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馬鹿息子に自覚を促す1
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エルドールへの話は理解が出来ないというダズベルトに代わって、母であるオーバン王妃が行うことにした。
「母上も私が悪いと思ってらっしゃるのですか?」
「悪いというよりは、ヨルレアン嬢は何も悪くないと思っています」
「なぜですか?私が注意したことは悪いことですか?」
「あなたの独りよがりでしょう?ヨルレアン嬢に紹介してもいないのに、勝手に生徒会の一員だから、助けてやるべきだと考えたのでしょう?」
「はい」
「生徒会の一員だから知っていて当たり前だと思っていたのでしょう?」
オーバンはまずその思い込みを、指摘しなければならないと思っていた。
「そうです、そんなこと当然ではありませんか」
「では、あなたも当然、ヨルレアン嬢の周りの方を全員知っているのね?紹介していなくても」
「い、いえ…ですが」
「学園のことだから、当たり前なんて言おうとしているなら辞めて頂戴」
悔しそうな表情を浮かべるエルドールに、目的を知らなければならないと思った。
「正義感かしら?それとも、婚約を解消したくて言ったの?」
「解消しようだなんて思っていません。仲間が困っているのなら、助けたいと思ってはいけませんか?」
未だに悪いと思っていない様子のエルドールに、ダズベルトが『理解が出来ん』『何が言いたいのか分からん』と怒っていたのが、よく分かった。
「ならば、あなたもヨルレアン嬢の解読を手伝ったことがあるの?」
「え…それは」
「ないでしょう?出来ないとか、手伝えない、教えて貰っていない、助けることはヨルレアン嬢なら出来るなんて、言い訳は辞めて頂戴ね、時間の無駄だから」
オーバンはエルドールの考えを聞いていたことから、言い訳に使いそうな言葉は全て封じた。
「ですが、それが事実ではありませんか」
「では労わるくらい、あなたにも出来たわよね?していないわよね?」
「…」
「していないわよね?」
「は、い…」
「解読が大変なものかも、身に染みて分かったわよね?」
「はい…」
オーバンはダズベルトのように怒鳴るようなことはないが、逃がすことを絶対にさせてはくれない。
「それで、よくも言えたものね」
「でも、それはまだ解読をしていたとは知らなくて」
「では、ヨルレアン嬢もその男爵令嬢のことなんて知らなくていいじゃない。なのに、なぜ責められなければならなかったの?答えて頂戴」
「…爵位が低いからと、責められるのは理不尽だと思ったからです。それなのに、うるさいなどと怒鳴るなんて、注意しなくてはいけないと思って…」
「聞いていないと聞いて、ならば仕方ないと思わなかったの?その男爵令嬢にいい格好がしたかったの?」
「ち、違います」
オーバンは聞いていてヨルレアンが怒鳴ったとしても、悪いとは思わないが、そこで引けば良かったのではないだろうか。生徒会長ということもあって、格好付けたに違いないが、追い込んでも認めないだろう。
「その男爵令嬢、どうやら腕に触れたりするそうね?許可を出しているの?」
「腕?」
「ああ、呼ぶために触っただけではないでしょうか」
「はあ…」
自覚がないのは本当なのだろう、その男爵令嬢を注意するにも、エルドールに自覚をさせなくてはならない。
「ヨルレアンと話をした際に当たり前のように、その男爵令嬢の横に座って、腕を持たれたそうね?」
「そうでしたか?よく覚えていません」
「ヨルレアン嬢の立場と入れ替えて、考えなさい」
「はい?」
理解が出来ていない様子のエルドールを置いて、オーバンは話を進めた。
「あなたがヨルレアン嬢に呼ばれて行くと、なぜかクラスメイトだけど、話したこともない令息がおり、その横に当たり前のようにヨルレアン嬢が座り、あなたはヨルレアン嬢に叱られて、もういいからとその令息にヨルレアン嬢が腕を持たれ、婚約を解消するとまで言われる。どう?」
「え…?」
「気分のいいものかしら?弁えていないのは誰かしら?」
「母上も私が悪いと思ってらっしゃるのですか?」
「悪いというよりは、ヨルレアン嬢は何も悪くないと思っています」
「なぜですか?私が注意したことは悪いことですか?」
「あなたの独りよがりでしょう?ヨルレアン嬢に紹介してもいないのに、勝手に生徒会の一員だから、助けてやるべきだと考えたのでしょう?」
「はい」
「生徒会の一員だから知っていて当たり前だと思っていたのでしょう?」
オーバンはまずその思い込みを、指摘しなければならないと思っていた。
「そうです、そんなこと当然ではありませんか」
「では、あなたも当然、ヨルレアン嬢の周りの方を全員知っているのね?紹介していなくても」
「い、いえ…ですが」
「学園のことだから、当たり前なんて言おうとしているなら辞めて頂戴」
悔しそうな表情を浮かべるエルドールに、目的を知らなければならないと思った。
「正義感かしら?それとも、婚約を解消したくて言ったの?」
「解消しようだなんて思っていません。仲間が困っているのなら、助けたいと思ってはいけませんか?」
未だに悪いと思っていない様子のエルドールに、ダズベルトが『理解が出来ん』『何が言いたいのか分からん』と怒っていたのが、よく分かった。
「ならば、あなたもヨルレアン嬢の解読を手伝ったことがあるの?」
「え…それは」
「ないでしょう?出来ないとか、手伝えない、教えて貰っていない、助けることはヨルレアン嬢なら出来るなんて、言い訳は辞めて頂戴ね、時間の無駄だから」
オーバンはエルドールの考えを聞いていたことから、言い訳に使いそうな言葉は全て封じた。
「ですが、それが事実ではありませんか」
「では労わるくらい、あなたにも出来たわよね?していないわよね?」
「…」
「していないわよね?」
「は、い…」
「解読が大変なものかも、身に染みて分かったわよね?」
「はい…」
オーバンはダズベルトのように怒鳴るようなことはないが、逃がすことを絶対にさせてはくれない。
「それで、よくも言えたものね」
「でも、それはまだ解読をしていたとは知らなくて」
「では、ヨルレアン嬢もその男爵令嬢のことなんて知らなくていいじゃない。なのに、なぜ責められなければならなかったの?答えて頂戴」
「…爵位が低いからと、責められるのは理不尽だと思ったからです。それなのに、うるさいなどと怒鳴るなんて、注意しなくてはいけないと思って…」
「聞いていないと聞いて、ならば仕方ないと思わなかったの?その男爵令嬢にいい格好がしたかったの?」
「ち、違います」
オーバンは聞いていてヨルレアンが怒鳴ったとしても、悪いとは思わないが、そこで引けば良かったのではないだろうか。生徒会長ということもあって、格好付けたに違いないが、追い込んでも認めないだろう。
「その男爵令嬢、どうやら腕に触れたりするそうね?許可を出しているの?」
「腕?」
「ああ、呼ぶために触っただけではないでしょうか」
「はあ…」
自覚がないのは本当なのだろう、その男爵令嬢を注意するにも、エルドールに自覚をさせなくてはならない。
「ヨルレアンと話をした際に当たり前のように、その男爵令嬢の横に座って、腕を持たれたそうね?」
「そうでしたか?よく覚えていません」
「ヨルレアン嬢の立場と入れ替えて、考えなさい」
「はい?」
理解が出来ていない様子のエルドールを置いて、オーバンは話を進めた。
「あなたがヨルレアン嬢に呼ばれて行くと、なぜかクラスメイトだけど、話したこともない令息がおり、その横に当たり前のようにヨルレアン嬢が座り、あなたはヨルレアン嬢に叱られて、もういいからとその令息にヨルレアン嬢が腕を持たれ、婚約を解消するとまで言われる。どう?」
「え…?」
「気分のいいものかしら?弁えていないのは誰かしら?」
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