177 / 228
第23話
向こう見ずな計画6
しおりを挟む
「偽名というほど、大層なものではないのよ。スパイでもない。ただ本当の名前が、ふふふ、ポテト・ブブスラーって言うのよ!ふふふっ。バナーナもいたから、付けられた方がポテトが好きだったのかしらねぇ、捻りもないもの」
「ポテートもかなり厳しいです」
「ポーテトならどうかしら」
「いえ、どれも美味しく頂きたくなります」
「ポテト・ブブスラー…確かに真名を聞いた後ではフェアリー・ルピーはキツイな」
ミシェルは元々怒ってはいなかったが、これは無理もないとうんうんと頷いた。ここに陛下たちがいたら、ファナの行動は信じられないと言うだろう。
「そうなのよ、皆に話したらおそらく真名が恥ずかしいから、偽名で通そうとしているのだろうと、平民は貴族と違って管理されていないから、願書に偽名を書いたのだろうと、養女の話もあったらしいの。でも断っているのはバレると思っているのだろうって。ここからはポテトかブブスラーと呼んでいいかしら」
「ああ、そうしてくれ」
真名を聞いた後で、フェアリー・ルピーなど皆、耐えられない。
「それでファウダンの相手は男爵令嬢なの。キサン男爵令嬢であるソフィア」
「キサン男爵令嬢…」
「二人はこっそり交際していたわ。そして、ソフィアにはファウダンに対する器は無理なの。リーズラーとの解消をしないのはいつでも切れるからね、ソフィアと婚約が出来るようになるまでの繋ぎね」
「ならないだろう」
いくら交際していても、器がどうにかなる話ではない。
「そうなの、でもここでポテトの出目が関わって来るの」
「出目?どういうことだい?」
「ミチェおじ様はどう聞いているの?」
「両親が亡くなってから孤児院、教会にいて、今は寮で暮らしていると…」
貴族は繋がりがあることが多く、情報も得られやすいが、平民はそう言ったことは難しい。学園に提出した内容と、孤児院に入った経緯くらいしか分からなかった。
だからこそ、ふざけた偽名も通ってしまったのだろう。
「それがポテトは一歳の時に魔力測定をした時は、魔力はほとんどなかったの。教会で確認も出来たわ。本人も親から平民だから関係ないけど、貴族との結婚は絶対に無理だと聞いたらしいの。これは裏が取れないから、そう信じ込んでいるだけかもしれない。でも両親が亡くなって受けた時には伯爵家までなら、あまりに多くない限りは可能な器だと判定されたと」
「まさかそれで器の強化が出来ると?」
「そういうことらしいわ。でもどうやって?ってなるじゃない?それが魔力を分けてもらったというのよ」
「は?」
魔力を分けて貰って、器が強化されるのならば、発表されているはずだ。
「ポテトは幼い頃は体が弱くて、治癒術を何度か受けていたそうなの。その治癒術も使える方で、親しくなって何度か魔術を教わって、その方が出した魔術に何度も触れていたと、そのおかげではないかと。それをファウダンが聞いたってわけ」
「一応聞くが、あり得ないのだよな?」
「勿論、そんなことあったら既に実現しているわ。何で分からないのかしらね?」
「それでまさかソフィアに実践しているのか?」
これでファウダンとソフィア、ポテトが繋がったということか。ポテトは恩を感じてか、情報を聞くために側に置いているというのだろうか。
「その通り!ソフィアに魔術師を体が弱いと言って、ファウダンが雇ってるみたい。そしてポテトにもね」
「ポテトにも?」
「そう、実験台としてなのか、ソフィアに頻繁には会えないから、ポテトで様子を見ているのか。試しに何人かの女性魔術師に私の魔力を分け与えてみたら、強くなったように感じるそうで、でも器が強化?されることはないの」
セナリアンは治癒術も使えるので、同じことは出来る。
「ポテートもかなり厳しいです」
「ポーテトならどうかしら」
「いえ、どれも美味しく頂きたくなります」
「ポテト・ブブスラー…確かに真名を聞いた後ではフェアリー・ルピーはキツイな」
ミシェルは元々怒ってはいなかったが、これは無理もないとうんうんと頷いた。ここに陛下たちがいたら、ファナの行動は信じられないと言うだろう。
「そうなのよ、皆に話したらおそらく真名が恥ずかしいから、偽名で通そうとしているのだろうと、平民は貴族と違って管理されていないから、願書に偽名を書いたのだろうと、養女の話もあったらしいの。でも断っているのはバレると思っているのだろうって。ここからはポテトかブブスラーと呼んでいいかしら」
「ああ、そうしてくれ」
真名を聞いた後で、フェアリー・ルピーなど皆、耐えられない。
「それでファウダンの相手は男爵令嬢なの。キサン男爵令嬢であるソフィア」
「キサン男爵令嬢…」
「二人はこっそり交際していたわ。そして、ソフィアにはファウダンに対する器は無理なの。リーズラーとの解消をしないのはいつでも切れるからね、ソフィアと婚約が出来るようになるまでの繋ぎね」
「ならないだろう」
いくら交際していても、器がどうにかなる話ではない。
「そうなの、でもここでポテトの出目が関わって来るの」
「出目?どういうことだい?」
「ミチェおじ様はどう聞いているの?」
「両親が亡くなってから孤児院、教会にいて、今は寮で暮らしていると…」
貴族は繋がりがあることが多く、情報も得られやすいが、平民はそう言ったことは難しい。学園に提出した内容と、孤児院に入った経緯くらいしか分からなかった。
だからこそ、ふざけた偽名も通ってしまったのだろう。
「それがポテトは一歳の時に魔力測定をした時は、魔力はほとんどなかったの。教会で確認も出来たわ。本人も親から平民だから関係ないけど、貴族との結婚は絶対に無理だと聞いたらしいの。これは裏が取れないから、そう信じ込んでいるだけかもしれない。でも両親が亡くなって受けた時には伯爵家までなら、あまりに多くない限りは可能な器だと判定されたと」
「まさかそれで器の強化が出来ると?」
「そういうことらしいわ。でもどうやって?ってなるじゃない?それが魔力を分けてもらったというのよ」
「は?」
魔力を分けて貰って、器が強化されるのならば、発表されているはずだ。
「ポテトは幼い頃は体が弱くて、治癒術を何度か受けていたそうなの。その治癒術も使える方で、親しくなって何度か魔術を教わって、その方が出した魔術に何度も触れていたと、そのおかげではないかと。それをファウダンが聞いたってわけ」
「一応聞くが、あり得ないのだよな?」
「勿論、そんなことあったら既に実現しているわ。何で分からないのかしらね?」
「それでまさかソフィアに実践しているのか?」
これでファウダンとソフィア、ポテトが繋がったということか。ポテトは恩を感じてか、情報を聞くために側に置いているというのだろうか。
「その通り!ソフィアに魔術師を体が弱いと言って、ファウダンが雇ってるみたい。そしてポテトにもね」
「ポテトにも?」
「そう、実験台としてなのか、ソフィアに頻繁には会えないから、ポテトで様子を見ているのか。試しに何人かの女性魔術師に私の魔力を分け与えてみたら、強くなったように感じるそうで、でも器が強化?されることはないの」
セナリアンは治癒術も使えるので、同じことは出来る。
479
お気に入りに追加
1,530
あなたにおすすめの小説
旦那様、離縁の申し出承りますわ
ブラウン
恋愛
「すまない、私はクララと生涯を共に生きていきたい。離縁してくれ」
大富豪 伯爵令嬢のケイトリン。
領地が災害に遭い、若くして侯爵当主なったロイドを幼少の頃より思いを寄せていたケイトリン。ロイド様を助けるため、性急な結婚を敢行。その為、旦那様は平民の女性に癒しを求めてしまった。この国はルメニエール信仰。一夫一妻。婚姻前の男女の行為禁止、婚姻中の不貞行為禁止の厳しい規律がある。旦那様は平民の女性と結婚したいがため、ケイトリンンに離縁を申し出てきた。
旦那様を愛しているがため、旦那様の領地のために、身を粉にして働いてきたケイトリン。
その後、階段から足を踏み外し、前世の記憶を思い出した私。
離縁に応じましょう!未練なし!どうぞ愛する方と結婚し末永くお幸せに!
*女性軽視の言葉が一部あります(すみません)
誰にも信じてもらえなかった公爵令嬢は、もう誰も信じません。
salt
恋愛
王都で罪を犯した悪役令嬢との婚姻を結んだ、東の辺境伯地ディオグーン領を治める、フェイドリンド辺境伯子息、アルバスの懺悔と後悔の記録。
6000文字くらいで摂取するお手軽絶望バッドエンドです。
*なろう・pixivにも掲載しています。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
【完結】婚約者の義妹と恋に落ちたので婚約破棄した処、「妃教育の修了」を条件に結婚が許されたが結果が芳しくない。何故だ?同じ高位貴族だろう?
つくも茄子
恋愛
国王唯一の王子エドワード。
彼は婚約者の公爵令嬢であるキャサリンを公の場所で婚約破棄を宣言した。
次の婚約者は恋人であるアリス。
アリスはキャサリンの義妹。
愛するアリスと結婚するには「妃教育を修了させること」だった。
同じ高位貴族。
少し頑張ればアリスは直ぐに妃教育を終了させると踏んでいたが散々な結果で終わる。
八番目の教育係も辞めていく。
王妃腹でないエドワードは立太子が遠のく事に困ってしまう。
だが、エドワードは知らなかった事がある。
彼が事実を知るのは何時になるのか……それは誰も知らない。
他サイトにも公開中。
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。
(完結)私はあなた方を許しますわ(全5話程度)
青空一夏
恋愛
従姉妹に夢中な婚約者。婚約破棄をしようと思った矢先に、私の死を望む婚約者の声をきいてしまう。
だったら、婚約破棄はやめましょう。
ふふふ、裏切っていたあなた方まとめて許して差し上げますわ。どうぞお幸せに!
悲しく切ない世界。全5話程度。それぞれの視点から物語がすすむ方式。後味、悪いかもしれません。ハッピーエンドではありません!
【完結】王女と駆け落ちした元旦那が二年後に帰ってきた〜謝罪すると思いきや、聖女になったお前と僕らの赤ん坊を育てたい?こんなに馬鹿だったかしら
冬月光輝
恋愛
侯爵家の令嬢、エリスの夫であるロバートは伯爵家の長男にして、デルバニア王国の第二王女アイリーンの幼馴染だった。
アイリーンは隣国の王子であるアルフォンスと婚約しているが、婚姻の儀式の当日にロバートと共に行方を眩ませてしまう。
国際規模の婚約破棄事件の裏で失意に沈むエリスだったが、同じ境遇のアルフォンスとお互いに励まし合い、元々魔法の素養があったので環境を変えようと修行をして聖女となり、王国でも重宝される存在となった。
ロバートたちが蒸発して二年後のある日、突然エリスの前に元夫が現れる。
エリスは激怒して謝罪を求めたが、彼は「アイリーンと自分の赤子を三人で育てよう」と斜め上のことを言い出した。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる