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生徒会
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生徒会室でも、オマリーのことで持ちきりであった。
「当然ですね」
「やり直した方が彼女にもいいのではありませんか」
成績優秀者であるため、教育不足ということは言われてはいないが、そういうことだろうと皆が察することである。
まさか解読のことで、ヨルレアンを怒らせたとは誰も思っていない。
「書記はどうするかとなっているが、サージ・ロックスどうだろうか?」
既に抜けている状況であるために、程度は分かっているが、一番困るだろうサージにエルドールは問い掛けた。
「忙しい時だけ、どなたかに手伝っていただければと思います」
生徒会は二年生の一年間だけとしており、すでに半分は過ぎている。
追加ということも希望があれば考えようと思っていたが、選ぶならば二年生からとなり、当てがあるわけではなかったので、それでいいと考えてもいた。
そもそも、生徒会長と副会長、書記と会計は二名、広報は一人だが、顧問もいるので、一人抜けても大丈夫なようにしてある。
「そうか、では大変な時は遠慮なく言ってくれ」
「はい、お願いします」
そうして、生徒会は時折、カイロスの妹・リスカーダが手伝いに来て、まるで最初からオマリーはいなかったかのように、円滑に進み始めた。
晴れ晴れしたエルドールたちとは違い、リスカーダは邸でカイロス相手にぼやいていた。
「彼女、復学するのかしら?そうなったら、私が同級生になってしまうんだけど」
「ああ、オマリー嬢か」
「お兄様、もう生徒会の一員ではないのだから、トドック男爵令嬢と言うべきよ」
「すまない、そうだな」
「そういうところですわよ」
第一子で大事に育てられたせいなのか、どこかぼんやりしているカイロスにビシビシ注意をするリスカーダは、まるで姉のようにしっかり者である。
「気を付ける」
「しっかりしてくださいませ。それで、同級生になるのが、嫌なんだけど」
「わざわざ公爵令嬢に絡んでくることはないだろう。二度と生徒会にも選ばれることはないだろうし」
「そうかしら?」
既に手伝いをしているリスカーダが、次の生徒会に選ばれるのは、爵位的にも成績優秀者としても、まず間違いない状況である。
「そこまで愚かだったら、すぐに退学になるはずだ」
カイロスとローズマリーは、エルドールから何があったか聞いており、ローズマリーは『恥知らずの男好きが!』と小声で言い、怒りで目が吊り上がっていた。
ヨルレアンが次はないと言ったことから、次は厳しい目で見られることになる。
「それはそうだけど…嫌な気分よね」
「関わらなければいい、何かあったら言いなさい」
「頼りなさ抜群ね」
兄が頼りになると思ったことは近年ない。ジャスミンとのことも呆れることばかりで、しかも自覚がないところが厄介で、そんな兄をじっとりとした目で見つめるしかなかった。
「オズラール公爵令嬢もいらっしゃらないし」
「リスカもオズラール公爵令嬢に憧れているのか?」
「はあ?当たり前じゃない、あの美しさを秘められた佇まいに、あの頭脳よ。憧れるなって方が難しいわ」
今日一番の大きな声で怒鳴られ、カイロスはビクリとした。
「ローズマリー嬢も同じようなことを言っていた。ジャスミンもそうなのだろうか」
「ジャスミン様は、一目置いている。尊敬されているのではないかしら?」
「ジャスミンが?」
「当たり前じゃない、あの方は特別だと高位貴族は理解しているの」
「それはそうだけど…」
カイロスは、エルドールにも言えるのだが、令嬢たちの方が同じ女性として、ヨルレアンの存在を正しく理解していると言える。
「はあ…気が重いわね」
「そう気負うことはないさ」
「説得力もないわね」
リスカーダの憂鬱さを残しながら、時は流れ、エルドールたちは三年生になった。
「当然ですね」
「やり直した方が彼女にもいいのではありませんか」
成績優秀者であるため、教育不足ということは言われてはいないが、そういうことだろうと皆が察することである。
まさか解読のことで、ヨルレアンを怒らせたとは誰も思っていない。
「書記はどうするかとなっているが、サージ・ロックスどうだろうか?」
既に抜けている状況であるために、程度は分かっているが、一番困るだろうサージにエルドールは問い掛けた。
「忙しい時だけ、どなたかに手伝っていただければと思います」
生徒会は二年生の一年間だけとしており、すでに半分は過ぎている。
追加ということも希望があれば考えようと思っていたが、選ぶならば二年生からとなり、当てがあるわけではなかったので、それでいいと考えてもいた。
そもそも、生徒会長と副会長、書記と会計は二名、広報は一人だが、顧問もいるので、一人抜けても大丈夫なようにしてある。
「そうか、では大変な時は遠慮なく言ってくれ」
「はい、お願いします」
そうして、生徒会は時折、カイロスの妹・リスカーダが手伝いに来て、まるで最初からオマリーはいなかったかのように、円滑に進み始めた。
晴れ晴れしたエルドールたちとは違い、リスカーダは邸でカイロス相手にぼやいていた。
「彼女、復学するのかしら?そうなったら、私が同級生になってしまうんだけど」
「ああ、オマリー嬢か」
「お兄様、もう生徒会の一員ではないのだから、トドック男爵令嬢と言うべきよ」
「すまない、そうだな」
「そういうところですわよ」
第一子で大事に育てられたせいなのか、どこかぼんやりしているカイロスにビシビシ注意をするリスカーダは、まるで姉のようにしっかり者である。
「気を付ける」
「しっかりしてくださいませ。それで、同級生になるのが、嫌なんだけど」
「わざわざ公爵令嬢に絡んでくることはないだろう。二度と生徒会にも選ばれることはないだろうし」
「そうかしら?」
既に手伝いをしているリスカーダが、次の生徒会に選ばれるのは、爵位的にも成績優秀者としても、まず間違いない状況である。
「そこまで愚かだったら、すぐに退学になるはずだ」
カイロスとローズマリーは、エルドールから何があったか聞いており、ローズマリーは『恥知らずの男好きが!』と小声で言い、怒りで目が吊り上がっていた。
ヨルレアンが次はないと言ったことから、次は厳しい目で見られることになる。
「それはそうだけど…嫌な気分よね」
「関わらなければいい、何かあったら言いなさい」
「頼りなさ抜群ね」
兄が頼りになると思ったことは近年ない。ジャスミンとのことも呆れることばかりで、しかも自覚がないところが厄介で、そんな兄をじっとりとした目で見つめるしかなかった。
「オズラール公爵令嬢もいらっしゃらないし」
「リスカもオズラール公爵令嬢に憧れているのか?」
「はあ?当たり前じゃない、あの美しさを秘められた佇まいに、あの頭脳よ。憧れるなって方が難しいわ」
今日一番の大きな声で怒鳴られ、カイロスはビクリとした。
「ローズマリー嬢も同じようなことを言っていた。ジャスミンもそうなのだろうか」
「ジャスミン様は、一目置いている。尊敬されているのではないかしら?」
「ジャスミンが?」
「当たり前じゃない、あの方は特別だと高位貴族は理解しているの」
「それはそうだけど…」
カイロスは、エルドールにも言えるのだが、令嬢たちの方が同じ女性として、ヨルレアンの存在を正しく理解していると言える。
「はあ…気が重いわね」
「そう気負うことはないさ」
「説得力もないわね」
リスカーダの憂鬱さを残しながら、時は流れ、エルドールたちは三年生になった。
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