【完結】試される愛の果て

野村にれ

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事実3

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「リリーがトイズに媚薬を盛り、あなたの子どもだと匂わせていたなんて…」
「そうしてでも、繋ぎ止めたかったのかもしれませんね」

 カーラの手紙にトイズがリリーに興奮剤を飲まされて、性行為を行われたことが書かれていた。そのことをユーフレット侯爵にバレてもいいのかと、会うことを要求されていたそうだ。

 そして、メリーアンはあなたの子かもしれないと言われていた。

 ふざけるなと取り合わなかったが、女性でも無理矢理、性行為を行われたことは、罪になる。妻子のことを考えて訴えなかったが、訴えるべきだったかと、ずっと思っていたこと。

「だが、リリーが調べたとは考えられない。そうなると、何かユーフレット侯爵である何か確実なものがあるのか?」
「そうかもしれませんが、メリーアン夫人とダリア様の子どもで答えが出るとでも、思っているのかもしれません」
「っな!」

 血縁関係が近過ぎると、遺伝性疾患の可能性が上がる。

 死産となる場合もあり、目が見えない、耳が聞こえない、その他にも臓器に疾患があることも多いとされている。

 それを証明にしようとしているのであれば、恐ろしいとしか言いようがない。

「そんなこと…許されないわ」
「彼女なりの復讐かもしれません」
「トイズに?」
「ユーフレット侯爵にもかもしれません、後は実家とか?」

 無理矢理に嫁がされたのであれば、実家を恨んでいる可能性はある。

「もしくはトイズ様の言う運命に任せたのかもしれませんね。明らかにトイズ様や、ユーフレット侯爵に似ていたら、違ったのかもしれませんけど」

 3人に重苦しい空気が流れた。

「だが媚薬はトイズが亡くなった後も要求されているのは、どういうことだ?本当にユーフレット侯爵にも?」
「まさかダリア様ということは、ありませんよね?」
「何を言っている」
「は?」
「二人は似ているのですよね?私は人より、その気持ちが薄いのですが、似ているのであれば…トイズ様が亡き後はダリア様を代わりに…あり得ませんよね?」

 トイズに執着したように、誰かに執着するとしたら、ダリアではないかと思ったが、年が離れすぎている。さすがに何かあったとしたら、ダリアはメリーアンとは結婚しないだろう。

「まさかメリーアンと想い合ったから、もう必要なくなったと?」
「考えたくはないが、筋は通るな」
「え…」

 再び重苦しい空気が流れた。

「知らないままの方が良かったのでしょうか…」
「答えが出ることではないな…もし兄と妹だったら、醜聞だ!なんて話ではない」
「出産を待つしかないと言っても、何事もなく出産して、もし不自由があったからと、兄妹だとは言い切れないわよね」
「はい…やはり調べるしかないということでしょうか。お祖父様、ちなみに兄妹は調べられるのですか?」
「ああ、調べることは可能だ」
「でも、調べることが正解なのかよね…」

 結局、そこに行き着いてしまう。

「私の特技も生かせそうにありません」

 双子でも別人だと認識してしまうスノーには、似ているという判別が難しく、似ているかも程度になる。トイズとユーフレット侯爵をメリーアンから見付けることは出来ない。

「子どもが生まれて、リリー夫人はどうするのでしょうか?」
「今さら、明かすようなことはしないでしょうね」
「道連れにして破滅するような方ではないということですか?」
「そう言われると分からないわ」
「万が一、メリーアン夫人やダリア殿に言ったら、大変なことになるのではないか」

 再び重苦しい空気が流れ、事実を知っても迷い込んだままだった。

「そもそも、始まりはローザ公爵令息様なんですよね」
「そうとも言えるわね」
「相談してみましょうか」
「リアンス殿にか?」
「もし、私と婚約する気がまだあるのなら、聞いて貰わなくては気が済みません」
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