68 / 72
ジェラルド・イン・オルタナキングダム2
しおりを挟む
「王太子に続き、あの男も離縁したのか…ハッ、愚か者めが」
オルタナ王国にいるジェラルドは、医師として働くこともあるが、薬や治療法について、研究者として日々を過ごしている。
研究室で恋愛結婚の象徴された、ジェフとシャーリンの離縁のことが書かれた、ゴシップ誌を読んでいた。
少し前は国でも公になったオリビア王太子妃の不貞行為、しかも相手は私的に呼んだ男娼だと発表されて、ジェラルドも驚いた。
あの傲慢な女が男娼との不貞行為で、離縁されたのは溜飲が下がった。もう二度と、恥ずかしくて偉そうな態度は取れないだろう。
王太子も妻の管理すら出来ない、王太子だと知らしめたことになる。
自殺未遂をしたことで、ジェフとシャーリンも恋愛結婚の象徴されたが、バトワス王太子とオリビアも、婚約前から親しくしており、一端を担っている。
自らが選んだ妻で、夫で失敗をしている。
誰のせいにすることも出来ない、見る目がなかったというべきなのか。ジェラルドにとっては、見る目など元から持っていなかったと言いたい。
ジェフ・マクローズも妻・シャーリンの不貞で、離縁したとあった。アジェル王国では、不貞行為が横行しているのだろうか?
しかも、女性側というのはある意味、不思議である。こういった場合は、男性側が多かったように思うが、女性だから離縁されてしまったのかもしれない。
ゴシップ誌には自殺未遂までしたのに、真実の愛ではなかったのか?真実の愛の果ては不貞なのか?と、面白くおかしく書かれていた。
ジェラルドは忙しい身の上のために、アジェル王国の行く末を見張っていたわけではなく、このゴシップ誌もエルムの夫が持って来た物であった。
エルムの夫はアジェル王国でのことを、酷く憤っており、罰を下しましょうかとまで言っていたが、そんな労力は使わなくていいと伝えたので、こうやって時折、アジェル王国のことを知らせてくれる。
「エルムの願いは、苦しんで欲しいだったな…天候のことは明らかに苦しんでいるだろうが、個人としてはこれは、叶ったの、か?」
ゴシップ誌にも散々なことが書かれていたが、どれほど苦しんだかは分からない。しかも、ゴシップ誌には上手くいっていなかったと書かれており、そうなれば苦しんだと言えるのかどうか。
あの国はすぐになくなることはないとしても、衰退の一途をたどっている。
産科の医師がアジェル王国の出生率が上がっていると言っていたが、ジェラルドは産科は専門外であるために、詳しくはない。
だが、王太子夫妻にも九人の子どもが生まれて、恋愛結婚は夫婦仲がいいから、やはり子どもが生まれやすいのかというのは、離縁によって変化したのだろうか。
しかも、評判の悪くなったアジェル王国の王族と結婚も、まともな国では難しいことは予想通りであった。アジェル王国の王子や王女が、婚約したとは一度も聞かない上に、両親の離縁となれば、国内で探すしかないだろう。
政略結婚、親の決めた結婚が素晴らしいとは思っていないが、何があっても、自分の希望、欲望で、誰かを傷付けていいなんてことは絶対にない。
今後は恋愛結婚の失敗国として、有名になるのではないだろうか。
アニバーサリーの撤退も痛手だっただろうが、それは分かっていたことだろう。分かっていなかったのならば、愚か過ぎる。
アジェル王国の王家から、母の実家に連絡が来たことがあったが、受け取り拒否をし、その後は届くこともなかった。おそらく、王家が動いたのだろう。
正直、ジェラルドにとって、既に過去であり、どうなろうが、どうでもいいことではあるが、行く末は生きている限りは、見届けなければならないとは思っている。
エルムは小花がポンと咲くような笑顔を振りまきながら、幸せに暮らしている。
オルタナ王国にいるジェラルドは、医師として働くこともあるが、薬や治療法について、研究者として日々を過ごしている。
研究室で恋愛結婚の象徴された、ジェフとシャーリンの離縁のことが書かれた、ゴシップ誌を読んでいた。
少し前は国でも公になったオリビア王太子妃の不貞行為、しかも相手は私的に呼んだ男娼だと発表されて、ジェラルドも驚いた。
あの傲慢な女が男娼との不貞行為で、離縁されたのは溜飲が下がった。もう二度と、恥ずかしくて偉そうな態度は取れないだろう。
王太子も妻の管理すら出来ない、王太子だと知らしめたことになる。
自殺未遂をしたことで、ジェフとシャーリンも恋愛結婚の象徴されたが、バトワス王太子とオリビアも、婚約前から親しくしており、一端を担っている。
自らが選んだ妻で、夫で失敗をしている。
誰のせいにすることも出来ない、見る目がなかったというべきなのか。ジェラルドにとっては、見る目など元から持っていなかったと言いたい。
ジェフ・マクローズも妻・シャーリンの不貞で、離縁したとあった。アジェル王国では、不貞行為が横行しているのだろうか?
しかも、女性側というのはある意味、不思議である。こういった場合は、男性側が多かったように思うが、女性だから離縁されてしまったのかもしれない。
ゴシップ誌には自殺未遂までしたのに、真実の愛ではなかったのか?真実の愛の果ては不貞なのか?と、面白くおかしく書かれていた。
ジェラルドは忙しい身の上のために、アジェル王国の行く末を見張っていたわけではなく、このゴシップ誌もエルムの夫が持って来た物であった。
エルムの夫はアジェル王国でのことを、酷く憤っており、罰を下しましょうかとまで言っていたが、そんな労力は使わなくていいと伝えたので、こうやって時折、アジェル王国のことを知らせてくれる。
「エルムの願いは、苦しんで欲しいだったな…天候のことは明らかに苦しんでいるだろうが、個人としてはこれは、叶ったの、か?」
ゴシップ誌にも散々なことが書かれていたが、どれほど苦しんだかは分からない。しかも、ゴシップ誌には上手くいっていなかったと書かれており、そうなれば苦しんだと言えるのかどうか。
あの国はすぐになくなることはないとしても、衰退の一途をたどっている。
産科の医師がアジェル王国の出生率が上がっていると言っていたが、ジェラルドは産科は専門外であるために、詳しくはない。
だが、王太子夫妻にも九人の子どもが生まれて、恋愛結婚は夫婦仲がいいから、やはり子どもが生まれやすいのかというのは、離縁によって変化したのだろうか。
しかも、評判の悪くなったアジェル王国の王族と結婚も、まともな国では難しいことは予想通りであった。アジェル王国の王子や王女が、婚約したとは一度も聞かない上に、両親の離縁となれば、国内で探すしかないだろう。
政略結婚、親の決めた結婚が素晴らしいとは思っていないが、何があっても、自分の希望、欲望で、誰かを傷付けていいなんてことは絶対にない。
今後は恋愛結婚の失敗国として、有名になるのではないだろうか。
アニバーサリーの撤退も痛手だっただろうが、それは分かっていたことだろう。分かっていなかったのならば、愚か過ぎる。
アジェル王国の王家から、母の実家に連絡が来たことがあったが、受け取り拒否をし、その後は届くこともなかった。おそらく、王家が動いたのだろう。
正直、ジェラルドにとって、既に過去であり、どうなろうが、どうでもいいことではあるが、行く末は生きている限りは、見届けなければならないとは思っている。
エルムは小花がポンと咲くような笑顔を振りまきながら、幸せに暮らしている。
3,521
お気に入りに追加
6,513
あなたにおすすめの小説
婚約破棄直前に倒れた悪役令嬢は、愛を抱いたまま退場したい
矢口愛留
恋愛
【全11話】
学園の卒業パーティーで、公爵令嬢クロエは、第一王子スティーブに婚約破棄をされそうになっていた。
しかし、婚約破棄を宣言される前に、クロエは倒れてしまう。
クロエの余命があと一年ということがわかり、スティーブは、自身の感じていた違和感の元を探り始める。
スティーブは真実にたどり着き、クロエに一つの約束を残して、ある選択をするのだった。
※一話あたり短めです。
※ベリーズカフェにも投稿しております。
待ち遠しかった卒業パーティー
しゃーりん
恋愛
侯爵令嬢アンネットは、暴力を振るう父、母亡き後に父の後妻になった継母からの虐め、嘘をついてアンネットの婚約者である第四王子シューベルを誘惑した異母姉を卒業パーティーを利用して断罪する予定だった。
しかし、その前にアンネットはシューベルから婚約破棄を言い渡された。
それによってシューベルも一緒にパーティーで断罪されるというお話です。
過去に戻った筈の王
基本二度寝
恋愛
王太子は後悔した。
婚約者に婚約破棄を突きつけ、子爵令嬢と結ばれた。
しかし、甘い恋人の時間は終わる。
子爵令嬢は妃という重圧に耐えられなかった。
彼女だったなら、こうはならなかった。
婚約者と結婚し、子爵令嬢を側妃にしていれば。
後悔の日々だった。
愛のゆくえ【完結】
春の小径
恋愛
私、あなたが好きでした
ですが、告白した私にあなたは言いました
「妹にしか思えない」
私は幼馴染みと婚約しました
それなのに、あなたはなぜ今になって私にプロポーズするのですか?
☆12時30分より1時間更新
(6月1日0時30分 完結)
こう言う話はサクッと完結してから読みたいですよね?
……違う?
とりあえず13日後ではなく13時間で完結させてみました。
他社でも公開
式前日に浮気現場を目撃してしまったので花嫁を交代したいと思います
おこめ
恋愛
式前日に一目だけでも婚約者に会いたいとやってきた邸で、婚約者のオリオンが浮気している現場を目撃してしまったキャス。
しかも浮気相手は従姉妹で幼馴染のミリーだった。
あんな男と結婚なんて嫌!
よし花嫁を替えてやろう!というお話です。
オリオンはただのクズキモ男です。
ハッピーエンド。
王家の面子のために私を振り回さないで下さい。
しゃーりん
恋愛
公爵令嬢ユリアナは王太子ルカリオに婚約破棄を言い渡されたが、王家によってその出来事はなかったことになり、結婚することになった。
愛する人と別れて王太子の婚約者にさせられたのに本人からは避けされ、それでも結婚させられる。
自分はどこまで王家に振り回されるのだろう。
国王にもルカリオにも呆れ果てたユリアナは、夫となるルカリオを蹴落として、自分が王太女になるために仕掛けた。
実は、ルカリオは王家の血筋ではなくユリアナの公爵家に正統性があるからである。
ユリアナとの結婚を理解していないルカリオを見限り、愛する人との結婚を企んだお話です。
ざまぁはハッピーエンドのエンディング後に
ララ
恋愛
私は由緒正しい公爵家に生まれたシルビア。
幼い頃に結ばれた婚約により時期王妃になることが確定している。
だからこそ王妃教育も精一杯受け、王妃にふさわしい振る舞いと能力を身につけた。
特に婚約者である王太子は少し?いやかなり頭が足りないのだ。
余計に私が頑張らなければならない。
王妃となり国を支える。
そんな確定した未来であったはずなのにある日突然破られた。
学園にピンク色の髪を持つ少女が現れたからだ。
なんとその子は自身をヒロイン?だとか言って婚約者のいるしかも王族である王太子に馴れ馴れしく接してきた。
何度かそれを諌めるも聞く耳を持たず挙句の果てには私がいじめてくるだなんだ言って王太子に泣きついた。
なんと王太子は彼女の言葉を全て鵜呑みにして私を悪女に仕立て上げ国外追放をいい渡す。
はぁ〜、一体誰の悪知恵なんだか?
まぁいいわ。
国外追放喜んでお受けいたします。
けれどどうかお忘れにならないでくださいな?
全ての責はあなたにあると言うことを。
後悔しても知りませんわよ。
そう言い残して私は毅然とした態度で、内心ルンルンとこの国を去る。
ふふっ、これからが楽しみだわ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる