130 / 154
結婚式
しおりを挟む
そして、ようやくリアンスとスノーの結婚式が行われた。
スノーのクラスメイトであった既に結婚をしていたマーガレットとセイカは、スノーとリアンスの結婚にとにかく驚いた。
「「おめでとうございます」」
「「ありがとうございます」」
スノーとマーガレットとセイカが3人になると、2人は一気に話し始めた。
「もう、スノー驚いたわ。学園の頃は違ったわよね?」
「私もよ!ひっくり返るかと思ったわ。しかも、ランドマーク侯爵家の養子になったのね」
「ええ、驚かせてごめんなさい」
「でも、とてもお似合いだわ」
「ええ、本当におめでとう」
マーガレットとセイカは、メリーアンとリアンスをお似合いだと言っていたことを思い出して、スノーは複雑な気持ちにはなったが、おそらくユーフレット侯爵家のことを耳にしているのだろうと、再会には喜んだ。
そして、リアンスとスノーは、久し振りにダリアに会うことになった。ちなみに、メリーアンは迷惑を掛けられたので、招待していない。
「おめでとうございます」
「「ありがとうございます」」
「久し振りだな、痩せたか?」
「はい、今戻しているところです」
さすがにダリアは心労もあって痩せてしまったが、元に戻しているところであった。ユーフレット侯爵家はジーリスのことで、まだ慌ただしいために、マーガレットの話し合いは行われていない。
「無理もない、何かあれば相談してくれ」
「ありがとうございます」
結婚式は華やかなまま行われて、パーティーが始まった。両親の場所にはランドマーク前侯爵夫妻がいるが、レリリス伯爵家も呼ばれてはいた。
「スノー、おめでとう。レピアのことでは申し訳なかった」
声を掛けていたのは、兄・グリーであった。両親であるオールとファイラは、話したそうにしているが、ランドマーク侯爵家に騒ぎを起こすなと言われているので、近付けないでいる。
「あの子、いつからあんなことになっていたの?」
「昔からだよ…」
「そうなの?」
「子どものまま、成長しなかったんだ…」
「そう、向こうから連絡はあるの?」
「いや、緊急事態にでもならないとないらしい。正直、私はホッとしているんだ」
レリリス伯爵家には、平穏が訪れていた。グリーも結婚して、その際は一応、スノーも参列している。
「あれから甘やかされたのかと思ったけど、違ったのね」
「幼い頃は多少の我儘は聞いていたと思うが、甘やかされてはいないと思う」
「そうよね、甘やかされていたのはお兄様だものね。それなのに、どうしてあんなことに?言っていることがおかしかったわよ?」
「すまなかった…酷いことも沢山言ったと思う。何度も謝ろうと思ったんだ、でも今更なんて謝ればいいのか分からなくて…」
「謝って貰わなくていいわ」
そう言いながら、スノーはグリーの後ろに目をやると、ある女性が目に入った。
「ちょっと、ごめんなさい」
スノーはグリーの元を離れて、オブレオとアンリの元に行き、何やら話をした。二人が頷くと、スノーは戻って来た。
「何かあったのか?」
「いえ、まだ分からないわ」
すると、一人の女性が両腕を取られて、どこかに連れていかれた。
「あれは…」
「お兄様、どなたかご存知?」
「確か…名前までは分からないが、レピアの友人ではなかったか?」
「レピアの?」
パーティーも無事に終わり、ようやくスノーとリアンスも、先程の女性のことを聞きに向かった。
「いかがでしたか?」
「給仕の女性を脅して、服を奪い取っていたそうだ」
「っな!」
「またスノーのお手柄だ」
スノーは結婚式、パーティーに関わる全員に会っていた。そして、休んでいる者がいないことも、確認済みであった。参列者はどうにもならないが、スタッフ側に万が一、不審者が入り込んでも気付けると思ったからである。
「誰がいないかまではわかりませんでしたが、見たことのない顔でしたので…誰だったのですか?」
スノーのクラスメイトであった既に結婚をしていたマーガレットとセイカは、スノーとリアンスの結婚にとにかく驚いた。
「「おめでとうございます」」
「「ありがとうございます」」
スノーとマーガレットとセイカが3人になると、2人は一気に話し始めた。
「もう、スノー驚いたわ。学園の頃は違ったわよね?」
「私もよ!ひっくり返るかと思ったわ。しかも、ランドマーク侯爵家の養子になったのね」
「ええ、驚かせてごめんなさい」
「でも、とてもお似合いだわ」
「ええ、本当におめでとう」
マーガレットとセイカは、メリーアンとリアンスをお似合いだと言っていたことを思い出して、スノーは複雑な気持ちにはなったが、おそらくユーフレット侯爵家のことを耳にしているのだろうと、再会には喜んだ。
そして、リアンスとスノーは、久し振りにダリアに会うことになった。ちなみに、メリーアンは迷惑を掛けられたので、招待していない。
「おめでとうございます」
「「ありがとうございます」」
「久し振りだな、痩せたか?」
「はい、今戻しているところです」
さすがにダリアは心労もあって痩せてしまったが、元に戻しているところであった。ユーフレット侯爵家はジーリスのことで、まだ慌ただしいために、マーガレットの話し合いは行われていない。
「無理もない、何かあれば相談してくれ」
「ありがとうございます」
結婚式は華やかなまま行われて、パーティーが始まった。両親の場所にはランドマーク前侯爵夫妻がいるが、レリリス伯爵家も呼ばれてはいた。
「スノー、おめでとう。レピアのことでは申し訳なかった」
声を掛けていたのは、兄・グリーであった。両親であるオールとファイラは、話したそうにしているが、ランドマーク侯爵家に騒ぎを起こすなと言われているので、近付けないでいる。
「あの子、いつからあんなことになっていたの?」
「昔からだよ…」
「そうなの?」
「子どものまま、成長しなかったんだ…」
「そう、向こうから連絡はあるの?」
「いや、緊急事態にでもならないとないらしい。正直、私はホッとしているんだ」
レリリス伯爵家には、平穏が訪れていた。グリーも結婚して、その際は一応、スノーも参列している。
「あれから甘やかされたのかと思ったけど、違ったのね」
「幼い頃は多少の我儘は聞いていたと思うが、甘やかされてはいないと思う」
「そうよね、甘やかされていたのはお兄様だものね。それなのに、どうしてあんなことに?言っていることがおかしかったわよ?」
「すまなかった…酷いことも沢山言ったと思う。何度も謝ろうと思ったんだ、でも今更なんて謝ればいいのか分からなくて…」
「謝って貰わなくていいわ」
そう言いながら、スノーはグリーの後ろに目をやると、ある女性が目に入った。
「ちょっと、ごめんなさい」
スノーはグリーの元を離れて、オブレオとアンリの元に行き、何やら話をした。二人が頷くと、スノーは戻って来た。
「何かあったのか?」
「いえ、まだ分からないわ」
すると、一人の女性が両腕を取られて、どこかに連れていかれた。
「あれは…」
「お兄様、どなたかご存知?」
「確か…名前までは分からないが、レピアの友人ではなかったか?」
「レピアの?」
パーティーも無事に終わり、ようやくスノーとリアンスも、先程の女性のことを聞きに向かった。
「いかがでしたか?」
「給仕の女性を脅して、服を奪い取っていたそうだ」
「っな!」
「またスノーのお手柄だ」
スノーは結婚式、パーティーに関わる全員に会っていた。そして、休んでいる者がいないことも、確認済みであった。参列者はどうにもならないが、スタッフ側に万が一、不審者が入り込んでも気付けると思ったからである。
「誰がいないかまではわかりませんでしたが、見たことのない顔でしたので…誰だったのですか?」
1,816
お気に入りに追加
2,858
あなたにおすすめの小説
愛すべきマリア
志波 連
恋愛
幼い頃に婚約し、定期的な交流は続けていたものの、互いにこの結婚の意味をよく理解していたため、つかず離れずの穏やかな関係を築いていた。
学園を卒業し、第一王子妃教育も終えたマリアが留学から戻った兄と一緒に参加した夜会で、令嬢たちに囲まれた。
家柄も美貌も優秀さも全て揃っているマリアに嫉妬したレイラに指示された女たちは、彼女に嫌味の礫を投げつける。
早めに帰ろうという兄が呼んでいると知らせを受けたマリアが発見されたのは、王族の居住区に近い階段の下だった。
頭から血を流し、意識を失っている状態のマリアはすぐさま医務室に運ばれるが、意識が戻ることは無かった。
その日から十日、やっと目を覚ましたマリアは精神年齢が大幅に退行し、言葉遣いも仕草も全て三歳児と同レベルになっていたのだ。
体は16歳で心は3歳となってしまったマリアのためにと、兄が婚約の辞退を申し出た。
しかし、初めから結婚に重きを置いていなかった皇太子が「面倒だからこのまま結婚する」と言いだし、予定通りマリアは婚姻式に臨むことになった。
他サイトでも掲載しています。
表紙は写真ACより転載しました。
【完結】大好き、と告白するのはこれを最後にします!
高瀬船
恋愛
侯爵家の嫡男、レオン・アルファストと伯爵家のミュラー・ハドソンは建国から続く由緒ある家柄である。
7歳年上のレオンが大好きで、ミュラーは幼い頃から彼にべったり。ことある事に大好き!と伝え、少女へと成長してからも顔を合わせる度に結婚して!ともはや挨拶のように熱烈に求婚していた。
だけど、いつもいつもレオンはありがとう、と言うだけで承諾も拒絶もしない。
成人を控えたある日、ミュラーはこれを最後の告白にしよう、と決心しいつものようにはぐらかされたら大人しく彼を諦めよう、と決めていた。
そして、彼を諦め真剣に結婚相手を探そうと夜会に行った事をレオンに知られたミュラーは初めて彼の重いほどの愛情を知る
【お互い、モブとの絡み発生します、苦手な方はご遠慮下さい】
【完結】「君を愛することはない」と言われた公爵令嬢は思い出の夜を繰り返す
おのまとぺ
恋愛
「君を愛することはない!」
鳴り響く鐘の音の中で、三年の婚約期間の末に結ばれるはずだったマルクス様は高らかに宣言しました。隣には彼の義理の妹シシーがピッタリとくっついています。私は笑顔で「承知いたしました」と答え、ガラスの靴を脱ぎ捨てて、一目散に式場の扉へと走り出しました。
え?悲しくないのかですって?
そんなこと思うわけないじゃないですか。だって、私はこの三年間、一度たりとも彼を愛したことなどなかったのですから。私が本当に愛していたのはーーー
◇よくある婚約破棄
◇元サヤはないです
◇タグは増えたりします
◇薬物などの危険物が少し登場します
【完結】お飾りの妻からの挑戦状
おのまとぺ
恋愛
公爵家から王家へと嫁いできたデイジー・シャトワーズ。待ちに待った旦那様との顔合わせ、王太子セオドア・ハミルトンが放った言葉に立ち会った使用人たちの顔は強張った。
「君はお飾りの妻だ。装飾品として慎ましく生きろ」
しかし、当のデイジーは不躾な挨拶を笑顔で受け止める。二人のドタバタ生活は心配する周囲を巻き込んで、やがて誰も予想しなかった展開へ……
◇表紙はノーコピーライトガール様より拝借しています
◇全18話で完結予定
【本編完結】たとえあなたに選ばれなくても【表記改定中】
神宮寺 あおい@受賞&書籍化
恋愛
人を踏みつけた者には相応の報いを。
伯爵令嬢のアリシアは半年後に結婚する予定だった。
公爵家次男の婚約者、ルーカスと両思いで一緒になれるのを楽しみにしていたのに。
ルーカスにとって腹違いの兄、ニコラオスの突然の死が全てを狂わせていく。
義母の願う血筋の継承。
ニコラオスの婚約者、フォティアからの横槍。
公爵家を継ぐ義務に縛られるルーカス。
フォティアのお腹にはニコラオスの子供が宿っており、正統なる後継者を望む義母はルーカスとアリシアの婚約を破棄させ、フォティアと婚約させようとする。
そんな中アリシアのお腹にもまた小さな命が。
アリシアとルーカスの思いとは裏腹に2人は周りの思惑に振り回されていく。
何があってもこの子を守らなければ。
大切なあなたとの未来を夢見たいのに許されない。
ならば私は去りましょう。
たとえあなたに選ばれなくても。
私は私の人生を歩んでいく。
これは普通の伯爵令嬢と訳あり公爵令息の、想いが報われるまでの物語。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
読む前にご確認いただけると助かります。
1)西洋の貴族社会をベースにした世界観ではあるものの、あくまでファンタジーです
2)作中では第一王位継承者のみ『皇太子』とし、それ以外は『王子』『王女』としています
→ただ今『皇太子』を『王太子』へ、さらに文頭一文字下げなど、表記を改定中です。
そのため一時的に『皇太子』と『王太子』が混在しております。
よろしくお願いいたします。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
誤字を教えてくださる方、ありがとうございます。
読み返してから投稿しているのですが、見落としていることがあるのでとても助かります。
わたしは婚約者の不倫の隠れ蓑
岡暁舟
恋愛
第一王子スミスと婚約した公爵令嬢のマリア。ところが、スミスが魅力された女は他にいた。同じく公爵令嬢のエリーゼ。マリアはスミスとエリーゼの密会に気が付いて……。
もう終わりにするしかない。そう確信したマリアだった。
本編終了しました。
不遇な王妃は国王の愛を望まない
ゆきむらさり
恋愛
〔あらすじ〕📝ある時、クラウン王国の国王カルロスの元に、自ら命を絶った王妃アリーヤの訃報が届く。王妃アリーヤを冷遇しておきながら嘆く国王カルロスに皆は不思議がる。なにせ国王カルロスは幼馴染の側妃ベリンダを寵愛し、政略結婚の為に他国アメジスト王国から輿入れした不遇の王女アリーヤには見向きもしない。はたから見れば哀れな王妃アリーヤだが、実は他に愛する人がいる王妃アリーヤにもその方が都合が良いとも。彼女が真に望むのは愛する人と共に居られる些細な幸せ。ある時、自国に囚われの身である愛する人の訃報を受け取る王妃アリーヤは絶望に駆られるも……。主人公の舞台は途中から変わります。
※設定などは独自の世界観で、あくまでもご都合主義。断罪あり。ハピエン🩷
※稚拙ながらも投稿初日からHOTランキング(2024.11.21)に入れて頂き、ありがとうございます🙂 今回初めて最高ランキング5位(11/23)✨ まさに感無量です🥲
【完結】愛したあなたは本当に愛する人と幸せになって下さい
高瀬船
恋愛
伯爵家のティアーリア・クランディアは公爵家嫡男、クライヴ・ディー・アウサンドラと婚約秒読みの段階であった。
だが、ティアーリアはある日クライヴと彼の従者二人が話している所に出くわし、聞いてしまう。
クライヴが本当に婚約したかったのはティアーリアの妹のラティリナであったと。
ショックを受けるティアーリアだったが、愛する彼の為自分は身を引く事を決意した。
【誤字脱字のご報告ありがとうございます!小っ恥ずかしい誤字のご報告ありがとうございます!個別にご返信出来ておらず申し訳ございません( •́ •̀ )】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる