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覚悟4
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「ですが、様子は伺いに行ってみます」
リアンスは二人を見た時に、どう感じるのか分からなかった。
「それがいいな、親子鑑定は頼むことは可能なのだろうか?」
「ああ、可能だ」
「秘密裏に調べるとことも出来るだろうが、目の前で行った方がいいだろうな」
「ああ」
勝手に調べたとしても、浸透していないことなので、デタラメだと言い出すかもしれない。
ローザ公爵は頷いて、スノーを見つめた。
「それで息子との婚約は受けて貰えるのだろうか」
「はい、望まれるのであれば、お受けしたいと思っております」
「ランドマーク侯爵家からでもいいか?」
「お祖父様?」
何も聞いていなかったスノーはその言葉に驚き、アンリを見たが、アンリはスノーに向かって一つ頷いた。
「スノーが望まれたんだ、レリリス伯爵家でなくてもいいだろう?」
「うちはどちらでも構わない」
「では、ランドマーク侯爵家にスノーは移す」
「お祖父様、それはなりません」
「レリリス伯爵家はレピアのせいで、問題を起こされたら堪らない。これはローザ公爵家のためでもある。息子もその方がいいと言ってくれている」
現ランドマーク侯爵も、賛成していると言われれば、スノーに断る理由はない。
「分かりました」
「こちらで手続きをしてから、そちらに伺う」
「よろしく頼む」
ついにスノーとリアンスの婚約は結ばれることになった。
「スノー嬢、よろしくお願いする。これでようやく名前を呼んで貰えるな」
「はい、リアンス様」
「スノー嬢の事情を明かしてくれて、とても納得している」
「申し訳ありませんでした…本当ならば誰にも言うつもりはなかったのです。あの日、私が見た人で、知らない方はようやくいなくなったので、覚悟も決まりました」
リアンスは人の顔を覚えているために、ずっと誰か分からないまま過ごしていたのだと感じた。
「待ってくれ、御者も見付かったのか?」
「はい、見付かりましたが、彼は間違ったことも、知らされないままだったのだと思います。カーラの手紙には書いてありませんでした」
「生きているのか?」
「はい、ですので髪色を戻したのです。彼で最後でしたので」
「そうだったのか…」
ブロンドに憧れがあったリアンスは、スノーがブロンドだったことに嬉しく思ったが、深い理由がったことに反省をした。
「罰は望まないのか?」
「はい、置き去りにはされましたが、事情は分かりましたから」
「フリュエル公爵の茶会なんだよ」
リアンスの又従妹、ルーナの家である。
「そうだったのか…」
「スノーがいいなら、トイズのこともあるから、公にする必要はないだろう」
「そうだな」
「では、また婚約の際に話そうではないか」
そう言って、その日は解散になった。リアンスとバークスは嬉しさと、複雑な気持ちを抱えて、帰って行った。
「レリリス伯爵にはこちらで話をしておくから、スノーは来なくていい」
「よろしいのですか」
「話しても仕方ないだろう」
「叔父様には…」
関りがないわけではなかったが、親しいとは言えない叔父である二人の息子には、どう思われてるのか今でもよく分からなかった。
「大丈夫だ、あれもスノーのことは気にしている。あと、私たちの娘ということにするから、あれはスノーの兄になるぞ?」
「え?」
「ローザ公爵は、どちらでもいいと言っているのだから、その方がいいだろう?」
「よろしくお願いいたします」
スノーは祖父に任せることにして、オブレオとアンリがレリリス伯爵家と話をすることになった。
「レピアの件では、大変申し訳ありませんでした」
「申し訳ございません」
「近付いてはいないな?」
「はい、さすがに分かっているようです」
この場にはオールとファイラ、そして嫡男である兄・グリーがいる。妹・レピアには知らされてすらいない。
リアンスは二人を見た時に、どう感じるのか分からなかった。
「それがいいな、親子鑑定は頼むことは可能なのだろうか?」
「ああ、可能だ」
「秘密裏に調べるとことも出来るだろうが、目の前で行った方がいいだろうな」
「ああ」
勝手に調べたとしても、浸透していないことなので、デタラメだと言い出すかもしれない。
ローザ公爵は頷いて、スノーを見つめた。
「それで息子との婚約は受けて貰えるのだろうか」
「はい、望まれるのであれば、お受けしたいと思っております」
「ランドマーク侯爵家からでもいいか?」
「お祖父様?」
何も聞いていなかったスノーはその言葉に驚き、アンリを見たが、アンリはスノーに向かって一つ頷いた。
「スノーが望まれたんだ、レリリス伯爵家でなくてもいいだろう?」
「うちはどちらでも構わない」
「では、ランドマーク侯爵家にスノーは移す」
「お祖父様、それはなりません」
「レリリス伯爵家はレピアのせいで、問題を起こされたら堪らない。これはローザ公爵家のためでもある。息子もその方がいいと言ってくれている」
現ランドマーク侯爵も、賛成していると言われれば、スノーに断る理由はない。
「分かりました」
「こちらで手続きをしてから、そちらに伺う」
「よろしく頼む」
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「スノー嬢、よろしくお願いする。これでようやく名前を呼んで貰えるな」
「はい、リアンス様」
「スノー嬢の事情を明かしてくれて、とても納得している」
「申し訳ありませんでした…本当ならば誰にも言うつもりはなかったのです。あの日、私が見た人で、知らない方はようやくいなくなったので、覚悟も決まりました」
リアンスは人の顔を覚えているために、ずっと誰か分からないまま過ごしていたのだと感じた。
「待ってくれ、御者も見付かったのか?」
「はい、見付かりましたが、彼は間違ったことも、知らされないままだったのだと思います。カーラの手紙には書いてありませんでした」
「生きているのか?」
「はい、ですので髪色を戻したのです。彼で最後でしたので」
「そうだったのか…」
ブロンドに憧れがあったリアンスは、スノーがブロンドだったことに嬉しく思ったが、深い理由がったことに反省をした。
「罰は望まないのか?」
「はい、置き去りにはされましたが、事情は分かりましたから」
「フリュエル公爵の茶会なんだよ」
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「そうだったのか…」
「スノーがいいなら、トイズのこともあるから、公にする必要はないだろう」
「そうだな」
「では、また婚約の際に話そうではないか」
そう言って、その日は解散になった。リアンスとバークスは嬉しさと、複雑な気持ちを抱えて、帰って行った。
「レリリス伯爵にはこちらで話をしておくから、スノーは来なくていい」
「よろしいのですか」
「話しても仕方ないだろう」
「叔父様には…」
関りがないわけではなかったが、親しいとは言えない叔父である二人の息子には、どう思われてるのか今でもよく分からなかった。
「大丈夫だ、あれもスノーのことは気にしている。あと、私たちの娘ということにするから、あれはスノーの兄になるぞ?」
「え?」
「ローザ公爵は、どちらでもいいと言っているのだから、その方がいいだろう?」
「よろしくお願いいたします」
スノーは祖父に任せることにして、オブレオとアンリがレリリス伯爵家と話をすることになった。
「レピアの件では、大変申し訳ありませんでした」
「申し訳ございません」
「近付いてはいないな?」
「はい、さすがに分かっているようです」
この場にはオールとファイラ、そして嫡男である兄・グリーがいる。妹・レピアには知らされてすらいない。
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