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話し合い3
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「私はそうは思わない、もう止めよう。私の気持ちは動くことはない」
もう何度も言っているのに、メリーアンは再びショックを受けた。
「私たちは夫婦なのに、どうしてよ…一生、一緒にいくはずだったでしょう?」
「そうは出来ない事実が分かったんだ」
「結婚しなければよかったと思っているの?」
「ああ、そうだな…その方がよかったのだろうな」
「そんな…酷いわ、どうしてそんなことが言えるのよ…」
カーサスとトーラスは、無理もないと思っていたが、メリーアンはまだ納得が出来なかった。
「私がお母様の子どもでなかったら、こんなことにはならなかったのよね」
「私の理由はそうだが、これからどうなっていたかは分からないだろう?」
「え…私たちはどちらにしろ上手くいかなかったって言うの?」
「そうかもしれない」
リアンスと婚約をしてまで、二人は結婚を望んだというのに、ダリアの口からそんな言葉を聞くなんて思ってもいなかった。
ここ1ヶ月くらいで、こんなにも状況が変わるなんて、ダリアの気持ちまで既に遠く離れて行ってしまうなんて、想像したこともなかった。
私たちはお互いに強く結ばれて、何があっても一緒にいると思っていた。
確かに事件のことは両親を求めていたダリアには大きなことだっただろう、でもそれよりも勝る愛があったと思っていた。
「私のことはもう愛していないのね…」
「ああ、そういうことになる」
「だったら、マーガレットのことは私が、私が育てるわ!伯爵家より、侯爵家の方がいいでしょう!」
「それはまた改めて話そう。そちらもまだ大変でしょうから。ユーフレット侯爵、そうですよね?」
「ええ、その方がいいでしょう」
リリーのこともあるが、ジーリスのことでユーフレット侯爵家は加害者として、なかなか落ち着くことはないだろうということを、カーサスは察した。
「今、決めればいいじゃない!お父様は、お母様と離縁するのでしょう?そうすれば、関わりがなくなるわ。マーガレットは正当なユーフレット侯爵の令嬢になれるわ、お父様もそう思うでしょう?」
「それは落ち着いてからにしよう、まだ色々と対応をしなければならないんだ」
「色々言われるだろうけど、離縁したらお父様は関係ないでしょう?」
カーサスはリリーのことだけでも、簡単なこととはいかないとは思っていたが、リリーの評判は悪いために同情的だろうと想定していたのだが、ジーリスのことでそうはいかなくなった。
しかも、メリーアンはその娘ということになる。
リリーが裁判になれば、被害者が訴え出れば、ジーリスのことが公になる。メリーアンが娘であることは事件には関係ないために、リリーが言わない限りは公にはならないかもしれないが、どうなるか分からない。
「そう簡単な話ではない」
「どうしてよ!母親がいて、侯爵家の方が良いとしないと、引き取れないかもしれないじゃない」
「だから、それは落ち着いてからの方が、マーガレットにもいいだろう。ユーフレット侯爵家は、当面慌ただしく、落ち着かないだろう…」
今のユーフレット侯爵家に、マーガレットを育てられる環境は整えられない。
「そんなことないわ、母親が側にいない方が悲しいに決まっているわ」
「離縁したとしても、被害者はそっとして置くという風潮だが、加害者家族には厳しい。まだ調査なども行われることもあるだろうから、子どもを育てられる良い環境とは言えないだろう」
事件となってしまえば、離縁したとしても、爵位なんて関係ない、侯爵家を守ってくれるものではない。しかも、ジーリスのことで、恨まれる可能性、いや既に恨まれている可能性が高い。
そうなった時、マーガレットに危険だってあるかもしれない。
もう何度も言っているのに、メリーアンは再びショックを受けた。
「私たちは夫婦なのに、どうしてよ…一生、一緒にいくはずだったでしょう?」
「そうは出来ない事実が分かったんだ」
「結婚しなければよかったと思っているの?」
「ああ、そうだな…その方がよかったのだろうな」
「そんな…酷いわ、どうしてそんなことが言えるのよ…」
カーサスとトーラスは、無理もないと思っていたが、メリーアンはまだ納得が出来なかった。
「私がお母様の子どもでなかったら、こんなことにはならなかったのよね」
「私の理由はそうだが、これからどうなっていたかは分からないだろう?」
「え…私たちはどちらにしろ上手くいかなかったって言うの?」
「そうかもしれない」
リアンスと婚約をしてまで、二人は結婚を望んだというのに、ダリアの口からそんな言葉を聞くなんて思ってもいなかった。
ここ1ヶ月くらいで、こんなにも状況が変わるなんて、ダリアの気持ちまで既に遠く離れて行ってしまうなんて、想像したこともなかった。
私たちはお互いに強く結ばれて、何があっても一緒にいると思っていた。
確かに事件のことは両親を求めていたダリアには大きなことだっただろう、でもそれよりも勝る愛があったと思っていた。
「私のことはもう愛していないのね…」
「ああ、そういうことになる」
「だったら、マーガレットのことは私が、私が育てるわ!伯爵家より、侯爵家の方がいいでしょう!」
「それはまた改めて話そう。そちらもまだ大変でしょうから。ユーフレット侯爵、そうですよね?」
「ええ、その方がいいでしょう」
リリーのこともあるが、ジーリスのことでユーフレット侯爵家は加害者として、なかなか落ち着くことはないだろうということを、カーサスは察した。
「今、決めればいいじゃない!お父様は、お母様と離縁するのでしょう?そうすれば、関わりがなくなるわ。マーガレットは正当なユーフレット侯爵の令嬢になれるわ、お父様もそう思うでしょう?」
「それは落ち着いてからにしよう、まだ色々と対応をしなければならないんだ」
「色々言われるだろうけど、離縁したらお父様は関係ないでしょう?」
カーサスはリリーのことだけでも、簡単なこととはいかないとは思っていたが、リリーの評判は悪いために同情的だろうと想定していたのだが、ジーリスのことでそうはいかなくなった。
しかも、メリーアンはその娘ということになる。
リリーが裁判になれば、被害者が訴え出れば、ジーリスのことが公になる。メリーアンが娘であることは事件には関係ないために、リリーが言わない限りは公にはならないかもしれないが、どうなるか分からない。
「そう簡単な話ではない」
「どうしてよ!母親がいて、侯爵家の方が良いとしないと、引き取れないかもしれないじゃない」
「だから、それは落ち着いてからの方が、マーガレットにもいいだろう。ユーフレット侯爵家は、当面慌ただしく、落ち着かないだろう…」
今のユーフレット侯爵家に、マーガレットを育てられる環境は整えられない。
「そんなことないわ、母親が側にいない方が悲しいに決まっているわ」
「離縁したとしても、被害者はそっとして置くという風潮だが、加害者家族には厳しい。まだ調査なども行われることもあるだろうから、子どもを育てられる良い環境とは言えないだろう」
事件となってしまえば、離縁したとしても、爵位なんて関係ない、侯爵家を守ってくれるものではない。しかも、ジーリスのことで、恨まれる可能性、いや既に恨まれている可能性が高い。
そうなった時、マーガレットに危険だってあるかもしれない。
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