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驚愕
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「はい…そのようです。殿下は特にお忙しいでしょうから、煩わしかったでしょう」
「時代が違うのかしら…」
「私たちの時代では考えられないな」
マルエリーはファンドラーを見つめて、悩ましく頬に手を当てると、ファンドラーも頷いた。
「いえ、私もそう思っていました。愛人を持っている令息もいるようですが、妻の方にもいるそうです」
「まあ…」
「オリビアだけのことではないのか…恋愛結婚だからなのだろうか」
「そうとも言えますけど、私は違いますから」
アンドリューと伯爵令嬢であったミカエラーは、共同事業のための政略結婚であった。その果樹園の共同事業も天候によって、頓挫しているので、意味がなかったとしか言いようがない。
「そうだな…」
「孫が沢山産まれて嬉しいとは思っていたけど、実際、恋愛結婚だから多いというわけではないのよね」
恋愛結婚が増えたからと言って、政略結婚がなくなったわけではない。政略結婚の方も、子どもは多く生まれていた。割り切って生まれたのか、結婚後に愛が生まれて多く生まれたのだと勝手に思っていた。
アンドリューとミカエラーの関係も、悪いものではないと考えていたのである。
「我が家はたまたまと思っていたけど…その、妻の性欲が強いからということなのかしら?」
マルエリーは年代的に口にするのも憚れることではあったが、聞いて置かなければいけないと思った。
「はい…私としては、そうとしか考えられません」
「その、誘って来るということなの?」
「はい、私も若い頃はまだ良かったですが、もういいのではないかと、何度か怒らせたこともありました」
「そ、そうなのね」
息子と赤裸々に話をすることはなかったので、お互いに初めて話し、知ったことであった。
「お前も男娼や愛人をと考えたことがあるのか?」
「あります…殿下のように考えたくもなります。もしかしたら、オリビアのことで離縁に踏み切る者もいるかもしれません」
「っ、呼び水になると言うのか?」
ファンドラーはアンドリューの言葉にも驚いたが、まさかオリビアのことで、同じような悩みを抱えた者たちの離縁が増えると言うのか。
「私はそう思っています」
「それは…」
「お前も考えているのか?」
「叶うならば、そうしたいくらいです。これまではオリビアが王太子妃ということで、私が離縁となっては良くないだろうと思い、調べてはいませんでしたが、オリビアのことを聞き、実は調べて貰っているところです」
「っな、疑いがあると言うのか?」
ミカエラーは派手な容姿ではなく、性格もおっとりとした大人しく、まさか不貞の疑いがあるとは思っていなかった。
「はい、別に構わないと思っていましたが…私はもう5年以上はそういったことを行っていません。友人のところへ行くと言って、出掛けていますので、可能性があるとすれば、その際だと思います。オリビアのことがあるので、当分は大人しくしているでしょうから、証拠が出るかは分かりませんが」
「そうか…」
まさかオリビアだけでなく、嫁であるミカエラーにまで不貞行為の疑いがあるとは思っていなかった。
「この際ですから、ハッキリさせるのなら、そうした方がいいですわね」
嘆くだけではいけないと思ったマルエリーは、力強く言った。
「そうだな、今日も出掛けているのか?」
「はい…オリビアのことは一切伝えていないので、発表を聞いたら帰って来るかもしれません」
「調査はいつ分かるんだ?」
「今日が最終です」
「そうか、もしオリビアのことで何か言われても、調査結果を待った方がいいな」
オリビアのことで難癖を付けられる可能性はあるが、分かるまでは決断をしてはいけないと判断した。
「はい、そして念のために子どもたちの親子鑑定を依頼しています。そちらも結果待ちになっています」
「っな」
「あなたの子どもじゃないと言うの?」
二人は孫たちを可愛がっていた、まさか孫ではないなどと考えたこともなかった。
「時代が違うのかしら…」
「私たちの時代では考えられないな」
マルエリーはファンドラーを見つめて、悩ましく頬に手を当てると、ファンドラーも頷いた。
「いえ、私もそう思っていました。愛人を持っている令息もいるようですが、妻の方にもいるそうです」
「まあ…」
「オリビアだけのことではないのか…恋愛結婚だからなのだろうか」
「そうとも言えますけど、私は違いますから」
アンドリューと伯爵令嬢であったミカエラーは、共同事業のための政略結婚であった。その果樹園の共同事業も天候によって、頓挫しているので、意味がなかったとしか言いようがない。
「そうだな…」
「孫が沢山産まれて嬉しいとは思っていたけど、実際、恋愛結婚だから多いというわけではないのよね」
恋愛結婚が増えたからと言って、政略結婚がなくなったわけではない。政略結婚の方も、子どもは多く生まれていた。割り切って生まれたのか、結婚後に愛が生まれて多く生まれたのだと勝手に思っていた。
アンドリューとミカエラーの関係も、悪いものではないと考えていたのである。
「我が家はたまたまと思っていたけど…その、妻の性欲が強いからということなのかしら?」
マルエリーは年代的に口にするのも憚れることではあったが、聞いて置かなければいけないと思った。
「はい…私としては、そうとしか考えられません」
「その、誘って来るということなの?」
「はい、私も若い頃はまだ良かったですが、もういいのではないかと、何度か怒らせたこともありました」
「そ、そうなのね」
息子と赤裸々に話をすることはなかったので、お互いに初めて話し、知ったことであった。
「お前も男娼や愛人をと考えたことがあるのか?」
「あります…殿下のように考えたくもなります。もしかしたら、オリビアのことで離縁に踏み切る者もいるかもしれません」
「っ、呼び水になると言うのか?」
ファンドラーはアンドリューの言葉にも驚いたが、まさかオリビアのことで、同じような悩みを抱えた者たちの離縁が増えると言うのか。
「私はそう思っています」
「それは…」
「お前も考えているのか?」
「叶うならば、そうしたいくらいです。これまではオリビアが王太子妃ということで、私が離縁となっては良くないだろうと思い、調べてはいませんでしたが、オリビアのことを聞き、実は調べて貰っているところです」
「っな、疑いがあると言うのか?」
ミカエラーは派手な容姿ではなく、性格もおっとりとした大人しく、まさか不貞の疑いがあるとは思っていなかった。
「はい、別に構わないと思っていましたが…私はもう5年以上はそういったことを行っていません。友人のところへ行くと言って、出掛けていますので、可能性があるとすれば、その際だと思います。オリビアのことがあるので、当分は大人しくしているでしょうから、証拠が出るかは分かりませんが」
「そうか…」
まさかオリビアだけでなく、嫁であるミカエラーにまで不貞行為の疑いがあるとは思っていなかった。
「この際ですから、ハッキリさせるのなら、そうした方がいいですわね」
嘆くだけではいけないと思ったマルエリーは、力強く言った。
「そうだな、今日も出掛けているのか?」
「はい…オリビアのことは一切伝えていないので、発表を聞いたら帰って来るかもしれません」
「調査はいつ分かるんだ?」
「今日が最終です」
「そうか、もしオリビアのことで何か言われても、調査結果を待った方がいいな」
オリビアのことで難癖を付けられる可能性はあるが、分かるまでは決断をしてはいけないと判断した。
「はい、そして念のために子どもたちの親子鑑定を依頼しています。そちらも結果待ちになっています」
「っな」
「あなたの子どもじゃないと言うの?」
二人は孫たちを可愛がっていた、まさか孫ではないなどと考えたこともなかった。
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