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次期侯爵の離縁1
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「何と、驚きましたぞ」
「ええ、一体どういうことなのですか」
やって来たデンバー伯爵夫妻である、ジェアスとリスターは口々に言い始めた。勿論、ミカエラーも同じソファに並んで座っている。
「お恥ずかしい限りでございます」
「王太子妃ともあろう者が、なんと情けない真似をしたのだ」
ファンドラーとマルエリーは、オリビアに関しては謝罪することは当然だとは思っているが、同じことをしている娘を持つデンバー伯爵夫妻に謝罪するのも、馬鹿馬鹿しいとも感じながらも、低姿勢で対応をした。
「お騒がせして申し訳ございません。陛下から離縁以上の咎はないとなりましたので、オリビアは一生監視して過ごさせるつもりです」
ファンドラーが夫妻に向かって、説明を行った。
「そりゃもう外には出せませんでしょう!」
「男娼なんて…信じられませんわ」
「折角、王家との繋がりがあったというのに!不貞行為とは…だらしない!」
「ええ、何てことなのかしら!侯爵家が聞いて呆れますわよ?貞操観念がないのですか?どんな教育をして来たのだか…」
ファンドラーとマルエリーは今後の対応のためにも、申し訳ございませんと、真摯に受け止めることにした。
「我が家にも何か、影響があったらどうしてくれるのだ」
「そうですわよ、我が家も同じように思われたら堪らないわ」
デンバー伯爵家は、いつもならば目上のズニーライ侯爵家を咎めるチャンスだと、ここぞとばかりに攻め立てた。
「オリビアのことは申し訳ないと思っています。ズニーライ侯爵家で責任を負うつもりです。ですが、今日は別の話でもお呼びしたのです」
アンドリューはこれから同じことが、自分たちに降りかかるなどと思っていない、デンバー伯爵夫妻に堪らなくなり、切り出すことにした。
「別の話?孫の婚約が決まったのか?」
「いいえ、私とミカエラーの離縁の話です」
ミカエラーは黙っていたが、その言葉につぶらな瞳を見開いた。
「な?離縁?咎はないのなら、離縁までは求めない」
「ええ、そこまでは言っていませんわ」
ジェアスは離縁して多額の慰謝料を貰うのもいいかと一瞬思ったが、これからは侯爵家に強く出られる方がいいと考えた。
「そうではありません。ミカエラーの不貞行為と」
「不貞行為?」
「はい。ミカエラー、相当、身に覚えがあるよな?」
アンドリューはミカエラーを見つめて伝えた。ジェアスとリスターは信じられない気持ちで、ゆっくりとミカエラーを見た。
「ミカエラーが?そんなまさか、この子がそのようなことをするはずがありません」
「そうです!この子が大人しい子だと、ご存知でしょう?」
ジェアスとリスターにとっても、おっとりした娘であった。
「友人の邸で随分、お楽しみだったようですよ?ミカエラー、そうだよな?」
ミカエラーは顔色を悪くしながら、何か言いたそうな表情はしたが、何も言わないために、アンドリューは調査結果を3人の前に出した。
オリビアが離縁された日と、その前に出掛けた日の2日分ある。
ミカエラーの友人であるロロレイは、メッソナー伯爵家に嫁いでおり、そこの別邸に足しげく通っていた。サロンと称していたが、そこへは男娼や若い貴族令息が呼ばれて、夫人たちとの性行為が行われていた。
この調査書はミカエラー、デンバー伯爵夫妻に突き付けるためであるため、他の夫人や貴族令息の名前は伏せられている。
「何だこれは」
「何よこれ、ミカエラー、本当なの?」
「あの、いえ…」
ミカエラーは酷く動揺しているようで、上手く言葉が出ない様子であった。
「ミカエラーが、その参加していたとは書かれてはいないじゃないか」
確かに友人の邸でそのようなことが行われて、男娼や貴族令息が呼ばれていたことは分かっても、邸の内部までは分からないので、ミカエラーが性行為を行っていたとは証明は出来ない。
「ええ、一体どういうことなのですか」
やって来たデンバー伯爵夫妻である、ジェアスとリスターは口々に言い始めた。勿論、ミカエラーも同じソファに並んで座っている。
「お恥ずかしい限りでございます」
「王太子妃ともあろう者が、なんと情けない真似をしたのだ」
ファンドラーとマルエリーは、オリビアに関しては謝罪することは当然だとは思っているが、同じことをしている娘を持つデンバー伯爵夫妻に謝罪するのも、馬鹿馬鹿しいとも感じながらも、低姿勢で対応をした。
「お騒がせして申し訳ございません。陛下から離縁以上の咎はないとなりましたので、オリビアは一生監視して過ごさせるつもりです」
ファンドラーが夫妻に向かって、説明を行った。
「そりゃもう外には出せませんでしょう!」
「男娼なんて…信じられませんわ」
「折角、王家との繋がりがあったというのに!不貞行為とは…だらしない!」
「ええ、何てことなのかしら!侯爵家が聞いて呆れますわよ?貞操観念がないのですか?どんな教育をして来たのだか…」
ファンドラーとマルエリーは今後の対応のためにも、申し訳ございませんと、真摯に受け止めることにした。
「我が家にも何か、影響があったらどうしてくれるのだ」
「そうですわよ、我が家も同じように思われたら堪らないわ」
デンバー伯爵家は、いつもならば目上のズニーライ侯爵家を咎めるチャンスだと、ここぞとばかりに攻め立てた。
「オリビアのことは申し訳ないと思っています。ズニーライ侯爵家で責任を負うつもりです。ですが、今日は別の話でもお呼びしたのです」
アンドリューはこれから同じことが、自分たちに降りかかるなどと思っていない、デンバー伯爵夫妻に堪らなくなり、切り出すことにした。
「別の話?孫の婚約が決まったのか?」
「いいえ、私とミカエラーの離縁の話です」
ミカエラーは黙っていたが、その言葉につぶらな瞳を見開いた。
「な?離縁?咎はないのなら、離縁までは求めない」
「ええ、そこまでは言っていませんわ」
ジェアスは離縁して多額の慰謝料を貰うのもいいかと一瞬思ったが、これからは侯爵家に強く出られる方がいいと考えた。
「そうではありません。ミカエラーの不貞行為と」
「不貞行為?」
「はい。ミカエラー、相当、身に覚えがあるよな?」
アンドリューはミカエラーを見つめて伝えた。ジェアスとリスターは信じられない気持ちで、ゆっくりとミカエラーを見た。
「ミカエラーが?そんなまさか、この子がそのようなことをするはずがありません」
「そうです!この子が大人しい子だと、ご存知でしょう?」
ジェアスとリスターにとっても、おっとりした娘であった。
「友人の邸で随分、お楽しみだったようですよ?ミカエラー、そうだよな?」
ミカエラーは顔色を悪くしながら、何か言いたそうな表情はしたが、何も言わないために、アンドリューは調査結果を3人の前に出した。
オリビアが離縁された日と、その前に出掛けた日の2日分ある。
ミカエラーの友人であるロロレイは、メッソナー伯爵家に嫁いでおり、そこの別邸に足しげく通っていた。サロンと称していたが、そこへは男娼や若い貴族令息が呼ばれて、夫人たちとの性行為が行われていた。
この調査書はミカエラー、デンバー伯爵夫妻に突き付けるためであるため、他の夫人や貴族令息の名前は伏せられている。
「何だこれは」
「何よこれ、ミカエラー、本当なの?」
「あの、いえ…」
ミカエラーは酷く動揺しているようで、上手く言葉が出ない様子であった。
「ミカエラーが、その参加していたとは書かれてはいないじゃないか」
確かに友人の邸でそのようなことが行われて、男娼や貴族令息が呼ばれていたことは分かっても、邸の内部までは分からないので、ミカエラーが性行為を行っていたとは証明は出来ない。
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