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招かれざる客
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まだ慌ただしいユーフレット侯爵家で、メリーアンは当然、結婚式に誘われると思っていたが、誘いもなく、結婚式は終わっていたことを耳にした。
メリーアンは懲りもせず、ローザ公爵家にどういうことかと、乗り込んで来た。リアンスと執事が対応していたが、スノーはメイド長とたまたま話をしていた。
「マーガレットと?」
「ええ、そうなんです」
メイド長はスノーの友人であるマーガレットの母親と同級生だったそうで、他愛ない話をしていただけであった。
だが、同じ名前の娘を持つ、メリーアンはマーガレットという言葉が聞こえて、勘違いをした。
「マーガレットですって!どうして、マーガレットが」
「違うマーガレットじゃないか」
リアンスはおそらく、スノーの友人の話だろうと思った。
「そんなの嘘!どうして私が呼ばれていないのか聞きに来たのに、マーガレットまで来ていたっていうの!だったら、私を呼ぶべきでしょう!どうなっているの」
メリーアンはエントランスで、怒鳴り散らし、さすがにリアンスも目に余った。
「いい加減にしろ、迷惑を掛けられた君を呼ぶはずがないだろう」
「迷惑なんて掛けていないわ」
「この前、押し掛けて来たことを忘れたのか?」
「押し掛けたなんて…どうしてそんな酷い言い方するの!」
「今日だって、この前だって、先触れすら出さない。常識がないのか?」
「私とリアンス様の間柄じゃない」
「そのようなことは通用しないことは、侯爵令嬢なら分かるだろう?」
おかしいんじゃないか?という言葉、さすがにリアンスも呑み込んだ。
「別に構わないじゃない!」
「構わないはずがないだろう。一度目は注意で済ましたが、さすがに二度目はローザ公爵家とユーフレット侯爵家として、対応させて貰う」
「…え、どうして」
「どうしてって、当たり前だろう」
メリーアンはどこかリアンスを、都合よく使えると思っているところがあった。だからこそ、押し掛けても構わない、自分の力になってくれると思っていた。
だが、実際はローザ公爵家の嫡男である。
「そんな、結婚したからって変わってしまったの?スノーさんに何か言われたの?」
「変わったのは君だろう?」
友人とは呼べないスノーを、スノーさんと変わらず呼んでいるのも腹立たしかったが、注意するのも面倒であった。
「えっ」
「それとも、常識がない方が本来の姿なのか?」
「そんなはずないじゃない…」
メリーアンは認めるわけにはいかず、否定するしかなかったが、婚約者だったとしても、深く関わっていなかったので、メリーアンをよく知らなかった。
「じゃあ、帰ってくれ」
「待ってよ、そうよ、スノーさんと話させてよ。ね?私なら、色々教えてあげられるわ。伯爵令嬢では足りないことも多いでしょう?」
リアンスが駄目なら、スノーにすればいい。おそらくリアンスも同席するだろうと思い、名案だと思った。
「常識のない姿を見せられて、教えて貰うことなどないだろう」
「っな!今日はたまたまじゃない」
「二度目だ」
「この前は、どうしていいか分からなかったの」
「友人でも頼ればいいだろう!祝いを言うでもなく、新婚の邸にやって来て、どういうつもりなんだ?」
メリーアンが来ていると聞いた際は、結婚祝いでも持って来たのかと思って通したが、手ぶらであり、侍女も付いておらず、いくら経っても祝いの言葉すら言わない様にも、あり得ないと思っていた。
「…あ」
「もう追い出してくれ」
メリーアンは違うのよと言いながらも、使用人に連れられて追い出された。
スノーは様子がおかしい様に、近寄ることはしなかった。
メリーアンは当たり前ではあるが、ユーフレット侯爵家ということで、敬遠されており、友人たちに愚痴を話したくとも、会うことすら出来ないでいた。
まだ悪意をあからさまに受けていないメリーアンは、自覚が薄かったのである。
メリーアンは懲りもせず、ローザ公爵家にどういうことかと、乗り込んで来た。リアンスと執事が対応していたが、スノーはメイド長とたまたま話をしていた。
「マーガレットと?」
「ええ、そうなんです」
メイド長はスノーの友人であるマーガレットの母親と同級生だったそうで、他愛ない話をしていただけであった。
だが、同じ名前の娘を持つ、メリーアンはマーガレットという言葉が聞こえて、勘違いをした。
「マーガレットですって!どうして、マーガレットが」
「違うマーガレットじゃないか」
リアンスはおそらく、スノーの友人の話だろうと思った。
「そんなの嘘!どうして私が呼ばれていないのか聞きに来たのに、マーガレットまで来ていたっていうの!だったら、私を呼ぶべきでしょう!どうなっているの」
メリーアンはエントランスで、怒鳴り散らし、さすがにリアンスも目に余った。
「いい加減にしろ、迷惑を掛けられた君を呼ぶはずがないだろう」
「迷惑なんて掛けていないわ」
「この前、押し掛けて来たことを忘れたのか?」
「押し掛けたなんて…どうしてそんな酷い言い方するの!」
「今日だって、この前だって、先触れすら出さない。常識がないのか?」
「私とリアンス様の間柄じゃない」
「そのようなことは通用しないことは、侯爵令嬢なら分かるだろう?」
おかしいんじゃないか?という言葉、さすがにリアンスも呑み込んだ。
「別に構わないじゃない!」
「構わないはずがないだろう。一度目は注意で済ましたが、さすがに二度目はローザ公爵家とユーフレット侯爵家として、対応させて貰う」
「…え、どうして」
「どうしてって、当たり前だろう」
メリーアンはどこかリアンスを、都合よく使えると思っているところがあった。だからこそ、押し掛けても構わない、自分の力になってくれると思っていた。
だが、実際はローザ公爵家の嫡男である。
「そんな、結婚したからって変わってしまったの?スノーさんに何か言われたの?」
「変わったのは君だろう?」
友人とは呼べないスノーを、スノーさんと変わらず呼んでいるのも腹立たしかったが、注意するのも面倒であった。
「えっ」
「それとも、常識がない方が本来の姿なのか?」
「そんなはずないじゃない…」
メリーアンは認めるわけにはいかず、否定するしかなかったが、婚約者だったとしても、深く関わっていなかったので、メリーアンをよく知らなかった。
「じゃあ、帰ってくれ」
「待ってよ、そうよ、スノーさんと話させてよ。ね?私なら、色々教えてあげられるわ。伯爵令嬢では足りないことも多いでしょう?」
リアンスが駄目なら、スノーにすればいい。おそらくリアンスも同席するだろうと思い、名案だと思った。
「常識のない姿を見せられて、教えて貰うことなどないだろう」
「っな!今日はたまたまじゃない」
「二度目だ」
「この前は、どうしていいか分からなかったの」
「友人でも頼ればいいだろう!祝いを言うでもなく、新婚の邸にやって来て、どういうつもりなんだ?」
メリーアンが来ていると聞いた際は、結婚祝いでも持って来たのかと思って通したが、手ぶらであり、侍女も付いておらず、いくら経っても祝いの言葉すら言わない様にも、あり得ないと思っていた。
「…あ」
「もう追い出してくれ」
メリーアンは違うのよと言いながらも、使用人に連れられて追い出された。
スノーは様子がおかしい様に、近寄ることはしなかった。
メリーアンは当たり前ではあるが、ユーフレット侯爵家ということで、敬遠されており、友人たちに愚痴を話したくとも、会うことすら出来ないでいた。
まだ悪意をあからさまに受けていないメリーアンは、自覚が薄かったのである。
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