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サマーパーティー3
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「敬称略で話すが、ルビーはラベックをずっと好きだったそうだ」
「え?」「消えたというのは?」
「消えたように見せかけたの事実だ。だが関係を持ったわけではない。ラベックは後腐れのない相手を見極めているからな、ルビーに手を出すはずがない。事実、ルビーは何度も誘って断られている。だからサマーパーティーで、ルビーが話し掛けて、2人とも戻って来ず、実際は別の女性と消えたのだが、2人が消えたように見せかけたのだよ、だから捨て身と言ったんだ」
ラベックは今日は誰と消えるのかしらと注目を浴びている存在だ、そこへルビーが現れれば目立つだろう。
「なるほど」「護衛騎士は遊びだった?」
「その護衛騎士、ラベックに少し似ているんだよ」
「うわ」「それで関係を持っていたですか」
「ああ、そういうことらしい」
護衛騎士はラベックの身代わりをさせられていたということか。
「朝帰りしたこともあって、サマーパーティーのことが両親の耳に入り、ルビーも最初はラベックと関係を持ったと言っていたそうだ」
「ラベック様に責任を取って貰おうと思ったのですね?」
「ああ、そうだ。だが、ラベックはその日、嫌な予感がして、早々に邸に帰っている。これが泊まり歩いていたら危なかったかもしれないが。で、ルビーは朝まで一緒だったと言い、おかしいとなるだろう」
令息と違って、令嬢は自由恋愛でも、ホテルに誘うことは勇気がいる。だからこそ、相手が近くにいる騎士だったりするのだ。
「婚約は解消よね?」
「ああ、間違いなくな。侯爵夫妻が謝罪と慰謝料を既に払いに行ったらしい」
「護衛騎士は?」
「それが逃げたらしい」
「さすがに雇われ先の娘に手を出したとなれば、そうなるわよね」
「捕まえるの?」
「いや、それが同意の上だったそうだからな。解雇にはなるだろうが、そもそもそれどころではないようだからな」
婚約者がいることは知っていただろうが、護衛騎士が本気であったならば、ラベックへの想いは酷い裏切りだっただろう。
「でも折角のニュートラ王国の公爵家の縁談を、勿体ないわね。どうやって結ばれたのかしらね?」
「我が妹は、自国を嫌悪していますからね」
「ええ、ニュートラ王国の方がいいに決まってますわ」
「婚約者がいる台詞ではないな」
「あれは婚約者ではありません」
リガロもさすがにルーフランのことは耳にしているが、彼を尊敬もしているので、何とも言えないところである。
「はあ…まあいい。リファ嬢もゆっくりしていってください」
「はい、ありがとうございます」
リガロは去って行き、再び部屋にはカナンとリファ。あとレモがお茶係として、控えている。
「リガロ様ってまだ婚約者いないのよね?」
「いるわけないじゃない、さすがに婚約者がいながらの自由恋愛は、控えているつもりみたいだから」
「不誠実とは言い難いところね」
「でも誠実だとも言えない」
リガロは3年生。本来なら婚約者がいてもおかしくはないが、まだ決めていない状態である。女性といるところを見たわけではないが、自由恋愛を楽しんでいると本人が言っている。
「でも、相手がニュートラ王国だから、当たり前の婚約解消よね」
「そうね、自国だったら噂にはなったでしょうけど、婚約解消とはならなかったかもしれないわね。ルビー嬢は婚約者が嫌だったのかしらね」
「それほど、ラベック様が好きだったのかもしれないわよ」
「でもラベック様が婚約者だったら、ずっと婚約中のままなのでは?」
「あり得そうで怖いわね」
「え?」「消えたというのは?」
「消えたように見せかけたの事実だ。だが関係を持ったわけではない。ラベックは後腐れのない相手を見極めているからな、ルビーに手を出すはずがない。事実、ルビーは何度も誘って断られている。だからサマーパーティーで、ルビーが話し掛けて、2人とも戻って来ず、実際は別の女性と消えたのだが、2人が消えたように見せかけたのだよ、だから捨て身と言ったんだ」
ラベックは今日は誰と消えるのかしらと注目を浴びている存在だ、そこへルビーが現れれば目立つだろう。
「なるほど」「護衛騎士は遊びだった?」
「その護衛騎士、ラベックに少し似ているんだよ」
「うわ」「それで関係を持っていたですか」
「ああ、そういうことらしい」
護衛騎士はラベックの身代わりをさせられていたということか。
「朝帰りしたこともあって、サマーパーティーのことが両親の耳に入り、ルビーも最初はラベックと関係を持ったと言っていたそうだ」
「ラベック様に責任を取って貰おうと思ったのですね?」
「ああ、そうだ。だが、ラベックはその日、嫌な予感がして、早々に邸に帰っている。これが泊まり歩いていたら危なかったかもしれないが。で、ルビーは朝まで一緒だったと言い、おかしいとなるだろう」
令息と違って、令嬢は自由恋愛でも、ホテルに誘うことは勇気がいる。だからこそ、相手が近くにいる騎士だったりするのだ。
「婚約は解消よね?」
「ああ、間違いなくな。侯爵夫妻が謝罪と慰謝料を既に払いに行ったらしい」
「護衛騎士は?」
「それが逃げたらしい」
「さすがに雇われ先の娘に手を出したとなれば、そうなるわよね」
「捕まえるの?」
「いや、それが同意の上だったそうだからな。解雇にはなるだろうが、そもそもそれどころではないようだからな」
婚約者がいることは知っていただろうが、護衛騎士が本気であったならば、ラベックへの想いは酷い裏切りだっただろう。
「でも折角のニュートラ王国の公爵家の縁談を、勿体ないわね。どうやって結ばれたのかしらね?」
「我が妹は、自国を嫌悪していますからね」
「ええ、ニュートラ王国の方がいいに決まってますわ」
「婚約者がいる台詞ではないな」
「あれは婚約者ではありません」
リガロもさすがにルーフランのことは耳にしているが、彼を尊敬もしているので、何とも言えないところである。
「はあ…まあいい。リファ嬢もゆっくりしていってください」
「はい、ありがとうございます」
リガロは去って行き、再び部屋にはカナンとリファ。あとレモがお茶係として、控えている。
「リガロ様ってまだ婚約者いないのよね?」
「いるわけないじゃない、さすがに婚約者がいながらの自由恋愛は、控えているつもりみたいだから」
「不誠実とは言い難いところね」
「でも誠実だとも言えない」
リガロは3年生。本来なら婚約者がいてもおかしくはないが、まだ決めていない状態である。女性といるところを見たわけではないが、自由恋愛を楽しんでいると本人が言っている。
「でも、相手がニュートラ王国だから、当たり前の婚約解消よね」
「そうね、自国だったら噂にはなったでしょうけど、婚約解消とはならなかったかもしれないわね。ルビー嬢は婚約者が嫌だったのかしらね」
「それほど、ラベック様が好きだったのかもしれないわよ」
「でもラベック様が婚約者だったら、ずっと婚約中のままなのでは?」
「あり得そうで怖いわね」
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