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積極的
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「オリビアのことは、本当なの?」
「はい、やることは山積みなのに、何度も何度も誘いに来るのです」
母も同じ女性として、怒られるのではないかと思い、言葉には気を付けながら話すことにした。
「最初は子どもがこれ以上出来ても、困るという思いだったのですが」
「ええ、確かにこれ以上増やされては困るわ」
2人脱落したようなものだが、それでも、残り7人の子どもがいる。
「私も最初は傷付けるだろうと、やんわり断っていたのですが、いくら経っても効果がないので、今はハッキリと断っています」
「まあ…」
「こんなことは言いたくはないですが、オリビアは性欲が強いのだと思います」
「そうなのね…」
シンバリアは何とも言えない顔をして、相槌を打っていた。
「私が悪いのでしょうか」
「いえ、実はね、そう言った夫人が結構いるって話を聞いたの」
「そうなのですか」
「ええ、女性が積極的だからこそ、子沢山になったのでしょうねって、話をしていたのよ。オリビアもそうだったのね…」
シンバリアがわざわざ訪ねて来たのは驚いたからでもあるが、丁度そんな話を聞いたところだったからである。なかなか口に出さないような話であったが、ある夫人が急に切り出した話題であった。
その夫人には息子しかおらず、嫁についてであった。子沢山で、閨を息子は勘弁してくれと言っていると、普通のことなのだろうか、このままでは嫁は不貞でも犯すのではないかという相談であった。
ある息子を持つ夫人たちも、我が家も嫁が誘っていることがあると言い、子沢山の理由は夫人の積極性だったのだと思った。
ただ、娘を持つ夫人もいたが、娘のことは口にしかなかった。
もしかしたら、娘たちは夫に同じようなことをしているが、この場では言いたくないのかもしれないと思った。
「はい…その通りだと思います」
「でも、男娼は別よ」
歴史上、認められていることではあるが、推奨されるものではない。
性欲が強いことを認められて、男娼を呼ぶような例ははなく、記されてはいないが、過去の男娼は名ばかりの王妃だったり、年が離れていたりと、大体が男娼という名の恋人であった。
「私は構いません、男娼の方が相手をするのが、可哀想ではありますが…」
「バトワス…そんな関係になっていたの?」
シンバリアは今でも若い頃と同じ体形ではあるが、オリビアは別人のようになっていることを思い出しながら、何とも言えない気持ちになった。
「呆れているのです。子どもたちの縁談は決まらないままで、調査報告も読みたいのに、もういい加減、邪魔されたくないのです。機嫌を取れ、私に癒されるはずだと、毎回毎回同じようなこと言われて…やることは沢山あっても、手伝いもしない。私が選んだ責任はありますが、男娼で大人しくなるなら、それでいいのです…」
オリビアは与えられたことは行っているが、それ以上の手伝いをしていないのは、知っていた。だが、バトワスがオリビアがいいと選んだのだからと、バトワスに任せていた。
だが、目の前のバトワスは、昔よりもすっかり痩せてしまい、目の下にクマあり、シンバリアも限界なのだろうと感じた。
「でも本当に呼べば、どう思われるか分かっているのかしら?」
「分かっていないのかもしれません、でもそれで気付いてくれるのなら、それもいい気がします」
「はあ…陛下ともう一度、話してみるわ」
「よろしくお願いいたします」
そして、予算内であれば男娼を呼ぶ許可を出すことになった。ただ、オリビアも予算は決まっているので、余裕があるわけではない。
子どもたちの目もあり、それでも呼びたいと言うのなら、相当なことになる。
後はオリビアの責任と判断に委ねられることになった。
「男娼を呼んで頂戴」
許可が下りた途端に、オリビアは侍女に告げた。
「はい、やることは山積みなのに、何度も何度も誘いに来るのです」
母も同じ女性として、怒られるのではないかと思い、言葉には気を付けながら話すことにした。
「最初は子どもがこれ以上出来ても、困るという思いだったのですが」
「ええ、確かにこれ以上増やされては困るわ」
2人脱落したようなものだが、それでも、残り7人の子どもがいる。
「私も最初は傷付けるだろうと、やんわり断っていたのですが、いくら経っても効果がないので、今はハッキリと断っています」
「まあ…」
「こんなことは言いたくはないですが、オリビアは性欲が強いのだと思います」
「そうなのね…」
シンバリアは何とも言えない顔をして、相槌を打っていた。
「私が悪いのでしょうか」
「いえ、実はね、そう言った夫人が結構いるって話を聞いたの」
「そうなのですか」
「ええ、女性が積極的だからこそ、子沢山になったのでしょうねって、話をしていたのよ。オリビアもそうだったのね…」
シンバリアがわざわざ訪ねて来たのは驚いたからでもあるが、丁度そんな話を聞いたところだったからである。なかなか口に出さないような話であったが、ある夫人が急に切り出した話題であった。
その夫人には息子しかおらず、嫁についてであった。子沢山で、閨を息子は勘弁してくれと言っていると、普通のことなのだろうか、このままでは嫁は不貞でも犯すのではないかという相談であった。
ある息子を持つ夫人たちも、我が家も嫁が誘っていることがあると言い、子沢山の理由は夫人の積極性だったのだと思った。
ただ、娘を持つ夫人もいたが、娘のことは口にしかなかった。
もしかしたら、娘たちは夫に同じようなことをしているが、この場では言いたくないのかもしれないと思った。
「はい…その通りだと思います」
「でも、男娼は別よ」
歴史上、認められていることではあるが、推奨されるものではない。
性欲が強いことを認められて、男娼を呼ぶような例ははなく、記されてはいないが、過去の男娼は名ばかりの王妃だったり、年が離れていたりと、大体が男娼という名の恋人であった。
「私は構いません、男娼の方が相手をするのが、可哀想ではありますが…」
「バトワス…そんな関係になっていたの?」
シンバリアは今でも若い頃と同じ体形ではあるが、オリビアは別人のようになっていることを思い出しながら、何とも言えない気持ちになった。
「呆れているのです。子どもたちの縁談は決まらないままで、調査報告も読みたいのに、もういい加減、邪魔されたくないのです。機嫌を取れ、私に癒されるはずだと、毎回毎回同じようなこと言われて…やることは沢山あっても、手伝いもしない。私が選んだ責任はありますが、男娼で大人しくなるなら、それでいいのです…」
オリビアは与えられたことは行っているが、それ以上の手伝いをしていないのは、知っていた。だが、バトワスがオリビアがいいと選んだのだからと、バトワスに任せていた。
だが、目の前のバトワスは、昔よりもすっかり痩せてしまい、目の下にクマあり、シンバリアも限界なのだろうと感じた。
「でも本当に呼べば、どう思われるか分かっているのかしら?」
「分かっていないのかもしれません、でもそれで気付いてくれるのなら、それもいい気がします」
「はあ…陛下ともう一度、話してみるわ」
「よろしくお願いいたします」
そして、予算内であれば男娼を呼ぶ許可を出すことになった。ただ、オリビアも予算は決まっているので、余裕があるわけではない。
子どもたちの目もあり、それでも呼びたいと言うのなら、相当なことになる。
後はオリビアの責任と判断に委ねられることになった。
「男娼を呼んで頂戴」
許可が下りた途端に、オリビアは侍女に告げた。
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