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意向
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パーデュラスに残ったのは、リアンスとメリーアン。今日のことは、婚約者となる彼にも伝えている。
「頑なだとは聞いていたけど…分からなくもないから、強くは言えないけど」
「強く言っていたじゃないか」
「そんなことないわ。押し切れないかなとは思ったけど。で、ランドマーク前侯爵夫人が指導したってことなのよね?」
「ああ、教師も付いていたのかもしれないが、そういうことだと思う」
「祖母となると、古い考えを正しいと教えられても、仕方ないでしょうね」
母の世代でも昔ながらの考えを持つ者がいるが、私の母は柔軟な考えであったために味方になってくれた。祖母の世代になるともっと増える。
メリーアンの祖母も選民意識が強く、見下すような発言も多い。だからこそスノー嬢の言っていることも理解はしている。
自身も祖母に教育を受けていたら、私もスノー嬢のような考えになっていたかもしれない。いや、それでも、結局は気持ちは抑えきれなかったかもしれない。
きっとスノー嬢は祖母の考えを強く信じたか、本人にも素質があったのだろう。でなければ、ランドマーク侯爵家から離れた時に無視してしまえばいい。
私は父にはなかなか認めて貰えなかったが、とても運が良かった。そう思った。
「でも本当の祖母ではないのよね…もしかしたら、随分と厳しくされたのかもしれないわね」
「私もそう思っていたところだよ」
ランドマーク前侯爵夫人は元公爵令嬢で、厳しい方だと聞いている。もしかしたら血の繋がりがないからと、厳しく接していた可能性もある。
事情があったのだろうが、レリリス伯爵家の祖父母ではなく、母親が育った子爵家でもなく、なぜ祖父であるランドマーク侯爵家だったのかも分からない。
最終的にはランドマーク侯爵家に話をしに行くのが良いかもしれないと考えているが、それはせめて卒業してからの方がいいだろう。
「リアンスが酷く嫌われている可能性はないのよね?」
「ないと思いたいが…そう見えたか?」
「嫌っているという感じではないわね…爵位を気にしているだと思うわ。このまま時間を掛けた方がいいかもしれないわね。私の発表が早く出来ると良いのだけど…そうしたらコソコソしなくてもいいでしょう?」
「メリーも色々言われるだろうから、私のことは気にしなくていい」
「覚悟の上だから大丈夫よ!だから何でも言ってね」
「確かにメリーのことが発表になってからの方が、動き易くはなるな」
リアンスとメリーアンは完全に、婚約は解消したことをアピールすることが出来る。これからはリアンスよりもメリーアンと新しい婚約者の方が、どうしてなのかと言われることだろう。
「そうでしょう、もう少し待ってね」
そう言ったメリーアンは吹っ切れた顔をしていて、何を言われても構わない、ようやく掴んだ未来のためなら、怖いものなどないのだろうとリアンスは思った。
そして、リアンスとメリーアンは卒業を迎えた。
学園で会うことが出来なくなり、リアンスはスノーと連絡が取れなくなってしまったが、スノーはこれで解放されるだろうと安易に思っていた。
だがスノーの又従姉妹であるルーナ・フリュエル公爵令嬢の名前で、スノーと連絡を取ることになってしまった。
ルーナは一つ年下で、侯爵家嫡男の婚約者がいる。スノーは知り合いですらなかったのだが、ルーナもお従兄様をよろしくと、挨拶に来られてしまい、今後はルーナの名前で手紙を送ることになった。
家族と距離があっても、公爵家からの手紙を無碍にすることは出来ないので、スノーの元へきちんと届くだろうというリアンスの思惑もあった。
おかげで卒業しても、スノーが解放されることはなかった。
新たな年になり、学園にはスノーの妹であるレピアが入学し、一ヶ月が過ぎる頃に、メリーアンと、ダリア・オスレ伯爵令息の婚約がついに発表された。
「頑なだとは聞いていたけど…分からなくもないから、強くは言えないけど」
「強く言っていたじゃないか」
「そんなことないわ。押し切れないかなとは思ったけど。で、ランドマーク前侯爵夫人が指導したってことなのよね?」
「ああ、教師も付いていたのかもしれないが、そういうことだと思う」
「祖母となると、古い考えを正しいと教えられても、仕方ないでしょうね」
母の世代でも昔ながらの考えを持つ者がいるが、私の母は柔軟な考えであったために味方になってくれた。祖母の世代になるともっと増える。
メリーアンの祖母も選民意識が強く、見下すような発言も多い。だからこそスノー嬢の言っていることも理解はしている。
自身も祖母に教育を受けていたら、私もスノー嬢のような考えになっていたかもしれない。いや、それでも、結局は気持ちは抑えきれなかったかもしれない。
きっとスノー嬢は祖母の考えを強く信じたか、本人にも素質があったのだろう。でなければ、ランドマーク侯爵家から離れた時に無視してしまえばいい。
私は父にはなかなか認めて貰えなかったが、とても運が良かった。そう思った。
「でも本当の祖母ではないのよね…もしかしたら、随分と厳しくされたのかもしれないわね」
「私もそう思っていたところだよ」
ランドマーク前侯爵夫人は元公爵令嬢で、厳しい方だと聞いている。もしかしたら血の繋がりがないからと、厳しく接していた可能性もある。
事情があったのだろうが、レリリス伯爵家の祖父母ではなく、母親が育った子爵家でもなく、なぜ祖父であるランドマーク侯爵家だったのかも分からない。
最終的にはランドマーク侯爵家に話をしに行くのが良いかもしれないと考えているが、それはせめて卒業してからの方がいいだろう。
「リアンスが酷く嫌われている可能性はないのよね?」
「ないと思いたいが…そう見えたか?」
「嫌っているという感じではないわね…爵位を気にしているだと思うわ。このまま時間を掛けた方がいいかもしれないわね。私の発表が早く出来ると良いのだけど…そうしたらコソコソしなくてもいいでしょう?」
「メリーも色々言われるだろうから、私のことは気にしなくていい」
「覚悟の上だから大丈夫よ!だから何でも言ってね」
「確かにメリーのことが発表になってからの方が、動き易くはなるな」
リアンスとメリーアンは完全に、婚約は解消したことをアピールすることが出来る。これからはリアンスよりもメリーアンと新しい婚約者の方が、どうしてなのかと言われることだろう。
「そうでしょう、もう少し待ってね」
そう言ったメリーアンは吹っ切れた顔をしていて、何を言われても構わない、ようやく掴んだ未来のためなら、怖いものなどないのだろうとリアンスは思った。
そして、リアンスとメリーアンは卒業を迎えた。
学園で会うことが出来なくなり、リアンスはスノーと連絡が取れなくなってしまったが、スノーはこれで解放されるだろうと安易に思っていた。
だがスノーの又従姉妹であるルーナ・フリュエル公爵令嬢の名前で、スノーと連絡を取ることになってしまった。
ルーナは一つ年下で、侯爵家嫡男の婚約者がいる。スノーは知り合いですらなかったのだが、ルーナもお従兄様をよろしくと、挨拶に来られてしまい、今後はルーナの名前で手紙を送ることになった。
家族と距離があっても、公爵家からの手紙を無碍にすることは出来ないので、スノーの元へきちんと届くだろうというリアンスの思惑もあった。
おかげで卒業しても、スノーが解放されることはなかった。
新たな年になり、学園にはスノーの妹であるレピアが入学し、一ヶ月が過ぎる頃に、メリーアンと、ダリア・オスレ伯爵令息の婚約がついに発表された。
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