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馬鹿息子の調査結果
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「包み隠さず、報告してくれ。覚悟はしている」
「ええ、きっちりお願いします」
「は!」
調査部のカイズ・ピーリムは、背筋を正して向き合った。
カイズは伯爵家の次男で、陛下よりも年下であるために、結婚しているが子どもはまだ学園に通うような子どもはいない。
「エルドール殿下というよりは、オマリー・トドックが生徒会の一員になったことで、距離感を弁えていないと考えられます」
「だが、エルドールもその態度を許しているのだろう?」
「はい、そちらも問題とも言えますが、エルドール殿下はおそらくトドック男爵令嬢であろうが、別の誰かであろうが同じ行動を取っていたと思うとのことでした」
「なるほど…その娘を特別扱いをしているわけではないのだな?」
エルドールも生徒会の仲間だと言っており、正義感を出しただけということか?
「はい、ですがトドックの方は特別扱いされていると思っていると思われます」
「男爵令嬢が?」
オーバンは、信じられないと怪訝な表情をした。
「はい、男爵令嬢がです。殿下は優しくしてくれる、私を特別に思っていると、こちらは忖度することのない、同じ生徒会の別の女生徒からの話ですから、信用が出来ると思います」
「女性の目の方がいいわね」
「はい」
ダズベルトはそうなると、あることに気付いた。
「これはジャスミン・シックス侯爵令嬢は、間違っていないのではないか?」
「ええ、むしろ感謝するべきでは?」
カイズもジャスミン・シックスの話は、事前に聞いていた。
「シックス侯爵令嬢も、生徒会に婚約者がおりますから、わざとオズラール公爵令嬢の側で、大きな声で聞こえるように話したのかもしれません」
ジャスミン・シックスは、生徒会副会長である、カイロス・ディンジャー公爵令息と婚約している。
「そういうことか」
「それがヨルレアン嬢の精神状態と、タイミングが悪かったわけですね」
「はい、そう考えられます」
「そうではなかったとしても、ヨルレアン嬢は無視したかもしれないがな」
「ジャスミンは味方になって欲しかったのか、ヨルレアン嬢に聞かせたかったのかもしれないわね。カイロスと男爵令嬢も親しくしているのかしら?」
ジャスミンがそのような注意をするということは、カイロスとその男爵令嬢の間に何かあったのかもしれない。
「ディンジャー公爵令息のことは調査していないので、絶対ではありませんが、生徒会の中で色恋のようなことはないと、先程の女生徒が申しておりました。ただ、トドック男爵令嬢は腕に触れたりすることがあるそうなので、そう思ってはいないのかもしれないと言っていたそうです」
「腕ね…」
「ヨルレアン嬢も言っておったからの」
「期待でもしているのかしら…馬鹿な娘だこと」
オーバンはいくら成績が優秀でもそのような女性は、問題でしかない。
勉強が出来ること、生徒会に選ばれたということが、驕らせることになったのだろうかと、首を傾けた。
「はあ…さて、どうするかな…エルドールは自覚がないのだろう」
「男爵令嬢も分かっていないのか、自覚があって行っているのか」
「カイズ、ありがとう」
「いえ、詳しい調査書はこちらに」
カイズは聞き取りや調査書を、ダズベルトに渡した。
「オズラール公爵令嬢ですが」
「何かあったか?」
「いえ、前公爵夫人のところでゆっくりされていたようですが、現在はザッハンデル前伯爵のところで、一緒に解読をされているようです」
「そうか」
ザッハンデル前伯爵は、レオドラ・オズラール前公爵の教え子であり、片足が不自由となって、邸で解読を行って貰っている。
「ヨルレアン嬢はエルドールより、一歩も二歩も先を行っていると思っていたけど、全然足りないわね」
「本当にな」
馬鹿息子に溜息しか出ない、国王夫妻であった。
「ええ、きっちりお願いします」
「は!」
調査部のカイズ・ピーリムは、背筋を正して向き合った。
カイズは伯爵家の次男で、陛下よりも年下であるために、結婚しているが子どもはまだ学園に通うような子どもはいない。
「エルドール殿下というよりは、オマリー・トドックが生徒会の一員になったことで、距離感を弁えていないと考えられます」
「だが、エルドールもその態度を許しているのだろう?」
「はい、そちらも問題とも言えますが、エルドール殿下はおそらくトドック男爵令嬢であろうが、別の誰かであろうが同じ行動を取っていたと思うとのことでした」
「なるほど…その娘を特別扱いをしているわけではないのだな?」
エルドールも生徒会の仲間だと言っており、正義感を出しただけということか?
「はい、ですがトドックの方は特別扱いされていると思っていると思われます」
「男爵令嬢が?」
オーバンは、信じられないと怪訝な表情をした。
「はい、男爵令嬢がです。殿下は優しくしてくれる、私を特別に思っていると、こちらは忖度することのない、同じ生徒会の別の女生徒からの話ですから、信用が出来ると思います」
「女性の目の方がいいわね」
「はい」
ダズベルトはそうなると、あることに気付いた。
「これはジャスミン・シックス侯爵令嬢は、間違っていないのではないか?」
「ええ、むしろ感謝するべきでは?」
カイズもジャスミン・シックスの話は、事前に聞いていた。
「シックス侯爵令嬢も、生徒会に婚約者がおりますから、わざとオズラール公爵令嬢の側で、大きな声で聞こえるように話したのかもしれません」
ジャスミン・シックスは、生徒会副会長である、カイロス・ディンジャー公爵令息と婚約している。
「そういうことか」
「それがヨルレアン嬢の精神状態と、タイミングが悪かったわけですね」
「はい、そう考えられます」
「そうではなかったとしても、ヨルレアン嬢は無視したかもしれないがな」
「ジャスミンは味方になって欲しかったのか、ヨルレアン嬢に聞かせたかったのかもしれないわね。カイロスと男爵令嬢も親しくしているのかしら?」
ジャスミンがそのような注意をするということは、カイロスとその男爵令嬢の間に何かあったのかもしれない。
「ディンジャー公爵令息のことは調査していないので、絶対ではありませんが、生徒会の中で色恋のようなことはないと、先程の女生徒が申しておりました。ただ、トドック男爵令嬢は腕に触れたりすることがあるそうなので、そう思ってはいないのかもしれないと言っていたそうです」
「腕ね…」
「ヨルレアン嬢も言っておったからの」
「期待でもしているのかしら…馬鹿な娘だこと」
オーバンはいくら成績が優秀でもそのような女性は、問題でしかない。
勉強が出来ること、生徒会に選ばれたということが、驕らせることになったのだろうかと、首を傾けた。
「はあ…さて、どうするかな…エルドールは自覚がないのだろう」
「男爵令嬢も分かっていないのか、自覚があって行っているのか」
「カイズ、ありがとう」
「いえ、詳しい調査書はこちらに」
カイズは聞き取りや調査書を、ダズベルトに渡した。
「オズラール公爵令嬢ですが」
「何かあったか?」
「いえ、前公爵夫人のところでゆっくりされていたようですが、現在はザッハンデル前伯爵のところで、一緒に解読をされているようです」
「そうか」
ザッハンデル前伯爵は、レオドラ・オズラール前公爵の教え子であり、片足が不自由となって、邸で解読を行って貰っている。
「ヨルレアン嬢はエルドールより、一歩も二歩も先を行っていると思っていたけど、全然足りないわね」
「本当にな」
馬鹿息子に溜息しか出ない、国王夫妻であった。
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