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第26話
閑話 ピプーちゃん1
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裁判を見届け、エメラルダ王国に戻った後のことだった。
「ファナ、ピプーちゃんより、プピーちゃんの方が良かったかしら?」
「どちらでもいいと思います」
「酷い。結構、悩んだのに」
「ポテトの時に考えていたのでしょう?」
セナリアンは学園で問題を起こした、ポテト・ブブスラーの偽名、フェアリー・ルピーをプピーと呼び間違えている。
ファナはすぐ側にはいないが、何かあった時に動けるように近くで控えていた。
「鋭いわね」
「何年、一緒にいると思っているのですか」
「ブブスラーが一番いいと思ったのだけど、さすがに人様のお名前は、ちょっと使えないじゃない?」
「確かにブブスラーが一番しっくりきますね、ブブスラーと言われたら納得します」
威力を考えると強そうなブブスラーが、一番似合っていた。
「パンプキンヌ様のブブスラァァァー!!って感じでしょう?」
「っふ、ふふふ、もう止めてくださいよぉ~ふふっ、ふっ、ふへへへへ」
ファナはノアール侯爵家でのカオスな出来事が蘇り、確かにブブスラーという名前がピッタリだが、さすがに使えないということも理解が出来る。
「魔法省で採用されるんですか?」
「どうかしら?まだ言っていないのよ、それで今回試してみたの」
「え?言っていないんですか」
こんなものを作って置いて、言っていないことがあり得ないのだが、セナリアンは意外とそういったところがある。実はありますということが多い。
皆に罰を否定されることが多いせいかもしれない。
「ええ、だって下品でしょう?」
「いやいやいやいやいやいや」
「いやが、多いわね」
「真正面からリアーシュ王国の国王陛下に提案して置いて、それはないでしょう」
下品だと思っているのなら、国王陛下に提案してしまったのか、止めるべきだっただろうか、ジョンラ様だったら止めていただろうかと考えた。
「あれは陛下が、腹が立っていると思ったから」
「え?」
「ノアール侯爵は友人だったそうなの。その妻が娘が困っていたのに、何もしてやれなかったことを随分悔やんでいると思ったから。でも、平等に裁くのが国王でしょう?だから、私が辱めに手を貸したの」
「死なないんだから、いいでしょう?と思っていると思っていました」
手段は別として、憂さ晴らしをさせてやりたかったのかと、理解した。
「それもあるわよ?でも、パンプキンヌは王都に戻って来させないようにと思って」
「でも刑を終えたら、忘れたように戻って来るのではありませんか?」
「あの出来事、忘れる?毎日は思い出さなくても、忘れないと思わない?」
「確かに忘れられませんね、私も思い出してしまいそうです。街中でも、最後には国王陛下の前で放って」
「放ってって…」
セナリアンはもうと言いながら、笑い始めたが、自分が作った癖に、自分が提案した癖にと、ファナは思っていた。
「セナ様の仕業じゃないですか!」
「そうだけど、使ったパンプキンヌが悪いんだから」
「そうですよ、その通りです。なかなか記憶からは消えないでしょう」
下品なことではあったが、それよりも他人の子どもになろうという神経の方がどうかしており、国王陛下も、ノアール侯爵家の方も溜飲が下がっただろう。
「私はノアール侯爵家で、セナ様の『もう一度言ってくださる?』だけで当面、思い出し笑い出来ます」
「出来なくていいわよ」
「あれは、最高でしたよ。自分で飲ませておいて、この人はって思いましたから」
「だって、至近距離では初めてだったじゃない?思いの外、凄くって」
「こちらが拷問かと思いましたよ」
「オプションのおかげね!」
「そうですよ、普通はきゃあ恥ずかしいってなりますから」
オプションを外せば、自分でも分かるので、大いに恥ずかしかっただろう。だが、パンプキンヌに関してはお前は散々、放って置いて今更だと思っていた。
「ファナ、ピプーちゃんより、プピーちゃんの方が良かったかしら?」
「どちらでもいいと思います」
「酷い。結構、悩んだのに」
「ポテトの時に考えていたのでしょう?」
セナリアンは学園で問題を起こした、ポテト・ブブスラーの偽名、フェアリー・ルピーをプピーと呼び間違えている。
ファナはすぐ側にはいないが、何かあった時に動けるように近くで控えていた。
「鋭いわね」
「何年、一緒にいると思っているのですか」
「ブブスラーが一番いいと思ったのだけど、さすがに人様のお名前は、ちょっと使えないじゃない?」
「確かにブブスラーが一番しっくりきますね、ブブスラーと言われたら納得します」
威力を考えると強そうなブブスラーが、一番似合っていた。
「パンプキンヌ様のブブスラァァァー!!って感じでしょう?」
「っふ、ふふふ、もう止めてくださいよぉ~ふふっ、ふっ、ふへへへへ」
ファナはノアール侯爵家でのカオスな出来事が蘇り、確かにブブスラーという名前がピッタリだが、さすがに使えないということも理解が出来る。
「魔法省で採用されるんですか?」
「どうかしら?まだ言っていないのよ、それで今回試してみたの」
「え?言っていないんですか」
こんなものを作って置いて、言っていないことがあり得ないのだが、セナリアンは意外とそういったところがある。実はありますということが多い。
皆に罰を否定されることが多いせいかもしれない。
「ええ、だって下品でしょう?」
「いやいやいやいやいやいや」
「いやが、多いわね」
「真正面からリアーシュ王国の国王陛下に提案して置いて、それはないでしょう」
下品だと思っているのなら、国王陛下に提案してしまったのか、止めるべきだっただろうか、ジョンラ様だったら止めていただろうかと考えた。
「あれは陛下が、腹が立っていると思ったから」
「え?」
「ノアール侯爵は友人だったそうなの。その妻が娘が困っていたのに、何もしてやれなかったことを随分悔やんでいると思ったから。でも、平等に裁くのが国王でしょう?だから、私が辱めに手を貸したの」
「死なないんだから、いいでしょう?と思っていると思っていました」
手段は別として、憂さ晴らしをさせてやりたかったのかと、理解した。
「それもあるわよ?でも、パンプキンヌは王都に戻って来させないようにと思って」
「でも刑を終えたら、忘れたように戻って来るのではありませんか?」
「あの出来事、忘れる?毎日は思い出さなくても、忘れないと思わない?」
「確かに忘れられませんね、私も思い出してしまいそうです。街中でも、最後には国王陛下の前で放って」
「放ってって…」
セナリアンはもうと言いながら、笑い始めたが、自分が作った癖に、自分が提案した癖にと、ファナは思っていた。
「セナ様の仕業じゃないですか!」
「そうだけど、使ったパンプキンヌが悪いんだから」
「そうですよ、その通りです。なかなか記憶からは消えないでしょう」
下品なことではあったが、それよりも他人の子どもになろうという神経の方がどうかしており、国王陛下も、ノアール侯爵家の方も溜飲が下がっただろう。
「私はノアール侯爵家で、セナ様の『もう一度言ってくださる?』だけで当面、思い出し笑い出来ます」
「出来なくていいわよ」
「あれは、最高でしたよ。自分で飲ませておいて、この人はって思いましたから」
「だって、至近距離では初めてだったじゃない?思いの外、凄くって」
「こちらが拷問かと思いましたよ」
「オプションのおかげね!」
「そうですよ、普通はきゃあ恥ずかしいってなりますから」
オプションを外せば、自分でも分かるので、大いに恥ずかしかっただろう。だが、パンプキンヌに関してはお前は散々、放って置いて今更だと思っていた。
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