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レピア2
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レピアも爵位の差が大きいことは分かっているが、愛があれば問題ないと思っており、だからこそ高位貴族にも言い寄ることが出来たのである。
ローザ公爵邸でも、スノーがいるのだからという余裕があった。
「卒業が出来ても、その調子ではどうにもならないわよ?どうするの?」
「だから、私がリアンス様に嫁げばいいじゃない」
「どうして、あなたがリアンス様と結婚するなんて考えになったの?接点もないと聞いているわ」
スノーはリアンスから、レピアと挨拶すらしたことがないと聞いていた。
「お見掛けしたことはあるわ」
レピアもリアンス本人がいなければ、スノーを動揺させるために、何度も話をしたなどと言っていたかもしれないが、本人もいるので嘘は言えなかった。
「そんなの多くの人があるでしょう?まさかそれが接点とでも言うの?」
「何よ、偉そうに」
「はあ…それで、結婚って、どうかしているわよ?」
「っな、お姉様こそ調子に乗るのもいい加減にした方がいいわ」
「何を?」
「恥を搔くのはお姉様ですよ、私の方が若くて可愛いんですから」
「若くてって…十も二十も離れているわけでもないのに」
レピアは縁談が決まらないというより、卒業が出来るということが確定しないと縁談も何もないと言われており、鬱憤が溜まっていた。
お父様はお姉様へリアンス様から縁談があったと聞いていたが、レリリス伯爵家なら自分でもいいはずだと得意の思い込みを爆発させた。
お姉様より若い私が望めば、自分を選ぶだろうと思っており、万が一にも選んでくれなかったら、お姉様の過去を話せばこの縁談は破談になる、そこへランドマーク侯爵家の養子になれる自分が、代わればいいと思ってやって来たのであった。
「お姉様は自分が更生したからって偉そうなのよ!」
「はあ…侯爵家相手に問題を起こして、普通科で卒業も出来ないかもしれないあなたに言われたくはないわ」
「勉強が何よ!勉強が出来たら偉いの?それよりもっと大事なものがあるでしょう」
「それでも貴族として生きて行くなら、勉強は当たり前に出来ることです。それをあなたは放棄するということかしら?」
ヒューナが問い掛けると、レピアもさすがに目を泳がせた。
「でも、勉強が出来るだけって人もいるじゃないですか」
「そうかもしれませんけど、その方は勉強だけはしたのでしょう?あなたはそれすらしないのかしら?」
「そうではありませんけど」
「あなたの仰っていることが、自分の中だけで成り立っていることではないのかしら?それでは勉強だけではなく、他の場面でも困ることになるわよ?」
リリーのことは許すことは出来ないが、勉強が出来ずに馬鹿にされ、それだけで測ることはしてはいけなかったと、ヒューナは考えを改めるべきだったと思うようになっていた。
だからこそ、レピアの話を聞いてみようと思ったのであった。
「でも愛があれば…」
「愛ね…愛だけであなたは生きて行くの?」
「はい」
「そう、それなら貴族はやめた方がいいかもしれないわね」
「いいえ、貴族はやめません」
「リアンスが自分を愛してくれると思うの?」
「はい、そうです!お互いを知り合えば」
「あり得ない…気持ちが悪い…」
リアンスは酷く冷めた目でちらりとレピアを見たが、スノーにお茶が冷めたねと言いながら、追加を注いでいた。
「で、でも」
どうして私にそんなことが言えるの?どうしてそんな顔をするの?と、レピアは信じられない気持ちだった。
「人のものを欲しがっても、そのまま自分にスライドするわけではないのよ?あなたはスライドすると思っているのでしょう?」
「いえ、お姉様より愛して貰えるはずです」
あまりの答えにヒューナも、驚いて言葉を失った。
「ヒューナ様、もういいです」
スノーはもう限界だろうと、後はランドマーク侯爵家に任せようと思った。
ローザ公爵邸でも、スノーがいるのだからという余裕があった。
「卒業が出来ても、その調子ではどうにもならないわよ?どうするの?」
「だから、私がリアンス様に嫁げばいいじゃない」
「どうして、あなたがリアンス様と結婚するなんて考えになったの?接点もないと聞いているわ」
スノーはリアンスから、レピアと挨拶すらしたことがないと聞いていた。
「お見掛けしたことはあるわ」
レピアもリアンス本人がいなければ、スノーを動揺させるために、何度も話をしたなどと言っていたかもしれないが、本人もいるので嘘は言えなかった。
「そんなの多くの人があるでしょう?まさかそれが接点とでも言うの?」
「何よ、偉そうに」
「はあ…それで、結婚って、どうかしているわよ?」
「っな、お姉様こそ調子に乗るのもいい加減にした方がいいわ」
「何を?」
「恥を搔くのはお姉様ですよ、私の方が若くて可愛いんですから」
「若くてって…十も二十も離れているわけでもないのに」
レピアは縁談が決まらないというより、卒業が出来るということが確定しないと縁談も何もないと言われており、鬱憤が溜まっていた。
お父様はお姉様へリアンス様から縁談があったと聞いていたが、レリリス伯爵家なら自分でもいいはずだと得意の思い込みを爆発させた。
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「お姉様は自分が更生したからって偉そうなのよ!」
「はあ…侯爵家相手に問題を起こして、普通科で卒業も出来ないかもしれないあなたに言われたくはないわ」
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ヒューナが問い掛けると、レピアもさすがに目を泳がせた。
「でも、勉強が出来るだけって人もいるじゃないですか」
「そうかもしれませんけど、その方は勉強だけはしたのでしょう?あなたはそれすらしないのかしら?」
「そうではありませんけど」
「あなたの仰っていることが、自分の中だけで成り立っていることではないのかしら?それでは勉強だけではなく、他の場面でも困ることになるわよ?」
リリーのことは許すことは出来ないが、勉強が出来ずに馬鹿にされ、それだけで測ることはしてはいけなかったと、ヒューナは考えを改めるべきだったと思うようになっていた。
だからこそ、レピアの話を聞いてみようと思ったのであった。
「でも愛があれば…」
「愛ね…愛だけであなたは生きて行くの?」
「はい」
「そう、それなら貴族はやめた方がいいかもしれないわね」
「いいえ、貴族はやめません」
「リアンスが自分を愛してくれると思うの?」
「はい、そうです!お互いを知り合えば」
「あり得ない…気持ちが悪い…」
リアンスは酷く冷めた目でちらりとレピアを見たが、スノーにお茶が冷めたねと言いながら、追加を注いでいた。
「で、でも」
どうして私にそんなことが言えるの?どうしてそんな顔をするの?と、レピアは信じられない気持ちだった。
「人のものを欲しがっても、そのまま自分にスライドするわけではないのよ?あなたはスライドすると思っているのでしょう?」
「いえ、お姉様より愛して貰えるはずです」
あまりの答えにヒューナも、驚いて言葉を失った。
「ヒューナ様、もういいです」
スノーはもう限界だろうと、後はランドマーク侯爵家に任せようと思った。
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