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自由恋愛1
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私、カナン・リッツソードの婚約者である、ルーフラン・アランズは私以外の女性と沢山関係を持っております。
噂ではありません。そういった行為を目的とするパーティーや、ホテルに入って行くところを見たことがあるのです。あとは周りからも聞きますし、お相手の方が自ら言いに来ることもあります。
「ルー様に刺激的な夜を体験させていただきましたの」
「ルー様が情熱的でビックリしてしまいましたわ」
ペリラール王国では婚約していても、結婚するまで、特に男性側は自由に恋愛をしていいという風潮があります。恋愛などと言っていますが、関係を持ってもいいということです。あくまで風潮で、薦められているわけではありません。結婚してからは君だけだから、それまでは自由にさせてくれというものです。
女性側は貞淑な方が望ましいとされています。前は女性は処女というのが、貴族の結婚の条件だったそうですが、男性が自由恋愛をするのは概ね女性ですから、いなくなるのは当たり前のことです。それで望ましいに変わったそうです。それでも男側の意見が強いということです。
そんな国、他にもある?まあ、是非その国の方と意見を交わしてみたいです。男尊女卑?まあ、酷い言葉ですね。
勿論、1人の女性を、1人の男性を愛する人もいます。私の祖父は祖母だけを、祖母は祖父だけを愛するとても素晴らしい夫婦です。
祖父の世代、父の世代と、どんどん自由恋愛が強くなったようで、王族のやらかしから、婚約破棄が横行し、王家もさすがに不味いと思い、結婚するまではいいじゃないか、だが結婚してからはならぬというのが発端だと言われています。
現在の王太子様は自由恋愛をされていないということで、令嬢からの好感度が高いです。勿論、結婚を控えた婚約者がいらっしゃいます。
私の婚約者は王太子殿下の友人でありながらも、です。
そもそも、結婚したからと言って自由にしていた人が大人しくしているなんてことがあるのでしょうか。ええ、ないです。1度味わった甘い蜜はまた寄ってくれば、吸いたくなるものでしょう。
1度関係を持った相手とは、簡単に関係を持つと言うのが世の常だそうです。
稀に散々遊んでおいて、これからは妻だけを愛するという人もいるそうですが、信用出来るはずがないでしょう。そのせいで、君が信用しないからと言って、結局は不貞を犯すのです。悪循環です。
そもそも、婚約などしなければいいと思うのですが、貴族は早く良き相手をと思い、婚約させるのです。私も父が決めた婚約です。
婚約者は2つ年上で既に学園を卒業しており、親しくはありません。解消でいいと思うのですが、父に何度告げても動きません。尻を叩いてやりたいですが、親が決めた婚約は、子同士では簡単に解消出来ないのです。
「婚約を解消出来ないのですか、何人いればいいのですか」
「まだ婚約中じゃないか」
「はあ、お父様はあのようなふしだらが、私にお似合いだと仰るのですね」
「女は騒ぐんじゃない」
「そうよ、女は黙って従うのが美しいのよ。美しい方がいいでしょう?」
最後の言葉は母です。父に洗脳でもされているのでしょうか。
婚約者は辺境を守る公爵家、私は侯爵家ではありますが、父は宰相を務めております。だからこそ、公爵家と縁続きになりたかったのでしょう。
高慢な父と、洗脳された母、自由恋愛を謳歌する兄、歪な家族の出来上がりです。
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お読みいただきありがとうございます。
連載中の話の終わりに目途がつきましたので、
元々は気分転換に別の話を書いていたのですが、
新年早々、悲しい出来事が起こる中、
書けども書けども暗くなりすぎてしまったので、
保留にして、こちらもあまり明るいとは言えませんが、
自由恋愛の国の話を書くことにしました。
どうぞよろしくお願いいたします。
噂ではありません。そういった行為を目的とするパーティーや、ホテルに入って行くところを見たことがあるのです。あとは周りからも聞きますし、お相手の方が自ら言いに来ることもあります。
「ルー様に刺激的な夜を体験させていただきましたの」
「ルー様が情熱的でビックリしてしまいましたわ」
ペリラール王国では婚約していても、結婚するまで、特に男性側は自由に恋愛をしていいという風潮があります。恋愛などと言っていますが、関係を持ってもいいということです。あくまで風潮で、薦められているわけではありません。結婚してからは君だけだから、それまでは自由にさせてくれというものです。
女性側は貞淑な方が望ましいとされています。前は女性は処女というのが、貴族の結婚の条件だったそうですが、男性が自由恋愛をするのは概ね女性ですから、いなくなるのは当たり前のことです。それで望ましいに変わったそうです。それでも男側の意見が強いということです。
そんな国、他にもある?まあ、是非その国の方と意見を交わしてみたいです。男尊女卑?まあ、酷い言葉ですね。
勿論、1人の女性を、1人の男性を愛する人もいます。私の祖父は祖母だけを、祖母は祖父だけを愛するとても素晴らしい夫婦です。
祖父の世代、父の世代と、どんどん自由恋愛が強くなったようで、王族のやらかしから、婚約破棄が横行し、王家もさすがに不味いと思い、結婚するまではいいじゃないか、だが結婚してからはならぬというのが発端だと言われています。
現在の王太子様は自由恋愛をされていないということで、令嬢からの好感度が高いです。勿論、結婚を控えた婚約者がいらっしゃいます。
私の婚約者は王太子殿下の友人でありながらも、です。
そもそも、結婚したからと言って自由にしていた人が大人しくしているなんてことがあるのでしょうか。ええ、ないです。1度味わった甘い蜜はまた寄ってくれば、吸いたくなるものでしょう。
1度関係を持った相手とは、簡単に関係を持つと言うのが世の常だそうです。
稀に散々遊んでおいて、これからは妻だけを愛するという人もいるそうですが、信用出来るはずがないでしょう。そのせいで、君が信用しないからと言って、結局は不貞を犯すのです。悪循環です。
そもそも、婚約などしなければいいと思うのですが、貴族は早く良き相手をと思い、婚約させるのです。私も父が決めた婚約です。
婚約者は2つ年上で既に学園を卒業しており、親しくはありません。解消でいいと思うのですが、父に何度告げても動きません。尻を叩いてやりたいですが、親が決めた婚約は、子同士では簡単に解消出来ないのです。
「婚約を解消出来ないのですか、何人いればいいのですか」
「まだ婚約中じゃないか」
「はあ、お父様はあのようなふしだらが、私にお似合いだと仰るのですね」
「女は騒ぐんじゃない」
「そうよ、女は黙って従うのが美しいのよ。美しい方がいいでしょう?」
最後の言葉は母です。父に洗脳でもされているのでしょうか。
婚約者は辺境を守る公爵家、私は侯爵家ではありますが、父は宰相を務めております。だからこそ、公爵家と縁続きになりたかったのでしょう。
高慢な父と、洗脳された母、自由恋愛を謳歌する兄、歪な家族の出来上がりです。
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お読みいただきありがとうございます。
連載中の話の終わりに目途がつきましたので、
元々は気分転換に別の話を書いていたのですが、
新年早々、悲しい出来事が起こる中、
書けども書けども暗くなりすぎてしまったので、
保留にして、こちらもあまり明るいとは言えませんが、
自由恋愛の国の話を書くことにしました。
どうぞよろしくお願いいたします。
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