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再調査5
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「それでも、子どもが多いことは羨ましいことです」
「貴族の場合は、良いことだけでもありませんよ」
「もしかして、結婚ですか?」
「はい、爵位を継ぐ者は限られますし、嫁ぎ先も貴族だということで、貴族を希望しますからね。潔く働きに出る者も増えてはいますが…」
嫁ぎ先などの問題はあっても、メーリンはハビット王国と比べて、何に変えても、子どもは多い方がいいと考えていた。
「子どもは宝だと思います」
「ええ、私もそうは思います。ですが、子どもが多いことで、学園なども頭を悩ませているようです」
妊娠したという生徒が現れたために、学園も罰則を厳しくはなったが、乱れていないということではない。
今の学生たちも、同じように子沢山になるのかは分からないが、子沢山の世代を教訓として欲しいと思っている。
だが、親が許されたのだからと、恋愛結婚の両親の場合は、好きな相手と結婚すると言いだしたり、ようやく自分たちのしたことが降り掛かっている。
悩ませているのならいい方で、開き直って私たちのようになどと言っている親を持っている子どもは、男女関係の乱れの一部となっている。
「そうなのですか?」
「お恥ずかしい話ですが…」
それでも、メーリンは国として、同じような天候になっているのに、子どもは生まれていることを羨ましいと思った。
「天候と同じで、もしも生まれにくくなった際には、今の時代が良かったと思うのかもしれません」
「はい、失って気付くことは多いですからね」
まさにハビット王国が、そうであった。
「我が国は、前よりも子どもの数が減っています」
「伺っております」
調査員もハビット王国は、出生率が下がっていることは把握していた。ゆえに、メーリンの質問にも、真摯に答えるべきだと考えていた。
「出生率も、成人まで育つ子どもも、減っています」
病気や事故が多く、感染するような病で亡くなったわけではないので、一気に人口が減ることはないが、それでも人口は減少し続けている。
加えて、無事に育っても、他国の方がいいと出て行く者すらいるのである。アジェル王国は望ましくても、ハビット王国は出て行かれては困る。
「以前は違ったのですよね?」
「はい、とは言っても私たちの曽祖父の時代には既に少なくなっており、今ほど医療も進んでいませんでしたから。天候のこともですが、これだけ子どもが多いアジェル王国に何か、糸口がないかと思っていたのも事実です」
ハビット王国としては天候のことが一番であったが、出生率が上がっていることも、アジェル王国との調査を積極的に進めたい、もう一つの理由であった。
「王族としては、考えなくてはならないことですよね」
「ええ、とは言っても、何をすればいいのか。天候が原因なのではないかとも言われておりましたが、そうではないとアジェル王国が証明されたようなものですものね」
「まだどうなるか分かりませんので、はいとも、いいえとも、言い難い話です」
「ええ、そうですわよね」
もしかしたら、本当にアジェル王国も今後、同じように出生率が下がるかもしれない。人口も減るかもしれない。
「天候が変化する前に、ハビット王国でも実は出生率が上がったということはないのでしょうか?」
「そのような記録も、家系図を見る限りではありますが、ないと思います」
照らし合わせて同じように考えたが、そのような記録はなかった。言えるとすれば、今よりは多いということだけである。
「そうですか。これは私たちの想像ですが、これからは人同士が手を取り合って、頑張りなさいというお導きなのではないかと考えたこともありました…」
メーリンの質問に答えていた調査員は、部内でも一番年上で、孫もいるルイズである。娘は他国に働きに行き、とても楽しそうな様子の手紙が届いている。
調査員たちは、いつもは現実的であるが、そんな話もしていたのである。
「貴族の場合は、良いことだけでもありませんよ」
「もしかして、結婚ですか?」
「はい、爵位を継ぐ者は限られますし、嫁ぎ先も貴族だということで、貴族を希望しますからね。潔く働きに出る者も増えてはいますが…」
嫁ぎ先などの問題はあっても、メーリンはハビット王国と比べて、何に変えても、子どもは多い方がいいと考えていた。
「子どもは宝だと思います」
「ええ、私もそうは思います。ですが、子どもが多いことで、学園なども頭を悩ませているようです」
妊娠したという生徒が現れたために、学園も罰則を厳しくはなったが、乱れていないということではない。
今の学生たちも、同じように子沢山になるのかは分からないが、子沢山の世代を教訓として欲しいと思っている。
だが、親が許されたのだからと、恋愛結婚の両親の場合は、好きな相手と結婚すると言いだしたり、ようやく自分たちのしたことが降り掛かっている。
悩ませているのならいい方で、開き直って私たちのようになどと言っている親を持っている子どもは、男女関係の乱れの一部となっている。
「そうなのですか?」
「お恥ずかしい話ですが…」
それでも、メーリンは国として、同じような天候になっているのに、子どもは生まれていることを羨ましいと思った。
「天候と同じで、もしも生まれにくくなった際には、今の時代が良かったと思うのかもしれません」
「はい、失って気付くことは多いですからね」
まさにハビット王国が、そうであった。
「我が国は、前よりも子どもの数が減っています」
「伺っております」
調査員もハビット王国は、出生率が下がっていることは把握していた。ゆえに、メーリンの質問にも、真摯に答えるべきだと考えていた。
「出生率も、成人まで育つ子どもも、減っています」
病気や事故が多く、感染するような病で亡くなったわけではないので、一気に人口が減ることはないが、それでも人口は減少し続けている。
加えて、無事に育っても、他国の方がいいと出て行く者すらいるのである。アジェル王国は望ましくても、ハビット王国は出て行かれては困る。
「以前は違ったのですよね?」
「はい、とは言っても私たちの曽祖父の時代には既に少なくなっており、今ほど医療も進んでいませんでしたから。天候のこともですが、これだけ子どもが多いアジェル王国に何か、糸口がないかと思っていたのも事実です」
ハビット王国としては天候のことが一番であったが、出生率が上がっていることも、アジェル王国との調査を積極的に進めたい、もう一つの理由であった。
「王族としては、考えなくてはならないことですよね」
「ええ、とは言っても、何をすればいいのか。天候が原因なのではないかとも言われておりましたが、そうではないとアジェル王国が証明されたようなものですものね」
「まだどうなるか分かりませんので、はいとも、いいえとも、言い難い話です」
「ええ、そうですわよね」
もしかしたら、本当にアジェル王国も今後、同じように出生率が下がるかもしれない。人口も減るかもしれない。
「天候が変化する前に、ハビット王国でも実は出生率が上がったということはないのでしょうか?」
「そのような記録も、家系図を見る限りではありますが、ないと思います」
照らし合わせて同じように考えたが、そのような記録はなかった。言えるとすれば、今よりは多いということだけである。
「そうですか。これは私たちの想像ですが、これからは人同士が手を取り合って、頑張りなさいというお導きなのではないかと考えたこともありました…」
メーリンの質問に答えていた調査員は、部内でも一番年上で、孫もいるルイズである。娘は他国に働きに行き、とても楽しそうな様子の手紙が届いている。
調査員たちは、いつもは現実的であるが、そんな話もしていたのである。
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