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留学先1
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三人の王子と六人の王女たちも、何とか順調に成長しており、問題は婚約と、後は留学だろうか。
子どもが増えてから学園に入学する時期が訪れ、クラスを増やしたりもしたが、婚約している男女が揉め事に巻き込まれることも多く、解消になった男女もいるようで、教師もいい加減にしてくれと不満も上がっている。
既に婚約者ではない相手と、子どもが出来ているという者もいると聞いた時には、両陛下と共に卒倒しそうになった。
王子と王女は留学に行くのが通例となっているが、水不足の国しか知らないので、正直、大人の方が昔は良かったと思わざる得ない状況になっており、だが、留学したいと言い出せば、そちらの国に住みたいと言い出す可能性も高い。
だが、王家や高位貴族はほぼ断られてしまった。まず、留学をさせてもらえるかも分からない。
あわよくば、留学先で結婚相手を見付けてくれるといい。そんな思いも抱きながら、外交担当に相談をして貰い、返事を待っている状態である。
「オズレ王国から返事がありました」
「どうだった?」
「住むところを含め、費用をすべて負担し、恋愛結婚、横恋慕することを持ち込まないなら、受け入れるとのことです。他の国も同じような要求をされると思います」
「っな…」
これまで留学となれば、留学先が寮を用意して、費用も一部負担であった。
だが、気候が不安定になった際に助けて貰ったこともあり、なぜ対策を取らないのか、これ以上の援助は出来ないと言われており、無理を言うことは出来なかった。
「もしも、希望されるのであれば、書面に王太子殿下と、ご本人のサインをいただきたということです」
「結婚相手を見付けてくれればと思っていたが…」
「難しいでしょう。ですが、王家だけではございません。貴族も留学の際にはサインをするそうです」
「そ、そうなのか…」
子どもも多いので、結婚相手を探すためにも、留学する者も多いだろうとは思っていたが、まさかそのような要求をされているとは思わなかった。
「おそらくフォンターナ伯爵令嬢の件が、知れ渡っているのだと思います。アジェル王国イコール恋愛結婚を推奨していると」
「そのようなことはしていない、政略結婚だって行われているだろう?」
「良いことよりも悪いこと。古いことより、新しいことの方が目に付くのです」
現在もあの当時も、政略結婚も行われていた。だが、ジェフとシャーリンのことは、センセーショナルな話題になってしまっている。
しかも、非難されるのは、バトワスが肩を持ったジェフとシャーリンだった。
「フォンターナ伯爵令嬢が、邪魔をしたのは事実じゃないか」
「不貞をしたのはマクローズ伯爵令息です」
「それは…」
エルムはジェフより、年下だったこともあり、エルムが社交界デビューする頃には、既にジェフとシャーリンの関係は出来上がってしまっていた。
「しかも、出会ったのはガルッツ子爵令嬢の方が後ではないですか!」
エルムとジェフは、10歳と13歳の頃に婚約をしていた。
「それを横恋慕したように言うのは、時間軸がおかしいです。陛下もそう仰ったではありませんか」
陛下には自殺までしようとしたんだと訴えたが、フォンターナ伯爵家は何も聞いていない。勝手に盛り上がっただけだろうと、それなのに破棄にさせて、何てことをしてくれたんだと怒鳴られた。
ならば今から白紙にしたらいいと言ったが、王太子が破棄だと言った責任を取らないつもりかと言われた。
バトワスは心も体も傷付いた二人のために、フォンターナ伯爵家は慰謝料を支払うべきだとすら思っていた。
お前がすべきことは、誠意を示して、婚約を白紙にするように促すことだったと言われ、何も言えなかった。首を突っ込んだ癖に、すべてが中途半端だったのだ。
子どもが増えてから学園に入学する時期が訪れ、クラスを増やしたりもしたが、婚約している男女が揉め事に巻き込まれることも多く、解消になった男女もいるようで、教師もいい加減にしてくれと不満も上がっている。
既に婚約者ではない相手と、子どもが出来ているという者もいると聞いた時には、両陛下と共に卒倒しそうになった。
王子と王女は留学に行くのが通例となっているが、水不足の国しか知らないので、正直、大人の方が昔は良かったと思わざる得ない状況になっており、だが、留学したいと言い出せば、そちらの国に住みたいと言い出す可能性も高い。
だが、王家や高位貴族はほぼ断られてしまった。まず、留学をさせてもらえるかも分からない。
あわよくば、留学先で結婚相手を見付けてくれるといい。そんな思いも抱きながら、外交担当に相談をして貰い、返事を待っている状態である。
「オズレ王国から返事がありました」
「どうだった?」
「住むところを含め、費用をすべて負担し、恋愛結婚、横恋慕することを持ち込まないなら、受け入れるとのことです。他の国も同じような要求をされると思います」
「っな…」
これまで留学となれば、留学先が寮を用意して、費用も一部負担であった。
だが、気候が不安定になった際に助けて貰ったこともあり、なぜ対策を取らないのか、これ以上の援助は出来ないと言われており、無理を言うことは出来なかった。
「もしも、希望されるのであれば、書面に王太子殿下と、ご本人のサインをいただきたということです」
「結婚相手を見付けてくれればと思っていたが…」
「難しいでしょう。ですが、王家だけではございません。貴族も留学の際にはサインをするそうです」
「そ、そうなのか…」
子どもも多いので、結婚相手を探すためにも、留学する者も多いだろうとは思っていたが、まさかそのような要求をされているとは思わなかった。
「おそらくフォンターナ伯爵令嬢の件が、知れ渡っているのだと思います。アジェル王国イコール恋愛結婚を推奨していると」
「そのようなことはしていない、政略結婚だって行われているだろう?」
「良いことよりも悪いこと。古いことより、新しいことの方が目に付くのです」
現在もあの当時も、政略結婚も行われていた。だが、ジェフとシャーリンのことは、センセーショナルな話題になってしまっている。
しかも、非難されるのは、バトワスが肩を持ったジェフとシャーリンだった。
「フォンターナ伯爵令嬢が、邪魔をしたのは事実じゃないか」
「不貞をしたのはマクローズ伯爵令息です」
「それは…」
エルムはジェフより、年下だったこともあり、エルムが社交界デビューする頃には、既にジェフとシャーリンの関係は出来上がってしまっていた。
「しかも、出会ったのはガルッツ子爵令嬢の方が後ではないですか!」
エルムとジェフは、10歳と13歳の頃に婚約をしていた。
「それを横恋慕したように言うのは、時間軸がおかしいです。陛下もそう仰ったではありませんか」
陛下には自殺までしようとしたんだと訴えたが、フォンターナ伯爵家は何も聞いていない。勝手に盛り上がっただけだろうと、それなのに破棄にさせて、何てことをしてくれたんだと怒鳴られた。
ならば今から白紙にしたらいいと言ったが、王太子が破棄だと言った責任を取らないつもりかと言われた。
バトワスは心も体も傷付いた二人のために、フォンターナ伯爵家は慰謝料を支払うべきだとすら思っていた。
お前がすべきことは、誠意を示して、婚約を白紙にするように促すことだったと言われ、何も言えなかった。首を突っ込んだ癖に、すべてが中途半端だったのだ。
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