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学園生活1
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オマリーも注意されたということだったが、生徒会室に戻ったエルドールは周りにはジュニパー、ローズマリーがいたが、その後のことを聞くことにした。
「はい、先生が注意してくださったと聞きました」
「それで、その後はどうだ?」
「はい、言われることはなくなったと思います」
「そうか、それなら安心だな」
「はい」
ジュニパーは良かったわねと声を掛けていたが、オマリーは含みのある顔をしていたが、エルドールはやるべきことはやったと、作業に取り掛かることにした。
その日もオマリーは残ろうとしていたが、同じ書記のサージ・ロックスに、それは明後日でいいと言われていた。生徒会と言っても、勉強もあるので、忙しい場合は別だが、週に3回となっている。
「え、でも」
「急ぐ物じゃないよ」
「でも、やって置いた方が」
「いや、いいよ」
オマリーは渋々と言う顔で帰って行き、残っていたのはエルドール、カイロス、ローズマリーであった。
「殿下、オマリー嬢また何かあったのですか?」
ローズマリーもある意味、エルドールとカイロスだけにならない限り、無暗に話し掛けたりはしないが、3人だけになったので、気楽に話し掛けた。
「ああ、また令嬢に弁えろと言われたと相談されてな」
「あの調子だと、言われて当然でしょうね」
「ボディタッチか?注意して、本人も理解したようだが、癖なのか…何なのか」
「癖だとしたら、周りに異性しかいない環境だったのですかね?」
エルドールはオマリーの家族、友人までは知らないために、首を捻った。
「そうだとしても、わざわざ触れる必要ありますか?」
「ないな」
「殿下にもされていましたけど、死にたいのかなって思いましたよ」
エルドールとカイロスは、さすがにローズマリーの物騒な言葉にギョッとした。
「そこまでは…」
「殿下は大丈夫だと思っていても、毒でも持っていたら?と思われたら、護衛が斬りかかってもおかしくはないでしょう?」
「それはそうだが…」
護衛は行き来には同行するが、学園内にはいない。だが、警備が配置されている。
「もしかしたら、働く気ではなく、皆に行ってみて、好意を持ってくれた人と婚約する気なのでしょうか?」
カイロスが真面目な顔で、言い放った。
「でも、そういう人だって、周りにボディタッチをすると思われているような令嬢と結婚しますか?」
「だが、同じような爵位なら、それでもやっていけるんじゃないか」
カイロスはオマリーは男爵令嬢だから、婚約するのなら平民か、男爵家か、子爵家の令息と結婚するのだろうという考えであった。
「でも、彼女、男爵家の令息には多分、近付いてもいませんよ」
「令息に婚約者がいないのなら、悪いことではないと思うが…」
エルドールも、母が言っていたように成績優秀者と婚約をしたい、優秀ならスカウトしたいということは知っていた。
だが、結婚も仕事も成績優秀者だったからというだけではやってはいけない。
学園で出会って婚約する、結婚するということはあるため、オマリーが働くつもりではなく、婚約したいのであれば、そうとも取れる行動ではある。
「立場を弁えていればですけどね?」
「ああ…私たちも親近感を与え過ぎたかと思っていたところだ」
「殿下もディンジャー様も、優しくしてくれたのが、嬉しかったのでしょうね」
その優しさと引き換えにしていいほど、向かっていく相手として危険過ぎることが理解が出来ていない。
だが、ローズマリーも友人でもないので、余程のことがあったなら別だが、口を出すことはしなかった。
伯爵令嬢のローズマリーですら、王子、公爵令息に公爵令嬢、侯爵令嬢、1人でも不味いのに、この4人を敵に回したら終わる。
エルドールもカイロスも、愚かではないと思っていたので、静観していた。
「はい、先生が注意してくださったと聞きました」
「それで、その後はどうだ?」
「はい、言われることはなくなったと思います」
「そうか、それなら安心だな」
「はい」
ジュニパーは良かったわねと声を掛けていたが、オマリーは含みのある顔をしていたが、エルドールはやるべきことはやったと、作業に取り掛かることにした。
その日もオマリーは残ろうとしていたが、同じ書記のサージ・ロックスに、それは明後日でいいと言われていた。生徒会と言っても、勉強もあるので、忙しい場合は別だが、週に3回となっている。
「え、でも」
「急ぐ物じゃないよ」
「でも、やって置いた方が」
「いや、いいよ」
オマリーは渋々と言う顔で帰って行き、残っていたのはエルドール、カイロス、ローズマリーであった。
「殿下、オマリー嬢また何かあったのですか?」
ローズマリーもある意味、エルドールとカイロスだけにならない限り、無暗に話し掛けたりはしないが、3人だけになったので、気楽に話し掛けた。
「ああ、また令嬢に弁えろと言われたと相談されてな」
「あの調子だと、言われて当然でしょうね」
「ボディタッチか?注意して、本人も理解したようだが、癖なのか…何なのか」
「癖だとしたら、周りに異性しかいない環境だったのですかね?」
エルドールはオマリーの家族、友人までは知らないために、首を捻った。
「そうだとしても、わざわざ触れる必要ありますか?」
「ないな」
「殿下にもされていましたけど、死にたいのかなって思いましたよ」
エルドールとカイロスは、さすがにローズマリーの物騒な言葉にギョッとした。
「そこまでは…」
「殿下は大丈夫だと思っていても、毒でも持っていたら?と思われたら、護衛が斬りかかってもおかしくはないでしょう?」
「それはそうだが…」
護衛は行き来には同行するが、学園内にはいない。だが、警備が配置されている。
「もしかしたら、働く気ではなく、皆に行ってみて、好意を持ってくれた人と婚約する気なのでしょうか?」
カイロスが真面目な顔で、言い放った。
「でも、そういう人だって、周りにボディタッチをすると思われているような令嬢と結婚しますか?」
「だが、同じような爵位なら、それでもやっていけるんじゃないか」
カイロスはオマリーは男爵令嬢だから、婚約するのなら平民か、男爵家か、子爵家の令息と結婚するのだろうという考えであった。
「でも、彼女、男爵家の令息には多分、近付いてもいませんよ」
「令息に婚約者がいないのなら、悪いことではないと思うが…」
エルドールも、母が言っていたように成績優秀者と婚約をしたい、優秀ならスカウトしたいということは知っていた。
だが、結婚も仕事も成績優秀者だったからというだけではやってはいけない。
学園で出会って婚約する、結婚するということはあるため、オマリーが働くつもりではなく、婚約したいのであれば、そうとも取れる行動ではある。
「立場を弁えていればですけどね?」
「ああ…私たちも親近感を与え過ぎたかと思っていたところだ」
「殿下もディンジャー様も、優しくしてくれたのが、嬉しかったのでしょうね」
その優しさと引き換えにしていいほど、向かっていく相手として危険過ぎることが理解が出来ていない。
だが、ローズマリーも友人でもないので、余程のことがあったなら別だが、口を出すことはしなかった。
伯爵令嬢のローズマリーですら、王子、公爵令息に公爵令嬢、侯爵令嬢、1人でも不味いのに、この4人を敵に回したら終わる。
エルドールもカイロスも、愚かではないと思っていたので、静観していた。
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