181 / 228
第23話
向こう見ずな計画10
しおりを挟む
そして、ファウダン侯爵と令息、ノート伯爵と令息、ミトイ子爵と令息、コミラン子爵と令息、そしてポテト・ブブスラー(フェアリー・ルピー)が集められた。平民は後日呼び出し、処罰することになっている。
そして理事長のミシェル、校長、教頭、ポテトの担任教師、そしてマルフレン王国の学園での魅了事件もあったので、魔法省から調査員としてセナリアン。
ミシェルは調査員に既に調べてもらったこと、魔法省の方に失礼な態度は許さない、そして意見を求められた場合のみ発言すること、その他は必ず挙手してから発言を求めるようにと指示した。
「風紀の乱れ、何か申すことはありますか、あれば答えなさい」
「私たちは皆、友人です」
「もう一度聞きます、調査員が調べていると聞いての発言ですか」
「そ、それは…でも友人は間違いないです」
ミシェルは溜息をつき、後はお願いしますと魔術師に主導権を移した。
「魔法省の調査員です。以前、こちらの国では魅了ではありませんが、数年前に他国の薬物香水を付けている女生徒がいたそうです。今回はそのようなことはありませんでした。ですので、魔法省が調査に入りました」
「魅了?当たり前です、友達だって言ったじゃないですか」
「意見がある場合は、挙手するように言ったはずですが?」
何のために最初に説明したのか、ここにいるのはポテト以外は全員が貴族である。
「あっ、だって、そんな、私は平民だから」
「あなたがいるから、先ほど、わざわざ挙手するように説明したのですよ。貴族令息は口を挟むことはしてはいけないと学んでいるはずですから。よろしいですか、二度目はありません」
ポテトは何も言えなくなって、悔しそうに黙った。
「皆、あなた方の言動に大変迷惑しています。騒がしく、爵位を振りかざす、他クラスに入り浸る、自覚がありませんか?風紀をを乱すことで、いい影響が出ることなどありません」
皆、魔法省に楯突くほど愚かではない。発言を許可されているわけではないので、黙っている。ポテトだけは言い返したいのを我慢している。
「誰から参りましょうか、ロミック・ファウダン侯爵令息。あなたが一番かしらね、誰と誰に何をしているか知っていると言えば話してくれますか」
「悪いことをしているとは思っていません!皆のためでもあるのです」
「ねえ、あなたが思いつく程度のことを、今まで誰もやっていないと、本当に思っているの?」
「っ!え…」
ファウダン侯爵が挙手し、発言の許可を得た。
「どういうことでしょうか、息子は何をしているのですか」
「治癒術も使える魔術師をある女性に、体が弱いからと言って雇って、女性の器の強化を試みているようよ」
「は?本当ですか」
信じられない目で、バツが悪そうにしている息子を見た。
呼び出された時点で、ファウダン侯爵もまたリーズラー伯爵令嬢のことだろうと思っており、予想外のことに驚くしかなかった。
「ええ、即刻止めさせなさい。あのような器では体が不自由になるだけです。殺すような趣味があるのだとしても、止めさせなさい。そして、これは家同士のことですので、ここで相手の女性の名前は伏せますが、リーズラー伯爵令嬢には関係ありますから、そちらはきちんとなさってくださいね。後ほど、調査書をお渡しします」
「承知しました」
今度はロミック・ファウダン侯爵令息が挙手し、発言の許可を得た。
「本当に無理なんでしょうか…」
「はい。理論上では相性がいいとは思えないのですが、気持ちはままならないのでしょう。でもリーズラー伯爵令嬢への態度は、人として許されません」
「だったらフェアリーが言ったことは、嘘だったのですか!私は信じていたのに…!」
「あなたが証明もされていないようなことを、勝手に信じたのでしょう?魔法省としては、否であると断言します」
「えっ、でも本当に、魔力が増えたんです」
思わずポテトは口を開いてしまった。
「プピー、黙りなさい!!」
「魔術師様、プピーではなく、ルピーです」
校長が魔術師にそっと囁いたが、二度目はないと言ったはずだと重低音が響いた。
そして理事長のミシェル、校長、教頭、ポテトの担任教師、そしてマルフレン王国の学園での魅了事件もあったので、魔法省から調査員としてセナリアン。
ミシェルは調査員に既に調べてもらったこと、魔法省の方に失礼な態度は許さない、そして意見を求められた場合のみ発言すること、その他は必ず挙手してから発言を求めるようにと指示した。
「風紀の乱れ、何か申すことはありますか、あれば答えなさい」
「私たちは皆、友人です」
「もう一度聞きます、調査員が調べていると聞いての発言ですか」
「そ、それは…でも友人は間違いないです」
ミシェルは溜息をつき、後はお願いしますと魔術師に主導権を移した。
「魔法省の調査員です。以前、こちらの国では魅了ではありませんが、数年前に他国の薬物香水を付けている女生徒がいたそうです。今回はそのようなことはありませんでした。ですので、魔法省が調査に入りました」
「魅了?当たり前です、友達だって言ったじゃないですか」
「意見がある場合は、挙手するように言ったはずですが?」
何のために最初に説明したのか、ここにいるのはポテト以外は全員が貴族である。
「あっ、だって、そんな、私は平民だから」
「あなたがいるから、先ほど、わざわざ挙手するように説明したのですよ。貴族令息は口を挟むことはしてはいけないと学んでいるはずですから。よろしいですか、二度目はありません」
ポテトは何も言えなくなって、悔しそうに黙った。
「皆、あなた方の言動に大変迷惑しています。騒がしく、爵位を振りかざす、他クラスに入り浸る、自覚がありませんか?風紀をを乱すことで、いい影響が出ることなどありません」
皆、魔法省に楯突くほど愚かではない。発言を許可されているわけではないので、黙っている。ポテトだけは言い返したいのを我慢している。
「誰から参りましょうか、ロミック・ファウダン侯爵令息。あなたが一番かしらね、誰と誰に何をしているか知っていると言えば話してくれますか」
「悪いことをしているとは思っていません!皆のためでもあるのです」
「ねえ、あなたが思いつく程度のことを、今まで誰もやっていないと、本当に思っているの?」
「っ!え…」
ファウダン侯爵が挙手し、発言の許可を得た。
「どういうことでしょうか、息子は何をしているのですか」
「治癒術も使える魔術師をある女性に、体が弱いからと言って雇って、女性の器の強化を試みているようよ」
「は?本当ですか」
信じられない目で、バツが悪そうにしている息子を見た。
呼び出された時点で、ファウダン侯爵もまたリーズラー伯爵令嬢のことだろうと思っており、予想外のことに驚くしかなかった。
「ええ、即刻止めさせなさい。あのような器では体が不自由になるだけです。殺すような趣味があるのだとしても、止めさせなさい。そして、これは家同士のことですので、ここで相手の女性の名前は伏せますが、リーズラー伯爵令嬢には関係ありますから、そちらはきちんとなさってくださいね。後ほど、調査書をお渡しします」
「承知しました」
今度はロミック・ファウダン侯爵令息が挙手し、発言の許可を得た。
「本当に無理なんでしょうか…」
「はい。理論上では相性がいいとは思えないのですが、気持ちはままならないのでしょう。でもリーズラー伯爵令嬢への態度は、人として許されません」
「だったらフェアリーが言ったことは、嘘だったのですか!私は信じていたのに…!」
「あなたが証明もされていないようなことを、勝手に信じたのでしょう?魔法省としては、否であると断言します」
「えっ、でも本当に、魔力が増えたんです」
思わずポテトは口を開いてしまった。
「プピー、黙りなさい!!」
「魔術師様、プピーではなく、ルピーです」
校長が魔術師にそっと囁いたが、二度目はないと言ったはずだと重低音が響いた。
517
お気に入りに追加
1,530
あなたにおすすめの小説
誰にも信じてもらえなかった公爵令嬢は、もう誰も信じません。
salt
恋愛
王都で罪を犯した悪役令嬢との婚姻を結んだ、東の辺境伯地ディオグーン領を治める、フェイドリンド辺境伯子息、アルバスの懺悔と後悔の記録。
6000文字くらいで摂取するお手軽絶望バッドエンドです。
*なろう・pixivにも掲載しています。
王命を忘れた恋
須木 水夏
恋愛
『君はあの子よりも強いから』
そう言って貴方は私を見ることなく、この関係性を終わらせた。
強くいなければ、貴方のそばにいれなかったのに?貴方のそばにいる為に強くいたのに?
そんな痛む心を隠し。ユリアーナはただ静かに微笑むと、承知を告げた。
旦那様、離縁の申し出承りますわ
ブラウン
恋愛
「すまない、私はクララと生涯を共に生きていきたい。離縁してくれ」
大富豪 伯爵令嬢のケイトリン。
領地が災害に遭い、若くして侯爵当主なったロイドを幼少の頃より思いを寄せていたケイトリン。ロイド様を助けるため、性急な結婚を敢行。その為、旦那様は平民の女性に癒しを求めてしまった。この国はルメニエール信仰。一夫一妻。婚姻前の男女の行為禁止、婚姻中の不貞行為禁止の厳しい規律がある。旦那様は平民の女性と結婚したいがため、ケイトリンンに離縁を申し出てきた。
旦那様を愛しているがため、旦那様の領地のために、身を粉にして働いてきたケイトリン。
その後、階段から足を踏み外し、前世の記憶を思い出した私。
離縁に応じましょう!未練なし!どうぞ愛する方と結婚し末永くお幸せに!
*女性軽視の言葉が一部あります(すみません)
【完結】この運命を受け入れましょうか
なか
恋愛
「君のようは妃は必要ない。ここで廃妃を宣言する」
自らの夫であるルーク陛下の言葉。
それに対して、ヴィオラ・カトレアは余裕に満ちた微笑みで答える。
「承知しました。受け入れましょう」
ヴィオラにはもう、ルークへの愛など残ってすらいない。
彼女が王妃として支えてきた献身の中で、平民生まれのリアという女性に入れ込んだルーク。
みっともなく、情けない彼に対して恋情など抱く事すら不快だ。
だが聖女の素養を持つリアを、ルークは寵愛する。
そして貴族達も、莫大な益を生み出す聖女を妃に仕立てるため……ヴィオラへと無実の罪を被せた。
あっけなく信じるルークに呆れつつも、ヴィオラに不安はなかった。
これからの顛末も、打開策も全て知っているからだ。
前世の記憶を持ち、ここが物語の世界だと知るヴィオラは……悲運な運命を受け入れて彼らに意趣返す。
ふりかかる不幸を全て覆して、幸せな人生を歩むため。
◇◇◇◇◇
設定は甘め。
不安のない、さっくり読める物語を目指してます。
良ければ読んでくだされば、嬉しいです。
王子妃教育に疲れたので幼馴染の王子との婚約解消をしました
さこの
恋愛
新年のパーティーで婚約破棄?の話が出る。
王子妃教育にも疲れてきていたので、婚約の解消を望むミレイユ
頑張っていても落第令嬢と呼ばれるのにも疲れた。
ゆるい設定です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる