14 / 112
返還2
しおりを挟む
アマリリスはアジェル王国の第一王女であること、母国よりもこちらに嫁ぐのもいいかもしれないわねと、周りに聞かせるような行動を取り、令息ばかりに『教えて欲しいのだけど』と言いながら、果敢に話し掛けていたと報告書にあった。
「ならば令息と友人となろうとしたと言うのか?」
「そうよ!そう言ったじゃない!」
「結婚相手を探して何が悪いのよと言ったじゃないか」
「そ、それは…」
結婚相手を探していたと言って置きながら、友人などと言っていることがおかしいとも気付かないのか。
「はあ…オズレ王国は今後、留学は考えさせてもらうと言われたよ…アマリリスの責任だからな」
「っ、私だけのせいじゃないわ」
一緒に留学した令嬢もおり、アマリリスと一緒に行動しており、同様の理由で国に戻されている。
「王女だからだ!自分でそう言っていたじゃないか…許される立場ではない」
「王女なら、優遇してくれてもいいじゃない…」
サインとしておきながら、責任がある王女ではなく、王女だから優遇して貰えると思ったのだろう。情けなくて、これ以上話す気にもなれなかった。
「しばらく反省していなさい…」
アマリリスは部屋に連れていかれて、もう留学させることは出来ないと判断した。慰謝料を請求されることはなかったが、本来、留学に当てていたお金を迷惑料として、学園に寄付することにした。
そして、アマリリスと一緒に行動していたのが、ジェフとシャーリンの娘で、マクローズ伯爵家の次女・ミミリーであった。
幼なじみのような関係で、同様にサインをして留学していたが、結婚相手を探していたために、アマリリスと同じ行動を取っていた。
「何てことをしてくれたんだ!」
マクローズ伯爵家でも同じ言葉で叱られていたが、理由は少し違う。
「折角、金を用意してやったのに…」
「でも」
「でもではない!」
「ごめんなさい…」
怒っているジェフの様子にミミリーは、謝ることにした。
「勉強したい、ドレスも要らないって言ったじゃないか…」
王家とは違って留学に行かせるような余裕はなかった。だが、ミミリーはどうしても他国で学んでみたいというので、どうにかお金を工面したのである。
「それなのに、何をしに行ったんだ。お前がアマリリス殿下を止めるべきだったのではないか?一緒になって、何をしているんだ…」
「私が止められるわけないじゃない…」
「ミミリーとアマリリス殿下のせいで、オズレ王国には今後、留学は出来ないだろうということだ…憎まれることも覚悟しなさい」
「そんな…」
「それほどのことをしたのだ」
留学がなくなったのだから、学園に行かなくてはならない。オズレ王国への留学を希望する生徒は、アマリリスとミミリーのせいで難しいことを知ることになる。
「お前はもう持参金が要らない相手しか無理だからな」
「そんな!でも途中で帰されたのだから、その分のお金は掛からなかったじゃない」
王女であるアマリリスとは違って、半年間の予定で、安い寮に最低限の費用で留学したミミリーだったが、二ヶ月も経たずに戻って来たのだから、残りの費用は掛からないはずだと考えた。
「迷惑料として学園に寄付をすることになった」
「何で…そんなこと、払わなくてもいいわよ」
「私だって払いたくはない」
ジェフだって払いたくはないが、外交担当から慰謝料は請求されなかったが、迷惑料は今後のために支払ってくださいと言われたのである。
「じゃあ」
「今後のアジェル王国からの留学のために、そのくらいしか出来ないからだ!そんなことも分からないのか!きょうだいたちにも謝れ!」
「っひ」
ミミリーはジェフの気迫に、大人しく部屋に戻るしかなかった。
結局、自分の容姿に自信のあったミミリーは、アマリリスと同じ考えを持ち、勉強するという理由で結婚相手を探しに行ったのである。だが、アマリリスと同様の対応をされるだけであった。
「ならば令息と友人となろうとしたと言うのか?」
「そうよ!そう言ったじゃない!」
「結婚相手を探して何が悪いのよと言ったじゃないか」
「そ、それは…」
結婚相手を探していたと言って置きながら、友人などと言っていることがおかしいとも気付かないのか。
「はあ…オズレ王国は今後、留学は考えさせてもらうと言われたよ…アマリリスの責任だからな」
「っ、私だけのせいじゃないわ」
一緒に留学した令嬢もおり、アマリリスと一緒に行動しており、同様の理由で国に戻されている。
「王女だからだ!自分でそう言っていたじゃないか…許される立場ではない」
「王女なら、優遇してくれてもいいじゃない…」
サインとしておきながら、責任がある王女ではなく、王女だから優遇して貰えると思ったのだろう。情けなくて、これ以上話す気にもなれなかった。
「しばらく反省していなさい…」
アマリリスは部屋に連れていかれて、もう留学させることは出来ないと判断した。慰謝料を請求されることはなかったが、本来、留学に当てていたお金を迷惑料として、学園に寄付することにした。
そして、アマリリスと一緒に行動していたのが、ジェフとシャーリンの娘で、マクローズ伯爵家の次女・ミミリーであった。
幼なじみのような関係で、同様にサインをして留学していたが、結婚相手を探していたために、アマリリスと同じ行動を取っていた。
「何てことをしてくれたんだ!」
マクローズ伯爵家でも同じ言葉で叱られていたが、理由は少し違う。
「折角、金を用意してやったのに…」
「でも」
「でもではない!」
「ごめんなさい…」
怒っているジェフの様子にミミリーは、謝ることにした。
「勉強したい、ドレスも要らないって言ったじゃないか…」
王家とは違って留学に行かせるような余裕はなかった。だが、ミミリーはどうしても他国で学んでみたいというので、どうにかお金を工面したのである。
「それなのに、何をしに行ったんだ。お前がアマリリス殿下を止めるべきだったのではないか?一緒になって、何をしているんだ…」
「私が止められるわけないじゃない…」
「ミミリーとアマリリス殿下のせいで、オズレ王国には今後、留学は出来ないだろうということだ…憎まれることも覚悟しなさい」
「そんな…」
「それほどのことをしたのだ」
留学がなくなったのだから、学園に行かなくてはならない。オズレ王国への留学を希望する生徒は、アマリリスとミミリーのせいで難しいことを知ることになる。
「お前はもう持参金が要らない相手しか無理だからな」
「そんな!でも途中で帰されたのだから、その分のお金は掛からなかったじゃない」
王女であるアマリリスとは違って、半年間の予定で、安い寮に最低限の費用で留学したミミリーだったが、二ヶ月も経たずに戻って来たのだから、残りの費用は掛からないはずだと考えた。
「迷惑料として学園に寄付をすることになった」
「何で…そんなこと、払わなくてもいいわよ」
「私だって払いたくはない」
ジェフだって払いたくはないが、外交担当から慰謝料は請求されなかったが、迷惑料は今後のために支払ってくださいと言われたのである。
「じゃあ」
「今後のアジェル王国からの留学のために、そのくらいしか出来ないからだ!そんなことも分からないのか!きょうだいたちにも謝れ!」
「っひ」
ミミリーはジェフの気迫に、大人しく部屋に戻るしかなかった。
結局、自分の容姿に自信のあったミミリーは、アマリリスと同じ考えを持ち、勉強するという理由で結婚相手を探しに行ったのである。だが、アマリリスと同様の対応をされるだけであった。
3,596
お気に入りに追加
6,973
あなたにおすすめの小説
家族に裏切られて辺境で幸せを掴む?
しゃーりん
恋愛
婚約者を妹に取られる。
そんな小説みたいなことが本当に起こった。
婚約者が姉から妹に代わるだけ?しかし私はそれを許さず、慰謝料を請求した。
婚約破棄と共に跡継ぎでもなくなったから。
仕事だけをさせようと思っていた父に失望し、伯父のいる辺境に行くことにする。
これからは辺境で仕事に生きよう。そう決めて王都を旅立った。
辺境で新たな出会いがあり、付き合い始めたけど?というお話です。
居場所を失った令嬢と結婚することになった男の葛藤
しゃーりん
恋愛
侯爵令嬢ロレーヌは悪女扱いされて婚約破棄された。
父親は怒り、修道院に入れようとする。
そんな彼女を助けてほしいと妻を亡くした28歳の子爵ドリューに声がかかった。
学園も退学させられた、まだ16歳の令嬢との結婚。
ロレーヌとの初夜を少し先に見送ったせいで彼女に触れたくなるドリューのお話です。
私の手からこぼれ落ちるもの
アズやっこ
恋愛
5歳の時、お父様が亡くなった。
優しくて私やお母様を愛してくれたお父様。私達は仲の良い家族だった。
でもそれは偽りだった。
お父様の書斎にあった手記を見た時、お父様の優しさも愛も、それはただの罪滅ぼしだった。
お父様が亡くなり侯爵家は叔父様に奪われた。侯爵家を追い出されたお母様は心を病んだ。
心を病んだお母様を助けたのは私ではなかった。
私の手からこぼれていくもの、そして最後は私もこぼれていく。
こぼれた私を救ってくれる人はいるのかしら…
❈ 作者独自の世界観です。
❈ 作者独自の設定です。
❈ ざまぁはありません。
ついで姫の本気
ちくわぶ(まるどらむぎ)
恋愛
国の間で二組の婚約が結ばれた。
一方は王太子と王女の婚約。
もう一方は王太子の親友の高位貴族と王女と仲の良い下位貴族の娘のもので……。
綺麗な話を書いていた反動でできたお話なので救いなし。
ハッピーな終わり方ではありません(多分)。
※4/7 完結しました。
ざまぁのみの暗い話の予定でしたが、読者様に励まされ闇精神が復活。
救いのあるラストになっております。
短いです。全三話くらいの予定です。
↑3/31 見通しが甘くてすみません。ちょっとだけのびます。
4/6 9話目 わかりにくいと思われる部分に少し文を加えました。
【短編】復讐すればいいのに〜婚約破棄のその後のお話〜
真辺わ人
恋愛
平民の女性との間に真実の愛を見つけた王太子は、公爵令嬢に婚約破棄を告げる。
しかし、公爵家と国王の不興を買い、彼は廃太子とされてしまった。
これはその後の彼(元王太子)と彼女(平民少女)のお話です。
数年後に彼女が語る真実とは……?
前中後編の三部構成です。
❇︎ざまぁはありません。
❇︎設定は緩いですので、頭のネジを緩めながらお読みください。
ざまぁはハッピーエンドのエンディング後に
ララ
恋愛
私は由緒正しい公爵家に生まれたシルビア。
幼い頃に結ばれた婚約により時期王妃になることが確定している。
だからこそ王妃教育も精一杯受け、王妃にふさわしい振る舞いと能力を身につけた。
特に婚約者である王太子は少し?いやかなり頭が足りないのだ。
余計に私が頑張らなければならない。
王妃となり国を支える。
そんな確定した未来であったはずなのにある日突然破られた。
学園にピンク色の髪を持つ少女が現れたからだ。
なんとその子は自身をヒロイン?だとか言って婚約者のいるしかも王族である王太子に馴れ馴れしく接してきた。
何度かそれを諌めるも聞く耳を持たず挙句の果てには私がいじめてくるだなんだ言って王太子に泣きついた。
なんと王太子は彼女の言葉を全て鵜呑みにして私を悪女に仕立て上げ国外追放をいい渡す。
はぁ〜、一体誰の悪知恵なんだか?
まぁいいわ。
国外追放喜んでお受けいたします。
けれどどうかお忘れにならないでくださいな?
全ての責はあなたにあると言うことを。
後悔しても知りませんわよ。
そう言い残して私は毅然とした態度で、内心ルンルンとこの国を去る。
ふふっ、これからが楽しみだわ。
どんなに私が愛しても
豆狸
恋愛
どんなに遠く離れていても、この想いがけして届かないとわかっていても、私はずっと殿下を愛しています。
これからもずっと貴方の幸せを祈り続けています。
※子どもに関するセンシティブな内容があります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる