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対峙
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「そうなのか?それで頼めるか?ローズマリー嬢で、許可を取ってあるから」
「勿論です、何に代えてもきちんとお渡しして来ます」
「すまないな」
「いえ、もう向かった方がいいですか?」
「ああ、応接室に準備してあるから、訪ねて運んで貰ってくれ」
「承知しました」
生徒会室には他の者もいたが、小声で話していたので、そのままローズマリーはお先に失礼しますと、帰って行くことになった。
その様子をオマリーは、信じられない気持ちで見つめ、しばらくしてから思わず飛び出した。
廊下に出たオマリーは、ローズマリーを探した。すると、逆側の廊下にローズマリーが、男性たちと一緒に歩いているのが見えた。
「シレラーダ様!」
オマリーは何を勘違いしたのか、ローズマリーさんと呼んだことがあったが、ローズマリーはシレラーダと呼んでくださいと言われているのである。
先回りして、ローズマリーの前にオマリーは立ち塞がった。
「トドックさん、何か用事ですか?」
「はい、あの、殿下に何か頼まれたんですよね?」
ローズマリーは早く無事に届けたいという使命を抱えており、煩わしいことこの上ない状況であった。
「だったら、何ですか?」
「私が代わります!」
「何を言っているの?」
何かあるのだろうと思ったが、まさか代わると言い出すとは思わなかった。
「ですから、シレラーダ様が頼まれたことを私が代わります」
「何を、頼まれたか知っているの?」
「それは…でも、私の方がいいと思います。ですから代わってください。お願いします」
オマリーは笑顔で言い放ち、頭を下げたが、ローズマリーは改めてオマリーをおかしい、気味が悪いと実感した。
「許可は取っているの?」
「大丈夫です、殿下には後からきちんと話しますから、分かってくれるはずです」
殿下も後から伝えても問題ではあるが、それ以上に何をするかも分かっていないのに、大丈夫と言えるオマリーが信じられなかった。
この女は何も分かっていない。だが、わざわざ教える気もない。
「そうではありません、これから向かう先方にです」
相手を伝える気はないが、向かうことくらいは言ってもいいだろうと判断した。
「先方?それは伺ってから…伝えれば…」
「最悪、拘束されるような場所ですよ?」
オマリーは不思議そうな顔をしており、そんな場所があるのかとでも思っているのだろうと、だがこの女に時間を割いている暇はない。
「伺ってからなんて無理に決まっているでしょう!あなたは身分を舐め過ぎです!私は急いでいるのです、このことは報告をさせていただきますから」
「え…でも、私は殿下に頼りにされているのです」
馬鹿じゃないのか、いくら勉強が出来ても、訳の分からないことを言って、おかしな行動をしていることが分かっていないのか。
「はあ…あなたはこれから行く場所に通されることはありません!」
「シレラーダ様も、私を男爵令嬢だからと言うのですか!」
その通りだが、そんなことを言っても仕方がない。私だって、なかなか通して貰える場所ではない。
「信用の問題です!」
「酷いです!」
「酷いのは、私を阻むあなたの方です!いい加減にしてください。申し訳ございません、参りましょう」
ローズマリーは運んで貰っている方々に謝罪し、オマリーを突っ切ることにした。オマリーは待ってくださいと言っていたが、無視して馬車に向かった。
着いたのはオズラール公爵邸であった。
「エルドール殿下に頼まれて参りました、ローズマリー・シレラーダでございます」
待っていたのは執事らしき人物であったが、ローズマリーはカーテシーを行った。
「シレラーダ様、ようこそお越しくださいました。ご案内いたします」
「はい、よろしくお願いいたします」
そして、通された先にはローズマリーには、目の毒とも言うべき、美しきヨルレアン・オズラールが待っていた。
「勿論です、何に代えてもきちんとお渡しして来ます」
「すまないな」
「いえ、もう向かった方がいいですか?」
「ああ、応接室に準備してあるから、訪ねて運んで貰ってくれ」
「承知しました」
生徒会室には他の者もいたが、小声で話していたので、そのままローズマリーはお先に失礼しますと、帰って行くことになった。
その様子をオマリーは、信じられない気持ちで見つめ、しばらくしてから思わず飛び出した。
廊下に出たオマリーは、ローズマリーを探した。すると、逆側の廊下にローズマリーが、男性たちと一緒に歩いているのが見えた。
「シレラーダ様!」
オマリーは何を勘違いしたのか、ローズマリーさんと呼んだことがあったが、ローズマリーはシレラーダと呼んでくださいと言われているのである。
先回りして、ローズマリーの前にオマリーは立ち塞がった。
「トドックさん、何か用事ですか?」
「はい、あの、殿下に何か頼まれたんですよね?」
ローズマリーは早く無事に届けたいという使命を抱えており、煩わしいことこの上ない状況であった。
「だったら、何ですか?」
「私が代わります!」
「何を言っているの?」
何かあるのだろうと思ったが、まさか代わると言い出すとは思わなかった。
「ですから、シレラーダ様が頼まれたことを私が代わります」
「何を、頼まれたか知っているの?」
「それは…でも、私の方がいいと思います。ですから代わってください。お願いします」
オマリーは笑顔で言い放ち、頭を下げたが、ローズマリーは改めてオマリーをおかしい、気味が悪いと実感した。
「許可は取っているの?」
「大丈夫です、殿下には後からきちんと話しますから、分かってくれるはずです」
殿下も後から伝えても問題ではあるが、それ以上に何をするかも分かっていないのに、大丈夫と言えるオマリーが信じられなかった。
この女は何も分かっていない。だが、わざわざ教える気もない。
「そうではありません、これから向かう先方にです」
相手を伝える気はないが、向かうことくらいは言ってもいいだろうと判断した。
「先方?それは伺ってから…伝えれば…」
「最悪、拘束されるような場所ですよ?」
オマリーは不思議そうな顔をしており、そんな場所があるのかとでも思っているのだろうと、だがこの女に時間を割いている暇はない。
「伺ってからなんて無理に決まっているでしょう!あなたは身分を舐め過ぎです!私は急いでいるのです、このことは報告をさせていただきますから」
「え…でも、私は殿下に頼りにされているのです」
馬鹿じゃないのか、いくら勉強が出来ても、訳の分からないことを言って、おかしな行動をしていることが分かっていないのか。
「はあ…あなたはこれから行く場所に通されることはありません!」
「シレラーダ様も、私を男爵令嬢だからと言うのですか!」
その通りだが、そんなことを言っても仕方がない。私だって、なかなか通して貰える場所ではない。
「信用の問題です!」
「酷いです!」
「酷いのは、私を阻むあなたの方です!いい加減にしてください。申し訳ございません、参りましょう」
ローズマリーは運んで貰っている方々に謝罪し、オマリーを突っ切ることにした。オマリーは待ってくださいと言っていたが、無視して馬車に向かった。
着いたのはオズラール公爵邸であった。
「エルドール殿下に頼まれて参りました、ローズマリー・シレラーダでございます」
待っていたのは執事らしき人物であったが、ローズマリーはカーテシーを行った。
「シレラーダ様、ようこそお越しくださいました。ご案内いたします」
「はい、よろしくお願いいたします」
そして、通された先にはローズマリーには、目の毒とも言うべき、美しきヨルレアン・オズラールが待っていた。
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