの人間で、
 姉が言うなれば主人格。

 お前はおこぼれで生まれただけで、お前は要らない、姉だけで良かった。
 事あるごとに父に言われ続けて生きて来た。

 姉だけが風邪を引けば、なぜお前が引かないのか、
 姉が怪我をすれば、お前がすれば良かった、
 いい成績を取れば、どうして姉に恥を掻かせるような真似をするのか、
 姉が不満を漏らせば、どうして姉を大事に出来ないのか。

 私が風邪を引けば、姉に移したら承知しない、
 私が怪我をすれば、罰が当たった、
 悪い成績を取れば、馬鹿だ阿呆だと罵り、
 私が不満を漏らせば、生きている価値のないものがと怒鳴る。

 要らない次女、使えない次女、無意味な次女。

 姉はその度に否定し、私が悪いと言い、守ってくれているつもりでいる。
 だが、その度に姉がいくら否定をしても、優しい子だと褒められる。
 私のターンは一度も回ってくることはない。

 母は生家へ父から援助をして貰っているため、
 強く言うことは出来ず、宥めることが精一杯であった。

 悲しい、悔しい、妬ましい、憎らしい、
 そんな気持ちは踏み潰され、
 生まれた時から同じ立ち位置だった。

 あったものを奪われたのではない、
 元からなかったものを、欲することは出来ない。
 諦めることが前提なのだ。

 私は何のために生まれて来たのかと問われれば、姉のためだと答えるのだろう。
 そうでなければ、どうして私は生まれて来たのか、分からなくなってしまう。

 姉の役に立つ人生を最期まで歩むしかない。

 そう、最期まで…。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

お読みいただきありがとうございます。

書けども書けども暗くなってしまうのですが、
元々明るい話を書いていないじゃないかと我に返りまして、
投稿させていただきます。

主としては後悔の話になる予定です。

どうぞよろしくお願いいたします。
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