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罪の償い1
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リッツソード侯爵とカナンは先に退席し、残されたのは陛下と王太子と、マルカン伯爵とレアリだ。王太子は陛下がいる以上、口を挟むことはなかった上に、カナンの達者さに後ろに宰相となれば、挟みようもなかった。
「陛下、お疲れ様でした」
「想定していなかったわけではないが、どうしたものか…」
「申し訳ございませんでした」「申し訳ございません」
陛下とアレヴァーにマルカン伯爵父子はしおらしく頭を下げているが、誠意が感じられなかった。
「マルカン家はどうにかなると思っているのだろう?」
「いえ、そのようなことは…」
「私もリッツソード侯爵親子と同じで、反省しているようには見えなかった。カナン嬢が元気そうだからが理由か?」
「いっ、いえ、そのようなことは」
「私の人のことは言えぬが、自分の娘が同じ状況だと考えて、判断するべきだろう」
陛下は王女が媚薬を盛った責任を取らなければいけない立場であった、王女はすぐさま引き取ってもいいと言ってくれていた側妃に差し出した。
教育もしていたはずが、王女は地位に驕って我儘になり、いい縁談が決まらないことに苛立つようになった。国のせいだと言っていたが、アレヴァーの影響もおかげもあって、ようやく決まった縁談を我儘を発揮して、白紙に戻された鬱憤から媚薬を盛ったのだ。ルーフランと関係を持とうとした通り、既に処女ではなかった。だが相手はこだわらない国だったので、側妃として嫁ぐことが出来た。
だが嫁いでからも、予算が少なくて生活出来ない、王妃も他の側妃に嫌がらせさていると文が届くが、充分な支度金は渡しており、付けた侍女から報告には、見合ったものだと書かれており、離縁されて、これ以上暮らしが悪くなりたくなければ、大人しくきちんと務めるようにと伝えている。
いくら相手が婚約者であるアレヴァーでも、マルカン伯爵家にも謝罪した。レアリ嬢は王家が責任を持つと言ったが、まさかこんな事件を起こすとは思わなかった。
マルカン伯爵父子がどこか余裕があるのも、こちらにも庇護があるから、どうせ何があっても、娶ってくれると思っているからだろう。
「リッツソード侯爵令嬢が腕を切った際は、ルーフランが言うには顔色は真っ青であったと、自分も真っ青になったと申していた。私が駆け付けた際も、タオルから判断しても出血が酷かった。あの現場を見ていない2人には分からないだろうが、今日は元気そうに見えても、酷い状況だったことを忘れるな」
「はい」「…はい」
アレヴァーはあの時のルーフランの酷く心配した顔も、カナンの血の気を失った顔も見ている。謝罪しないマルカン伯爵もレアリも不愉快でしかなかった。
レアリは私のためでもあったと言ったが、心配したからと言って、媚薬を盛るという思考が信じられない。
姉の盛った媚薬で処女を奪ってしまったことは事実だが、あの後も何度か関係を持ってしまっていたが、レアリが迫って来ることもあった。それがこんな思考になったというのか、レアリが婚約者で恥ずかしいと思ったことは初めてだった。
今回の件で正直レアリへの想いは冷めている、上手くやっていく自信はもうない。あの場にいた者は同じように思っただろう。
「マルカン伯爵は2番目の案になると思っているだろう?」
「そのようなことは」
「顔に書いてあるさ。どうせ2番目になるはずだと、ただそうなれば、君に婚約解消の全ての担当をして貰わないと割に合わない」
「それは…」
「一体何件あるか、既に結婚している者からの批判も相当となる。罵倒に批判が殺到するだろうな」
アランズ公爵令息と、リッツソード侯爵令嬢の不貞による婚約破棄となれば、確かに目立ってしまうことになるだろう。その全てを受けなくてはならないのか、どこの家門がやって来るかすら分からない。伯爵家よりも爵位の高い家からとなった場合にどう対応したらいいか分からない。
「陛下、お疲れ様でした」
「想定していなかったわけではないが、どうしたものか…」
「申し訳ございませんでした」「申し訳ございません」
陛下とアレヴァーにマルカン伯爵父子はしおらしく頭を下げているが、誠意が感じられなかった。
「マルカン家はどうにかなると思っているのだろう?」
「いえ、そのようなことは…」
「私もリッツソード侯爵親子と同じで、反省しているようには見えなかった。カナン嬢が元気そうだからが理由か?」
「いっ、いえ、そのようなことは」
「私の人のことは言えぬが、自分の娘が同じ状況だと考えて、判断するべきだろう」
陛下は王女が媚薬を盛った責任を取らなければいけない立場であった、王女はすぐさま引き取ってもいいと言ってくれていた側妃に差し出した。
教育もしていたはずが、王女は地位に驕って我儘になり、いい縁談が決まらないことに苛立つようになった。国のせいだと言っていたが、アレヴァーの影響もおかげもあって、ようやく決まった縁談を我儘を発揮して、白紙に戻された鬱憤から媚薬を盛ったのだ。ルーフランと関係を持とうとした通り、既に処女ではなかった。だが相手はこだわらない国だったので、側妃として嫁ぐことが出来た。
だが嫁いでからも、予算が少なくて生活出来ない、王妃も他の側妃に嫌がらせさていると文が届くが、充分な支度金は渡しており、付けた侍女から報告には、見合ったものだと書かれており、離縁されて、これ以上暮らしが悪くなりたくなければ、大人しくきちんと務めるようにと伝えている。
いくら相手が婚約者であるアレヴァーでも、マルカン伯爵家にも謝罪した。レアリ嬢は王家が責任を持つと言ったが、まさかこんな事件を起こすとは思わなかった。
マルカン伯爵父子がどこか余裕があるのも、こちらにも庇護があるから、どうせ何があっても、娶ってくれると思っているからだろう。
「リッツソード侯爵令嬢が腕を切った際は、ルーフランが言うには顔色は真っ青であったと、自分も真っ青になったと申していた。私が駆け付けた際も、タオルから判断しても出血が酷かった。あの現場を見ていない2人には分からないだろうが、今日は元気そうに見えても、酷い状況だったことを忘れるな」
「はい」「…はい」
アレヴァーはあの時のルーフランの酷く心配した顔も、カナンの血の気を失った顔も見ている。謝罪しないマルカン伯爵もレアリも不愉快でしかなかった。
レアリは私のためでもあったと言ったが、心配したからと言って、媚薬を盛るという思考が信じられない。
姉の盛った媚薬で処女を奪ってしまったことは事実だが、あの後も何度か関係を持ってしまっていたが、レアリが迫って来ることもあった。それがこんな思考になったというのか、レアリが婚約者で恥ずかしいと思ったことは初めてだった。
今回の件で正直レアリへの想いは冷めている、上手くやっていく自信はもうない。あの場にいた者は同じように思っただろう。
「マルカン伯爵は2番目の案になると思っているだろう?」
「そのようなことは」
「顔に書いてあるさ。どうせ2番目になるはずだと、ただそうなれば、君に婚約解消の全ての担当をして貰わないと割に合わない」
「それは…」
「一体何件あるか、既に結婚している者からの批判も相当となる。罵倒に批判が殺到するだろうな」
アランズ公爵令息と、リッツソード侯爵令嬢の不貞による婚約破棄となれば、確かに目立ってしまうことになるだろう。その全てを受けなくてはならないのか、どこの家門がやって来るかすら分からない。伯爵家よりも爵位の高い家からとなった場合にどう対応したらいいか分からない。
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