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調査4
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ヒューナはキハナの話をバークスに伝えた。
「もしかしたら、嫌がらせは一人ではないということかもしれませんね」
「ああ、可能性はあるな。リリーはその話を聞いて、便乗したかもしれない。リリーの名前が出たのは良かったと言えるだろうが、証拠はないな…」
証言して貰ったところで、確証を得ることは出来ないというところだろう。
「ええ、やったと思ったのですけどね。もうリリーに話をしてみるというのは、どうでしょうか」
「そうだな、だがその前にダリアから手紙が見付かったと連絡があった。明日来ることになっているから、その手紙を見てからにしよう」
「はい、そういうことでしたら」
翌日、ダリアは二通の手紙を持って、ローザ公爵家にやって来た。
「こちらです」
そう言って差し出された二通の手紙は、一つはオリラが預かっていたような差出人のない、相応しくないから、早く離縁するべきだと、トイズには運命の相手がいるなどと書かれていた。
そして、もう一通は同じように差出人はなかった。
だが、内容は嫌がらせを受けていると聞いた。力になりたいから、指定された日時に、ある喫茶店に来て欲しいという内容であった。
「嫌がらせを受けていたのは、間違いなさそうだな」
「筆跡を調べることは出来ませんか」
「ああ、頼んでみよう」
「お願いします」
たまたまこの一通だけ手元にあったのか、この一通だけを意味があって残したのか、調べる必要はある。
「もう一通は、行ったのだろうか」
「おそらく行っていないと思います。日付の母の行動を確認すると、祖母と所用で出掛けていました」
「気持ちが悪いものね…」
一人で行かないとしても、気味が悪い。誰なのかは知りたいが、所用があったのなら仕方ないことだろう。
「はい、本当に会いたいなら、名前を書いて、返事を待ってだと思います」
「そうだな、これだけしかなかったのか?」
「はい、なかなか手紙も見付からなかったのです。ですが、お菓子の缶に母の両親からの手紙と、父からの手紙、あと、その二通が入っていました。そちらは何か分かりましたか?」
ヒューナはお菓子の缶に入れるというのは、マリエルが行っていたことなのかもしれないと思った。そうやって渡せば、一目には付かないだろう。
「こちらも嫌がらせのことを、マリエルの偲ぶ会をしたいという名目で、聞いてみたのですが、確証は得られていません」
「そうですか…」
ダリアは明らかに落ち込んだ表情をして、今さらでも母の無念を晴らそうとしているのだと見受けられた。
「実は、この嫌がらせと同じような手紙を預かっていた方がいるんだ」
ヒューナはバークスが話すつもりなのだと、息を呑んだ。オブレオからもダリアに伝えるタイミングは任せるといわれている。
「え?母からですか?」
「ああ、オリラ・リーターだ」
「…あ、スノー様の叔母様ですよね?親しかったと聞きました」
「そうだ、スノーがオリラから預かったのだ。そこで、証拠はないがオリラはマリエルは殺されたのだと、嫌がらせの手紙を渡されている」
「なぜ言ってくれなかったのですか!」
ダリアは自分が一番に知る権利があるだろうと、悔しく思った。
「何か証拠を得てからと思っていた。しかも、妻が聞いた話だと、あり得ないことだが、オリラが犯人だと噂されていたそうだ」
「彼女には不可能よ、離縁してから家から出たのは、マリエルの葬儀だもの」
「そうですか…では、誰が?」
「まだ調べているところだ、一つ伝えておくが、その中に君の義母であるリリー・ユーフレットも含まれている」
ダリアは口を開こうとしたが、そのまま音にすらならなかった。
「調べを続けてもいいか?」
「もしかしたら、嫌がらせは一人ではないということかもしれませんね」
「ああ、可能性はあるな。リリーはその話を聞いて、便乗したかもしれない。リリーの名前が出たのは良かったと言えるだろうが、証拠はないな…」
証言して貰ったところで、確証を得ることは出来ないというところだろう。
「ええ、やったと思ったのですけどね。もうリリーに話をしてみるというのは、どうでしょうか」
「そうだな、だがその前にダリアから手紙が見付かったと連絡があった。明日来ることになっているから、その手紙を見てからにしよう」
「はい、そういうことでしたら」
翌日、ダリアは二通の手紙を持って、ローザ公爵家にやって来た。
「こちらです」
そう言って差し出された二通の手紙は、一つはオリラが預かっていたような差出人のない、相応しくないから、早く離縁するべきだと、トイズには運命の相手がいるなどと書かれていた。
そして、もう一通は同じように差出人はなかった。
だが、内容は嫌がらせを受けていると聞いた。力になりたいから、指定された日時に、ある喫茶店に来て欲しいという内容であった。
「嫌がらせを受けていたのは、間違いなさそうだな」
「筆跡を調べることは出来ませんか」
「ああ、頼んでみよう」
「お願いします」
たまたまこの一通だけ手元にあったのか、この一通だけを意味があって残したのか、調べる必要はある。
「もう一通は、行ったのだろうか」
「おそらく行っていないと思います。日付の母の行動を確認すると、祖母と所用で出掛けていました」
「気持ちが悪いものね…」
一人で行かないとしても、気味が悪い。誰なのかは知りたいが、所用があったのなら仕方ないことだろう。
「はい、本当に会いたいなら、名前を書いて、返事を待ってだと思います」
「そうだな、これだけしかなかったのか?」
「はい、なかなか手紙も見付からなかったのです。ですが、お菓子の缶に母の両親からの手紙と、父からの手紙、あと、その二通が入っていました。そちらは何か分かりましたか?」
ヒューナはお菓子の缶に入れるというのは、マリエルが行っていたことなのかもしれないと思った。そうやって渡せば、一目には付かないだろう。
「こちらも嫌がらせのことを、マリエルの偲ぶ会をしたいという名目で、聞いてみたのですが、確証は得られていません」
「そうですか…」
ダリアは明らかに落ち込んだ表情をして、今さらでも母の無念を晴らそうとしているのだと見受けられた。
「実は、この嫌がらせと同じような手紙を預かっていた方がいるんだ」
ヒューナはバークスが話すつもりなのだと、息を呑んだ。オブレオからもダリアに伝えるタイミングは任せるといわれている。
「え?母からですか?」
「ああ、オリラ・リーターだ」
「…あ、スノー様の叔母様ですよね?親しかったと聞きました」
「そうだ、スノーがオリラから預かったのだ。そこで、証拠はないがオリラはマリエルは殺されたのだと、嫌がらせの手紙を渡されている」
「なぜ言ってくれなかったのですか!」
ダリアは自分が一番に知る権利があるだろうと、悔しく思った。
「何か証拠を得てからと思っていた。しかも、妻が聞いた話だと、あり得ないことだが、オリラが犯人だと噂されていたそうだ」
「彼女には不可能よ、離縁してから家から出たのは、マリエルの葬儀だもの」
「そうですか…では、誰が?」
「まだ調べているところだ、一つ伝えておくが、その中に君の義母であるリリー・ユーフレットも含まれている」
ダリアは口を開こうとしたが、そのまま音にすらならなかった。
「調べを続けてもいいか?」
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