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誰?
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「そうだったわ、学園にも画集のような物がありませんか?色々見ているのだけど、まだ見ていないものがないかと思っているのです」
「あるかと思います、持って来させましょう」
監督をしていた教師に、持って来るように頼み、待つことになった。
「ありがとうございます、借りても良いですか?」
「勿論でございます、是非とも役立ててください」
「はい、ありがとうございます。今日は無理を言って、申し訳ありませんでした」
「いいえ、正直、私は今でも免除でいいと思っています」
「それはいけません」
ヨルレアンは、免除までの特別待遇は好まなかった。だが休んでみて学園に通う理由がないことも実感していた。どうしたものかと思っている際に、提案された試験だけは受けるというのは、納得が出来る折衷案であった。
「オズラール公爵令嬢は、そうおっしゃることも分かっております」
学園長はずっと飛び級で卒業してしまえばいいと思っているが、ヨルレアンは余程の事情がない限り、きちんと通っていた。
今回も敢えて、通う必要はないが、定期試験だけは受けて欲しいということをオズラール公爵に伝えて、受けに来て貰ったのである。
10教科を1日で終えてしまうことを見て分かるように、教えることなどない。学園で何らかの交流があればいいが、彼女は解読を抱えており、それもままならない。
「今は解読を進めたいところなので、何もなければ試験の際に伺います」
「ええ、それで構いません。またこちらからも、お知らせしますので」
「ご配慮ありがとうございます」
「いいえ、勿体ない言葉でございます」
ヨルレアンは持って来てもらった画集から、手元にない画集を2冊借りて、帰ることになった。
「オズラール公爵令嬢っ!」
その声は好意的とは思えない呼び掛けであった。
今日は生徒ではあるが、登校したとも言えない状況であるために、侍女兼護衛と従者兼護衛が同行しており、怪訝な顔をした3人が振り返った。
「誰?」
「……え」
自分が呼び掛けて置いて、驚いていたのは、出て来るのを何度も待っていたオマリー・トドックであった。
さすがに10教科のテストを受け、目の疲れを感じていたヨルレアンは間があって、ようやくトドック男爵令嬢だと気付いた。
「何か用事かしら?」
「学園にいらっしゃらないので、心配しておりました」
「なぜ?」
「え?」
「どうして話したこともない、あなたに心配されるの?」
ヨルレアンとオマリーは、この前のエルドールの理不尽な会話の際は、言葉を交わしておらず、初めての会話である。オマリーに心配される理由が、ヨルレアンには全く分からなかった。
「クラスメイトですから」
「そう…」
オマリーは当たり前じゃないかという口振りで答えたが、ヨルレアンは分からないままだったが、話をするつもりはなかった。
「で、もういいかしら?引き留めるような要件でもあるの?」
「っ、い、いえ。心配していたことを伝えたかったので…」
「そう。では、失礼しますわね」
ヨルレアンたちは歩き出し、オマリーは立ち尽くすことになった。
そんなことは知らないエルドールとカイロスは、試験が終わったことを教師から聞き、出入り口で待ち構えていた。
「ヨルレアン嬢、お疲れ様だったね」
「ええ、疲れましたわ」
「そうか、一言、声を掛けたかっただけなんだ」
「それはありがとうございます」
「何か力になれることがあったら言ってくれ」
「力…そうですか?」
「ああ!何かあるかい?」
ヨルレアンは従者に紙とペンを借りて、そこへオールエドリレット、もしくはオールドリゥドレットと書いた。
「この名前で何か資料があれば教えてください」
「ああ、分かった。調べてみよう」
「よろしくお願いいたします」
まだ正しいかも分からないために、公に調べる段階ではないが、使える者は使おうと思い、エルドールに頼むことにした。
「あるかと思います、持って来させましょう」
監督をしていた教師に、持って来るように頼み、待つことになった。
「ありがとうございます、借りても良いですか?」
「勿論でございます、是非とも役立ててください」
「はい、ありがとうございます。今日は無理を言って、申し訳ありませんでした」
「いいえ、正直、私は今でも免除でいいと思っています」
「それはいけません」
ヨルレアンは、免除までの特別待遇は好まなかった。だが休んでみて学園に通う理由がないことも実感していた。どうしたものかと思っている際に、提案された試験だけは受けるというのは、納得が出来る折衷案であった。
「オズラール公爵令嬢は、そうおっしゃることも分かっております」
学園長はずっと飛び級で卒業してしまえばいいと思っているが、ヨルレアンは余程の事情がない限り、きちんと通っていた。
今回も敢えて、通う必要はないが、定期試験だけは受けて欲しいということをオズラール公爵に伝えて、受けに来て貰ったのである。
10教科を1日で終えてしまうことを見て分かるように、教えることなどない。学園で何らかの交流があればいいが、彼女は解読を抱えており、それもままならない。
「今は解読を進めたいところなので、何もなければ試験の際に伺います」
「ええ、それで構いません。またこちらからも、お知らせしますので」
「ご配慮ありがとうございます」
「いいえ、勿体ない言葉でございます」
ヨルレアンは持って来てもらった画集から、手元にない画集を2冊借りて、帰ることになった。
「オズラール公爵令嬢っ!」
その声は好意的とは思えない呼び掛けであった。
今日は生徒ではあるが、登校したとも言えない状況であるために、侍女兼護衛と従者兼護衛が同行しており、怪訝な顔をした3人が振り返った。
「誰?」
「……え」
自分が呼び掛けて置いて、驚いていたのは、出て来るのを何度も待っていたオマリー・トドックであった。
さすがに10教科のテストを受け、目の疲れを感じていたヨルレアンは間があって、ようやくトドック男爵令嬢だと気付いた。
「何か用事かしら?」
「学園にいらっしゃらないので、心配しておりました」
「なぜ?」
「え?」
「どうして話したこともない、あなたに心配されるの?」
ヨルレアンとオマリーは、この前のエルドールの理不尽な会話の際は、言葉を交わしておらず、初めての会話である。オマリーに心配される理由が、ヨルレアンには全く分からなかった。
「クラスメイトですから」
「そう…」
オマリーは当たり前じゃないかという口振りで答えたが、ヨルレアンは分からないままだったが、話をするつもりはなかった。
「で、もういいかしら?引き留めるような要件でもあるの?」
「っ、い、いえ。心配していたことを伝えたかったので…」
「そう。では、失礼しますわね」
ヨルレアンたちは歩き出し、オマリーは立ち尽くすことになった。
そんなことは知らないエルドールとカイロスは、試験が終わったことを教師から聞き、出入り口で待ち構えていた。
「ヨルレアン嬢、お疲れ様だったね」
「ええ、疲れましたわ」
「そうか、一言、声を掛けたかっただけなんだ」
「それはありがとうございます」
「何か力になれることがあったら言ってくれ」
「力…そうですか?」
「ああ!何かあるかい?」
ヨルレアンは従者に紙とペンを借りて、そこへオールエドリレット、もしくはオールドリゥドレットと書いた。
「この名前で何か資料があれば教えてください」
「ああ、分かった。調べてみよう」
「よろしくお願いいたします」
まだ正しいかも分からないために、公に調べる段階ではないが、使える者は使おうと思い、エルドールに頼むことにした。
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