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協議2
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「2人とも相手を伏せて、興奮剤を盛ったと裁くのが一番だろうな」
「はい、姉上は2人ですから」
「そうだな、あちらの国王には事情は話してあるから、持参金をそのまま慰謝料として、渡して収めて貰おう。最初からこうすべきだったのかもしれないな」
マリッツアよりもアレヴァーを優先し、リアリ嬢のことを考えて、遠くへやったが、罪は償わせるべきだったのだろう。
王家は隠して嫁がせたと思われるだろうが、あの時は最善だと思ったのだ。
「二人が相手を話す可能性はありますが」
「そうだな、だがもう罪を犯した人間だ。何を言ってもまともな者は相手にしない。傷付けた相手に酷い言い方かもしれないが、カナン嬢は強く、ルーフランは男、レアリ嬢は自業自得。明かされたとしても、大丈夫だろう」
「そうですね。禁固刑や罰金、追放などではなく、奉仕活動の方がいいでしょうか」
「そうだな、結果と言ってはあれだが、カナン嬢以外は傷付けられたとは言い難い。反省させること目的とする方がいいだろう」
運が良かったというべきか、辱めを受けたと言える者はいない。己と向き合って、罪を反省させなくては、二人の未来はない。
「慰謝料は必要でしょう、カナン嬢には治療費も必要ですね」
「ああ、お前の婚約者も探さなければなるまい」
「そうでした…まさかこんなことになるとは思ってもいませんでした」
「儂もだ、レアリ嬢は伯爵家の縁者に娶って貰うか、修道女になってもらうしかあるまい。アレヴァーはいいのだな?」
「はい、一緒にやっていく自信はあの日なくなりました」
二年前にレアリ嬢を選んだのはアレヴァー自身であったが、見る目が変わってしまうのも無理はない事件だ。
「カナン嬢は不本意なことだと思うでしょうね、これでまた自由恋愛への風潮が私たちの破談によって遠のくと考えるでしょう」
「さすが宰相の娘というところだろう」
二人は王妃も交えて話をすることにし、協議の結果を話すと王妃は深く頷いた。
「王女は大問題を起こす前に戻しましょう。一度は嫁げたのですから、もういいでしょう。慌てて嫁がせたのが仇となりましたね…罪を償わせてからにすべきでした」
「…ああ、そうだな」
今となってはその通りだ、嫁ぎ先がなくなろうと償わせるべきであった。
「奉仕活動はマリッツアは真面目に取り組めば3年、レアリ嬢は2年というところでしょうか」
「レアリ嬢は半分ではないのか」
「意図的に人を使っていますからね、本人に悪意はなくても悪質でしょう」
マリッツアの媚薬は婚約者がいた頃に、知り合いから冗談半分で夜の刺激にと貰った物で、自らが2人に飲ませていた。
「真面目に取り組まなければ、マリッツアは幽閉、レアリ嬢は王都を追放としましょうか。あとは王家からも慰謝料を払わなくてはなりません」
「ああ、アランズ公爵家と、マルカン伯爵家に支払いをするようにしよう」
「リッツソード侯爵家にはマルカン伯爵家が対応するでしょうから、マリッツアは私が責任を持ちます」
厳しくしてきたつもりだが、これからは見張らなければならない、侍女に交代で監視役を務めさせ、幽閉をチラつかせるしかない。
「奉仕活動なんて言ったら、このまま残ると言い出しませんか」
「どうでしょうか、誰にも相手にされていないようですから、構って欲しいあの子には奉仕活動の方がマシかもしれません」
「なるほど…」
マリッツアは国王は勿論、王妃や側妃からも、何か言えば文句ばかりで、面倒だと相手にされず、無視されていることから、嫌がらせを受けていると言っている。
自国から二人の侍女を付けたが、二人も最低限の会話しかなく、相手にしてくれず、自分を見て欲しいマリッツアには耐え難い場所であった。
「事情も話さなくてはなりませんから、私が迎え行って参ります。2人は今回の件を片付けて置いてください」
「あい、分かった」
「承知しました」
「はい、姉上は2人ですから」
「そうだな、あちらの国王には事情は話してあるから、持参金をそのまま慰謝料として、渡して収めて貰おう。最初からこうすべきだったのかもしれないな」
マリッツアよりもアレヴァーを優先し、リアリ嬢のことを考えて、遠くへやったが、罪は償わせるべきだったのだろう。
王家は隠して嫁がせたと思われるだろうが、あの時は最善だと思ったのだ。
「二人が相手を話す可能性はありますが」
「そうだな、だがもう罪を犯した人間だ。何を言ってもまともな者は相手にしない。傷付けた相手に酷い言い方かもしれないが、カナン嬢は強く、ルーフランは男、レアリ嬢は自業自得。明かされたとしても、大丈夫だろう」
「そうですね。禁固刑や罰金、追放などではなく、奉仕活動の方がいいでしょうか」
「そうだな、結果と言ってはあれだが、カナン嬢以外は傷付けられたとは言い難い。反省させること目的とする方がいいだろう」
運が良かったというべきか、辱めを受けたと言える者はいない。己と向き合って、罪を反省させなくては、二人の未来はない。
「慰謝料は必要でしょう、カナン嬢には治療費も必要ですね」
「ああ、お前の婚約者も探さなければなるまい」
「そうでした…まさかこんなことになるとは思ってもいませんでした」
「儂もだ、レアリ嬢は伯爵家の縁者に娶って貰うか、修道女になってもらうしかあるまい。アレヴァーはいいのだな?」
「はい、一緒にやっていく自信はあの日なくなりました」
二年前にレアリ嬢を選んだのはアレヴァー自身であったが、見る目が変わってしまうのも無理はない事件だ。
「カナン嬢は不本意なことだと思うでしょうね、これでまた自由恋愛への風潮が私たちの破談によって遠のくと考えるでしょう」
「さすが宰相の娘というところだろう」
二人は王妃も交えて話をすることにし、協議の結果を話すと王妃は深く頷いた。
「王女は大問題を起こす前に戻しましょう。一度は嫁げたのですから、もういいでしょう。慌てて嫁がせたのが仇となりましたね…罪を償わせてからにすべきでした」
「…ああ、そうだな」
今となってはその通りだ、嫁ぎ先がなくなろうと償わせるべきであった。
「奉仕活動はマリッツアは真面目に取り組めば3年、レアリ嬢は2年というところでしょうか」
「レアリ嬢は半分ではないのか」
「意図的に人を使っていますからね、本人に悪意はなくても悪質でしょう」
マリッツアの媚薬は婚約者がいた頃に、知り合いから冗談半分で夜の刺激にと貰った物で、自らが2人に飲ませていた。
「真面目に取り組まなければ、マリッツアは幽閉、レアリ嬢は王都を追放としましょうか。あとは王家からも慰謝料を払わなくてはなりません」
「ああ、アランズ公爵家と、マルカン伯爵家に支払いをするようにしよう」
「リッツソード侯爵家にはマルカン伯爵家が対応するでしょうから、マリッツアは私が責任を持ちます」
厳しくしてきたつもりだが、これからは見張らなければならない、侍女に交代で監視役を務めさせ、幽閉をチラつかせるしかない。
「奉仕活動なんて言ったら、このまま残ると言い出しませんか」
「どうでしょうか、誰にも相手にされていないようですから、構って欲しいあの子には奉仕活動の方がマシかもしれません」
「なるほど…」
マリッツアは国王は勿論、王妃や側妃からも、何か言えば文句ばかりで、面倒だと相手にされず、無視されていることから、嫌がらせを受けていると言っている。
自国から二人の侍女を付けたが、二人も最低限の会話しかなく、相手にしてくれず、自分を見て欲しいマリッツアには耐え難い場所であった。
「事情も話さなくてはなりませんから、私が迎え行って参ります。2人は今回の件を片付けて置いてください」
「あい、分かった」
「承知しました」
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