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第26話
偽りの女7(リアーシュ王国)
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「真か?」
「はい、私も同じ色でございます」
陛下は答えた瞬間に、右手を上げてセナリアンを呼び込んだ。
「魔術師殿!お願いします!」
「はい、承知いたしました」
セナリアンは既に三人とは離れた位置に立っている。魔法省から来てもらった魔術師だと紹介をした。
「私の妻はかっこいいな~」「凛々しいな」
リスルート殿下とマージナルは、その様子を優雅に見ている。
「色を戻しなさい、それはあなたの生まれ持った色ではないでしょう?」
「私は産まれてから、ずっとこの色でございます」
「いいえ、自分で戻さないのであれば、強制的に戻しますよ?」
「止めてください、変な魔術を掛ける気でしょう!止めてください!」
セナリアンは無視して、強制的に魔術を解除すると、髪の毛はダークグリーン、瞳はオレンジに戻り、まさにパンプキンヌという色味になり、ピンクのドレスが全く似合わない出で立ちとなっている。
ちらっとリスルート殿下とマージナルとジョンラを見ると、またも口元を抑えることになってしまっているが、皆に注目されていないので、大丈夫そうである。
陛下も顔面の力を使って、頑張って耐えている。
(お洒落パンプキン…)
思わずセナリアンは四人に送ってしまい、三人は吹き出したが、陛下は凄まじい形相で、睨んでいた。
髪の毛に気付いたパンプキンヌは、これは勝手に魔術を掛けられただけだわと喚いたが、皆、嘘だったのねと口々に言い始めた。
そう、綻びが出始めたのである。
「皆さんの前で(本当の名前を)言いましょうか?そうすれば、その色味からも、皆さまも事実だと受け入れざる得ないでしょう」
「止めてっ!」
「これがあなたの本来の姿です。どこが似ているのでしょう?全く似ておりません」
「ラピア、どういうことだい…」
「違うの、これは」
「(本当の名前を)呼びましょうか」
「止めてっ!」
パンプキンヌにしか聞こえない音で(本当の名前を)の部分を話しているので、周りには気付かれていない。
「あなたは今となっては詐欺師しか使わない、言葉に魔力を乗せて、信じさせるようにしておりますね?」
「そんなことするはずないじゃない!」
パンプキンヌは陛下にも丁寧に話していたように、侯爵令嬢に成りきっていたようだったが、急に金切声を上げた。
「しております、ヴァンヌ嬢に嫌がらせを受けている、突き飛ばされた、侯爵夫人に叩かれた、同じ父親を持つのだから、一緒に住むべきなのに住まわせてもらえない、ドレスも買ってもらえない」
「事実ですから!」
「そんな事実はありません。夫人は体調まで崩されているのですよ?正直、ここまで五月蠅いと嫌がらせくらいすればいい、突き飛ばして、叩いて、蹴り飛ばしてもいいと思うほどですが、侯爵家の方々はなさらなかった。優しい方々で良かったですね?一緒に住まう?ドレス?なぜ他人にしなければないのです?」
「ノアール侯爵の娘だから」
「いいえ、あなたは農夫の娘でしょう?」
パンプキンヌに向かって、皆が、えっ農夫?農夫の娘なの?という声と、蔑むような視線が突き刺さる。
「農夫、立派な職業です。美味しい野菜や、穀物を育てて下さる、大事な職業です!馬鹿にするところではありません、感謝するところです」
セナリアンもワイン農家であるため、農夫を貶すことは絶対に許さない。
「どちらにしろ、あなたは許可せず魔力を乗せて信じさせ、実害を出すのは罪ですから、あとは身分詐称、詐欺行為、あとは王家、侯爵家、伯爵家への不敬ですかね?」
「そんなこと、冤罪よ!」
罪を犯していない意識などないはずだが、全身でパンプキンヌは否定していた。
「既に証拠は揃っております。そして、解けやすいですから、掛った者もあなたが離れれば、事実だと認めるはずです」
「そんなっ!ラピア、私にも掛けたのか!」
「そんなの掛けていないわ!」
「ヴァンヌ、私は騙されていた!すまなかった」
クレバンは不味い状況だと気付き、咄嗟にパンプキンヌを引き剥がし、ヴァンヌを抱きしめようと前に出たが、おじ達に阻止された。
「はい、私も同じ色でございます」
陛下は答えた瞬間に、右手を上げてセナリアンを呼び込んだ。
「魔術師殿!お願いします!」
「はい、承知いたしました」
セナリアンは既に三人とは離れた位置に立っている。魔法省から来てもらった魔術師だと紹介をした。
「私の妻はかっこいいな~」「凛々しいな」
リスルート殿下とマージナルは、その様子を優雅に見ている。
「色を戻しなさい、それはあなたの生まれ持った色ではないでしょう?」
「私は産まれてから、ずっとこの色でございます」
「いいえ、自分で戻さないのであれば、強制的に戻しますよ?」
「止めてください、変な魔術を掛ける気でしょう!止めてください!」
セナリアンは無視して、強制的に魔術を解除すると、髪の毛はダークグリーン、瞳はオレンジに戻り、まさにパンプキンヌという色味になり、ピンクのドレスが全く似合わない出で立ちとなっている。
ちらっとリスルート殿下とマージナルとジョンラを見ると、またも口元を抑えることになってしまっているが、皆に注目されていないので、大丈夫そうである。
陛下も顔面の力を使って、頑張って耐えている。
(お洒落パンプキン…)
思わずセナリアンは四人に送ってしまい、三人は吹き出したが、陛下は凄まじい形相で、睨んでいた。
髪の毛に気付いたパンプキンヌは、これは勝手に魔術を掛けられただけだわと喚いたが、皆、嘘だったのねと口々に言い始めた。
そう、綻びが出始めたのである。
「皆さんの前で(本当の名前を)言いましょうか?そうすれば、その色味からも、皆さまも事実だと受け入れざる得ないでしょう」
「止めてっ!」
「これがあなたの本来の姿です。どこが似ているのでしょう?全く似ておりません」
「ラピア、どういうことだい…」
「違うの、これは」
「(本当の名前を)呼びましょうか」
「止めてっ!」
パンプキンヌにしか聞こえない音で(本当の名前を)の部分を話しているので、周りには気付かれていない。
「あなたは今となっては詐欺師しか使わない、言葉に魔力を乗せて、信じさせるようにしておりますね?」
「そんなことするはずないじゃない!」
パンプキンヌは陛下にも丁寧に話していたように、侯爵令嬢に成りきっていたようだったが、急に金切声を上げた。
「しております、ヴァンヌ嬢に嫌がらせを受けている、突き飛ばされた、侯爵夫人に叩かれた、同じ父親を持つのだから、一緒に住むべきなのに住まわせてもらえない、ドレスも買ってもらえない」
「事実ですから!」
「そんな事実はありません。夫人は体調まで崩されているのですよ?正直、ここまで五月蠅いと嫌がらせくらいすればいい、突き飛ばして、叩いて、蹴り飛ばしてもいいと思うほどですが、侯爵家の方々はなさらなかった。優しい方々で良かったですね?一緒に住まう?ドレス?なぜ他人にしなければないのです?」
「ノアール侯爵の娘だから」
「いいえ、あなたは農夫の娘でしょう?」
パンプキンヌに向かって、皆が、えっ農夫?農夫の娘なの?という声と、蔑むような視線が突き刺さる。
「農夫、立派な職業です。美味しい野菜や、穀物を育てて下さる、大事な職業です!馬鹿にするところではありません、感謝するところです」
セナリアンもワイン農家であるため、農夫を貶すことは絶対に許さない。
「どちらにしろ、あなたは許可せず魔力を乗せて信じさせ、実害を出すのは罪ですから、あとは身分詐称、詐欺行為、あとは王家、侯爵家、伯爵家への不敬ですかね?」
「そんなこと、冤罪よ!」
罪を犯していない意識などないはずだが、全身でパンプキンヌは否定していた。
「既に証拠は揃っております。そして、解けやすいですから、掛った者もあなたが離れれば、事実だと認めるはずです」
「そんなっ!ラピア、私にも掛けたのか!」
「そんなの掛けていないわ!」
「ヴァンヌ、私は騙されていた!すまなかった」
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