137 / 154
無神経
しおりを挟む
「自覚が出来ないのなら、それでもいい。だが加害者の家族だということを頭に入れて行動しなさい」
「っな…」
どうして私がそんなことをしなければいけないのかという顔をしており、ここまで来ると無神経ではないかとすら思い始めていた。
「自分は違うと思っているのなら、考えを改めなさい。後悔するのは自分だからな、誰も責任を取ることは出来ないぞ」
「離縁、しなかったら、違ったの…?」
「何度も言っているだろう、同じだよ」
どうして離縁のことをまた言い出すのか、自分だけは違うと思えるのかが分からない。今までは面倒な時はメリーアンの話は聞き流してもどうにかなっていたが、これからはそうはいかない。
「どうしてよ」
「ダリア殿は被害者家族だが、メリーアンは加害者家族だろう?」
「でも結婚したのだから」
「結婚したら、義両親は増えても、親が変わるわけではないだろう?親が変わって、リセットされるとでも言うのか?」
まだ全く関係のない相手と結婚していたとしても、結婚が継続されたかは分からないが、メリーアンはあれだけ言われて、母上にも責任を取るように迫っていたというのに、被害者家族と結婚していたという自覚がないのだろうか。
「でも一員になったのだから」
「変わらないよ。それに今更言っても仕方ないことだろう」
そんなことを考えたところで、既に離縁しているのだから、変わることはない。
メリーアンは一体、何に期待をしているのだろうか?
「もしかしたらは、もう止めなさい。父上に面倒見切れないとされたら、どうするつもりなんだ?」
「そんなことするはずないわ」
「はあ…ダリア殿との話し合いが終わったら、領地で静かにしていなさい。その方が安全だから」
「ダリア?」
「ああ、父上が話し合いをしようと日程を決めているはずから」
問題を起こし続けるメリーアンを王都から離そうと、マーガレットのことを話し合いたいと、ダリアに連絡を取っているという。
「そう…分かったわ」
ダリアに会えると思ってなのか、メリーアンは大人しく部屋に戻って行った。世間の目や声に効果があったのかは分からないが、脅しにはなっただろうと思った。
そして、ダリアと話し合いをする日が決まり、ユーフレット侯爵家で行われることになった。カーサス、トーラスも同席する。
やって来たダリアに向かって、メリーアンは再び叫んだ。
「マーガレットはどこ!」
「話し合いをするのに、連れて来ておりません」
「えっ、どうしてよ」
「メリーアン、まずは話し合いだ。座りなさい」
カーサスがメリーアンを叱ったが、メリーアンは相変わらずである。
「その人、誰よ」
「弁護士です」
「弁護士のパドラー・オリーと申します」
「どうして、弁護士なんて…」
「養育について話し合うのだから、当たり前ではありませんか」
「メリーアン、座りなさい!」
もう一度言われて、ようやくメリーアンは席に着いた。
「それでは、話し合いを始めましょう」
オリー弁護士によって、話し合いが始まることになった。
「マーガレットは、私が育てるわ。マーガレットは私が必死で産んだのよ!」
「分かりました」
カーサスとトーラスは、てっきりオスレ伯爵家でこのまま、養育すると言われると思っていたので、驚いていた。
「いいの?」
「私も母親がいればとずっと思いながら、育ちましたから」
その言葉にカーサスとトーラスは、胸が痛んだ。
ダリアはメリーアンが育てると言えば、条件を付けて任せてもいいと思っていた。マーガレットは可愛いが、女の子であるため、父親よりも母親がいる方がいいだろうと思ってのことである。
「よろしいのですか?」
信じられないカーサスはダリアに問い掛けた。
「ただ、条件は付けさせて貰います」
「それは、はい」
「っな…」
どうして私がそんなことをしなければいけないのかという顔をしており、ここまで来ると無神経ではないかとすら思い始めていた。
「自分は違うと思っているのなら、考えを改めなさい。後悔するのは自分だからな、誰も責任を取ることは出来ないぞ」
「離縁、しなかったら、違ったの…?」
「何度も言っているだろう、同じだよ」
どうして離縁のことをまた言い出すのか、自分だけは違うと思えるのかが分からない。今までは面倒な時はメリーアンの話は聞き流してもどうにかなっていたが、これからはそうはいかない。
「どうしてよ」
「ダリア殿は被害者家族だが、メリーアンは加害者家族だろう?」
「でも結婚したのだから」
「結婚したら、義両親は増えても、親が変わるわけではないだろう?親が変わって、リセットされるとでも言うのか?」
まだ全く関係のない相手と結婚していたとしても、結婚が継続されたかは分からないが、メリーアンはあれだけ言われて、母上にも責任を取るように迫っていたというのに、被害者家族と結婚していたという自覚がないのだろうか。
「でも一員になったのだから」
「変わらないよ。それに今更言っても仕方ないことだろう」
そんなことを考えたところで、既に離縁しているのだから、変わることはない。
メリーアンは一体、何に期待をしているのだろうか?
「もしかしたらは、もう止めなさい。父上に面倒見切れないとされたら、どうするつもりなんだ?」
「そんなことするはずないわ」
「はあ…ダリア殿との話し合いが終わったら、領地で静かにしていなさい。その方が安全だから」
「ダリア?」
「ああ、父上が話し合いをしようと日程を決めているはずから」
問題を起こし続けるメリーアンを王都から離そうと、マーガレットのことを話し合いたいと、ダリアに連絡を取っているという。
「そう…分かったわ」
ダリアに会えると思ってなのか、メリーアンは大人しく部屋に戻って行った。世間の目や声に効果があったのかは分からないが、脅しにはなっただろうと思った。
そして、ダリアと話し合いをする日が決まり、ユーフレット侯爵家で行われることになった。カーサス、トーラスも同席する。
やって来たダリアに向かって、メリーアンは再び叫んだ。
「マーガレットはどこ!」
「話し合いをするのに、連れて来ておりません」
「えっ、どうしてよ」
「メリーアン、まずは話し合いだ。座りなさい」
カーサスがメリーアンを叱ったが、メリーアンは相変わらずである。
「その人、誰よ」
「弁護士です」
「弁護士のパドラー・オリーと申します」
「どうして、弁護士なんて…」
「養育について話し合うのだから、当たり前ではありませんか」
「メリーアン、座りなさい!」
もう一度言われて、ようやくメリーアンは席に着いた。
「それでは、話し合いを始めましょう」
オリー弁護士によって、話し合いが始まることになった。
「マーガレットは、私が育てるわ。マーガレットは私が必死で産んだのよ!」
「分かりました」
カーサスとトーラスは、てっきりオスレ伯爵家でこのまま、養育すると言われると思っていたので、驚いていた。
「いいの?」
「私も母親がいればとずっと思いながら、育ちましたから」
その言葉にカーサスとトーラスは、胸が痛んだ。
ダリアはメリーアンが育てると言えば、条件を付けて任せてもいいと思っていた。マーガレットは可愛いが、女の子であるため、父親よりも母親がいる方がいいだろうと思ってのことである。
「よろしいのですか?」
信じられないカーサスはダリアに問い掛けた。
「ただ、条件は付けさせて貰います」
「それは、はい」
1,600
お気に入りに追加
2,837
あなたにおすすめの小説
【完】隣国に売られるように渡った王女
まるねこ
恋愛
幼いころから王妃の命令で勉強ばかりしていたリヴィア。乳母に支えられながら成長し、ある日、父である国王陛下から呼び出しがあった。
「リヴィア、お前は長年王女として過ごしているが未だ婚約者がいなかったな。良い嫁ぎ先を選んでおいた」と。
リヴィアの不遇はいつまで続くのか。
Copyright©︎2024-まるねこ
強い祝福が原因だった
棗
恋愛
大魔法使いと呼ばれる父と前公爵夫人である母の不貞により生まれた令嬢エイレーネー。
父を憎む義父や義父に同調する使用人達から冷遇されながらも、エイレーネーにしか姿が見えないうさぎのイヴのお陰で孤独にはならずに済んでいた。
大魔法使いを王国に留めておきたい王家の思惑により、王弟を父に持つソレイユ公爵家の公子ラウルと婚約関係にある。しかし、彼が愛情に満ち、優しく笑い合うのは義父の娘ガブリエルで。
愛される未来がないのなら、全てを捨てて実父の許へ行くと決意した。
※「殿下が好きなのは私だった」と同じ世界観となりますが此方の話を読まなくても大丈夫です。
※なろうさんにも公開しています。
【完結】大好き、と告白するのはこれを最後にします!
高瀬船
恋愛
侯爵家の嫡男、レオン・アルファストと伯爵家のミュラー・ハドソンは建国から続く由緒ある家柄である。
7歳年上のレオンが大好きで、ミュラーは幼い頃から彼にべったり。ことある事に大好き!と伝え、少女へと成長してからも顔を合わせる度に結婚して!ともはや挨拶のように熱烈に求婚していた。
だけど、いつもいつもレオンはありがとう、と言うだけで承諾も拒絶もしない。
成人を控えたある日、ミュラーはこれを最後の告白にしよう、と決心しいつものようにはぐらかされたら大人しく彼を諦めよう、と決めていた。
そして、彼を諦め真剣に結婚相手を探そうと夜会に行った事をレオンに知られたミュラーは初めて彼の重いほどの愛情を知る
【お互い、モブとの絡み発生します、苦手な方はご遠慮下さい】
貴妃エレーナ
無味無臭(不定期更新)
恋愛
「君は、私のことを恨んでいるか?」
後宮で暮らして数十年の月日が流れたある日のこと。国王ローレンスから突然そう聞かれた貴妃エレーナは戸惑ったように答えた。
「急に、どうされたのですか?」
「…分かるだろう、はぐらかさないでくれ。」
「恨んでなどいませんよ。あれは遠い昔のことですから。」
そう言われて、私は今まで蓋をしていた記憶を辿った。
どうやら彼は、若かりし頃に私とあの人の仲を引き裂いてしまったことを今も悔やんでいるらしい。
けれど、もう安心してほしい。
私は既に、今世ではあの人と縁がなかったんだと諦めている。
だから…
「陛下…!大変です、内乱が…」
え…?
ーーーーーーーーーーーーー
ここは、どこ?
さっきまで内乱が…
「エレーナ?」
陛下…?
でも若いわ。
バッと自分の顔を触る。
するとそこにはハリもあってモチモチとした、まるで若い頃の私の肌があった。
懐かしい空間と若い肌…まさか私、昔の時代に戻ったの?!
麗しの王子殿下は今日も私を睨みつける。
スズキアカネ
恋愛
「王子殿下の運命の相手を占いで決めるそうだから、レオーネ、あなたが選ばれるかもしれないわよ」
伯母の一声で連れて行かれた王宮広場にはたくさんの若い女の子たちで溢れかえっていた。
そしてバルコニーに立つのは麗しい王子様。
──あの、王子様……何故睨むんですか?
人違いに決まってるからそんなに怒らないでよぉ!
◇◆◇
無断転載・転用禁止。
Do not repost.
裏切りの先にあるもの
マツユキ
恋愛
侯爵令嬢のセシルには幼い頃に王家が決めた婚約者がいた。
結婚式の日取りも決まり数か月後の挙式を楽しみにしていたセシル。ある日姉の部屋を訪ねると婚約者であるはずの人が姉と口づけをかわしている所に遭遇する。傷つくセシルだったが新たな出会いがセシルを幸せへと導いていく。
【完結】あなたを忘れたい
やまぐちこはる
恋愛
子爵令嬢ナミリアは愛し合う婚約者ディルーストと結婚する日を待ち侘びていた。
そんな時、不幸が訪れる。
■□■
【毎日更新】毎日8時と18時更新です。
【完結保証】最終話まで書き終えています。
最後までお付き合い頂けたらうれしいです(_ _)
いくら時が戻っても
ちくわぶ(まるどらむぎ)
恋愛
大切な書類を忘れ家に取りに帰ったセディク。
庭では妻フェリシアが友人二人とお茶会をしていた。
思ってもいなかった妻の言葉を聞いた時、セディクは―――
短編予定。
救いなし予定。
ひたすらムカつくかもしれません。
嫌いな方は避けてください。
※この作品は小説家になろうさんでも公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる