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決まらない結婚
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結局、カナンとルーフランは2年経っても結婚しなかった。
「蟠りが消えぬまま、結婚したところで何も得るものはないでしょう。解消して別の方と結婚するか、白い結婚と別居ということであれば結婚だけはしましょうか」
「いっ、いや、それは…」
カナンは他に結婚したい相手がいるわけでもなく、延期になって困ることはない。このままなくなればいいと思いながら、引き延ばしているだけである。
ルーフランはカナンと結婚はしたいが、白い結婚は勿論、別居も嫌だと、結婚の話は進まない。
カナンは、自身も結婚出来たので、ルーフランを結婚させてやりたいアレヴァー王太子と、ニュートラ王国から嫁いだカオーラ王太子妃に呼ばれることになった。
レアリのことでまた婚約から始めなくてはいけなくなり、傷心気味のアレヴァーだったが、まさかニュートラ王国から話があるとは思わなかった。レアリの起こした事件のこともマリッツアのことも全て話した上でも、互いに良いと思えるならばと言って貰い、2人は少しずつ歩み寄り、いい関係を築けている。
ハニートラップを掛けられたルビー・プロプランの元婚約者、ジョセラ・シーバ公爵令息がカオーラ妃にカナンのことを話していたそうで、一度だけルーフランと共にお茶をしたこともある。
「カナン嬢、ルーフランとそろそろ結婚してくれないか」
「条件は伝えております」
「それは分かっているが、そなたも自由恋愛には反対だろう?それなのに、婚約期間のままだと自由恋愛を推奨していることになるのではないか」
「そうでしょうか」
令嬢たちがまだ婚約期間だからとルーフランに近付こうとする者もおり、その手を取ればどんどん婚約期間は伸びていく故、ルーフランは冷たくあしらっていた。
「結婚して、後継を産むのは貴族と務めだと、変えていかなくてはならないと思いませんか?」
「ニュートラ王国ではそうかもしれませんが、ペリラール王国では子どもを産めば、人質にされるだけでしょう。この子が可愛くないのか、母親が子どもを捨てるのか、リスクしかないのです。だから皆、自分の子を産まないのですよ」
子どもを産まない選択をする正妻は正直、多い。いくら子どもが好きでも好きだからこそ産めない人、自分は愛せても夫は愛さないような子どもは可哀想だからと産まない人、愛される庶子の方が幸せだと思って産まない人。
「…ですが貴族として生まれたからには」
「ええ、私が後継者だったら産めるのなら、産まなくてはならないのでしょうね。でも我が家の後継者は兄ですから、兄の子ならいいのです」
「ですが、アランズ公爵令息は、自由恋愛をしたかったわけではないと聞いています。現在はあなた一筋だと伺っています」
「そうだ、私が保証する」
「殿下もずっと一緒にいる訳ではないでしょう?夜中にそっと遊び回っているかもしれませんよ」
「そのようなことはない」
「信じてみてもいいのではありませんか、信じなければ何も始まりませんよ」
確かに信じることが信頼する一歩だろう。最初から信じなければ、何も始まらないだろう。だが、そんな気力はカナンは持っていなかった。
「そうですね、でも信じて裏切られるのと、信じずに裏切られるのであれば、私は後者を選んで来ました。そもそも、信用に値しないことをしたのあちらでしょう?それなのに、どうして私が信じなければならないのでしょうか?」
「だが、上手くいっている者もいるだろう?」
「残念ですが、私の一番の友人の夫に最近、愛人がついに出来ましたの」
「っな、まさか…」
アルームは愛人を作り、リファは別居になった。これで完全に再構築されることはなくなった、愛人の庶子が継ぐか、養子を取るかは分からないが、2人の子が継ぐことはなくなったと言っていいだろう。
「蟠りが消えぬまま、結婚したところで何も得るものはないでしょう。解消して別の方と結婚するか、白い結婚と別居ということであれば結婚だけはしましょうか」
「いっ、いや、それは…」
カナンは他に結婚したい相手がいるわけでもなく、延期になって困ることはない。このままなくなればいいと思いながら、引き延ばしているだけである。
ルーフランはカナンと結婚はしたいが、白い結婚は勿論、別居も嫌だと、結婚の話は進まない。
カナンは、自身も結婚出来たので、ルーフランを結婚させてやりたいアレヴァー王太子と、ニュートラ王国から嫁いだカオーラ王太子妃に呼ばれることになった。
レアリのことでまた婚約から始めなくてはいけなくなり、傷心気味のアレヴァーだったが、まさかニュートラ王国から話があるとは思わなかった。レアリの起こした事件のこともマリッツアのことも全て話した上でも、互いに良いと思えるならばと言って貰い、2人は少しずつ歩み寄り、いい関係を築けている。
ハニートラップを掛けられたルビー・プロプランの元婚約者、ジョセラ・シーバ公爵令息がカオーラ妃にカナンのことを話していたそうで、一度だけルーフランと共にお茶をしたこともある。
「カナン嬢、ルーフランとそろそろ結婚してくれないか」
「条件は伝えております」
「それは分かっているが、そなたも自由恋愛には反対だろう?それなのに、婚約期間のままだと自由恋愛を推奨していることになるのではないか」
「そうでしょうか」
令嬢たちがまだ婚約期間だからとルーフランに近付こうとする者もおり、その手を取ればどんどん婚約期間は伸びていく故、ルーフランは冷たくあしらっていた。
「結婚して、後継を産むのは貴族と務めだと、変えていかなくてはならないと思いませんか?」
「ニュートラ王国ではそうかもしれませんが、ペリラール王国では子どもを産めば、人質にされるだけでしょう。この子が可愛くないのか、母親が子どもを捨てるのか、リスクしかないのです。だから皆、自分の子を産まないのですよ」
子どもを産まない選択をする正妻は正直、多い。いくら子どもが好きでも好きだからこそ産めない人、自分は愛せても夫は愛さないような子どもは可哀想だからと産まない人、愛される庶子の方が幸せだと思って産まない人。
「…ですが貴族として生まれたからには」
「ええ、私が後継者だったら産めるのなら、産まなくてはならないのでしょうね。でも我が家の後継者は兄ですから、兄の子ならいいのです」
「ですが、アランズ公爵令息は、自由恋愛をしたかったわけではないと聞いています。現在はあなた一筋だと伺っています」
「そうだ、私が保証する」
「殿下もずっと一緒にいる訳ではないでしょう?夜中にそっと遊び回っているかもしれませんよ」
「そのようなことはない」
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確かに信じることが信頼する一歩だろう。最初から信じなければ、何も始まらないだろう。だが、そんな気力はカナンは持っていなかった。
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アルームは愛人を作り、リファは別居になった。これで完全に再構築されることはなくなった、愛人の庶子が継ぐか、養子を取るかは分からないが、2人の子が継ぐことはなくなったと言っていいだろう。
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