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第22話
召喚姫5(アザンゼル王国)
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アザンゼル王国で再鑑定を待つ間、都に出てみると、様々なお店で賑わっており、あまり期待していなかったセナリアンは驚いた。
親戚の家に来たという設定で、賑わう町を歩いてみることにした。ファナは美味しそうな匂いに楽しそうで、ワトンは護衛に扮し、セナリアンは美味しい物を見付けなさいと任命している。
「あの店、美味しそうです」
「何かしら?」
「う~ん、パイですかね?」
「へえ、良さそうね」
「買ってみてもいいですか」
「うん!ファナに任せるわ、あとでいっぱい買ってあげるから、とりあえず一つね」
「分かってますよ」
ファナはムシャムシャと食べながら出て来た。
「ああ…食べながら出て来た」
「我慢できなかったのかしら」
「美味しいですよ~ご飯美味しいんですね、あの店も気になるし、あそこも!」
結局、ファナに付いて五つの店に行き、最初のパイの店で、チキンパイと色んなフルーツパイが大量注文可能だったので、お土産と自分たちの分を買うことにした。
明日は二件目の小麦粉で野菜や肉や海鮮など色んなものを混ぜて焼いたタルボという食べ物を明日の昼に取りに来ると、大量注文した。何かおもちゃや服でもと思っていたが、食べ物が美味しかったので、ファナが適任だ。
リンリンリーン
先祖返りを知っている執事・ローダンとメイド長・カレナだけが分かる、応接室からの呼び出し音である。
ローダンが応接室に行くと、そこには美味しそうな匂いと、手紙が乗せてあった。
―チキンパイとフルーツパイです(鑑定済み)。
―美味しいです。
―たくさん送ったので、皆さまで食べてください(本邸別邸の使用人の分もあります)。
―明日はお昼頃にタルボという小麦粉で野菜や肉や海鮮を混ぜて焼いた物を注文しています。お楽しみに。
―もう二通はルセルとジュジュへの手紙です。渡してやってください。
―まだ当分、帰れません。よろしくお願いします。
―セナリアン
キャッキャとはしゃぐ子どもたち二人を抱えるジュシが、何かいい匂いがするなとローダンに近づいて来た。
「奥様からお届けものです」
「セナリアンから?ルセル、ジュジュ、お母様からお届け物だぞ」
「かあさまですか!」「かあさま」
「パイと、お坊ちゃまとお嬢さまにはお手紙もありますよ」
「「わ~い!」」
「皆さまをお呼びして頂きましょう」
本邸からロジェールとルラーラと、半年前に生まれた子どもと遊びに来ていたアローラも、呼びに行ったその足でやって来た。
ジュシが子どもたちと先に頂いてますと言うと、リルラビエは申し訳なさそうに、すみませんと謝罪した。
ジュシはすっかり子どもたちのお世話係となり、ガッチリボディなのに、眠っているジュジュを抱いていることにこなれ過ぎている。さすが、忙しいリルラビエに代わって、実子とセナリアンを育てただけある。ルセルは口の周りにパイのかすを付けて、美味しい美味しいとご機嫌だ。
「お手紙も届いたんだよ!」
手紙を目の前でずっと広げているようで、よほど嬉しかったのだろうと思ったが、どうもセナリアンが見える。
「あれは…?」
「あれはセナリアンが映写されているんですよ、しかもしゃべっているんです」
「ジュジュもさっきまでは嬉しそうに見てたんですよ」
「明日はね、タルボが届くんだよ!」
「タルボ?」
「ええ、どうやら小麦粉で野菜や肉や海鮮を混ぜて焼いた物のようです。明日のお昼に届けると」
「まあ!明日はお昼は要りませんね」
「ええ、こちらもそのように手配を。使用人の分も送って頂いて、本邸にもお届けしましたので、皆喜んでいます」
「楽しみね」
「ええ!私も食べたいわ」
アローラが悔しそうに嘆いている。アローラにもセナリアンが調査で不在とは話してあるが、詳しいことは話していない。
「さすがに毎日来るのもね、届けさせるから夫婦で食べなさい」
「は~い」
「美味しそうなお店が多くて、ファナちゃんが食べて、選んで貰ったんだって!五個もお店に行ったんだって」
「まあ!こんなに美味しいならファナちゃんもご機嫌でしょうね」
ロジェールとルラーラはファナの食べっぷりを思い出した。細いのにみるみる吸い込まれ、しかも美味しそうにいくらでも食べるのだ。私の燃料は食べ物ですからと言い切る姿に二人はいくらでも食べさせたくなったのだ。
親戚の家に来たという設定で、賑わう町を歩いてみることにした。ファナは美味しそうな匂いに楽しそうで、ワトンは護衛に扮し、セナリアンは美味しい物を見付けなさいと任命している。
「あの店、美味しそうです」
「何かしら?」
「う~ん、パイですかね?」
「へえ、良さそうね」
「買ってみてもいいですか」
「うん!ファナに任せるわ、あとでいっぱい買ってあげるから、とりあえず一つね」
「分かってますよ」
ファナはムシャムシャと食べながら出て来た。
「ああ…食べながら出て来た」
「我慢できなかったのかしら」
「美味しいですよ~ご飯美味しいんですね、あの店も気になるし、あそこも!」
結局、ファナに付いて五つの店に行き、最初のパイの店で、チキンパイと色んなフルーツパイが大量注文可能だったので、お土産と自分たちの分を買うことにした。
明日は二件目の小麦粉で野菜や肉や海鮮など色んなものを混ぜて焼いたタルボという食べ物を明日の昼に取りに来ると、大量注文した。何かおもちゃや服でもと思っていたが、食べ物が美味しかったので、ファナが適任だ。
リンリンリーン
先祖返りを知っている執事・ローダンとメイド長・カレナだけが分かる、応接室からの呼び出し音である。
ローダンが応接室に行くと、そこには美味しそうな匂いと、手紙が乗せてあった。
―チキンパイとフルーツパイです(鑑定済み)。
―美味しいです。
―たくさん送ったので、皆さまで食べてください(本邸別邸の使用人の分もあります)。
―明日はお昼頃にタルボという小麦粉で野菜や肉や海鮮を混ぜて焼いた物を注文しています。お楽しみに。
―もう二通はルセルとジュジュへの手紙です。渡してやってください。
―まだ当分、帰れません。よろしくお願いします。
―セナリアン
キャッキャとはしゃぐ子どもたち二人を抱えるジュシが、何かいい匂いがするなとローダンに近づいて来た。
「奥様からお届けものです」
「セナリアンから?ルセル、ジュジュ、お母様からお届け物だぞ」
「かあさまですか!」「かあさま」
「パイと、お坊ちゃまとお嬢さまにはお手紙もありますよ」
「「わ~い!」」
「皆さまをお呼びして頂きましょう」
本邸からロジェールとルラーラと、半年前に生まれた子どもと遊びに来ていたアローラも、呼びに行ったその足でやって来た。
ジュシが子どもたちと先に頂いてますと言うと、リルラビエは申し訳なさそうに、すみませんと謝罪した。
ジュシはすっかり子どもたちのお世話係となり、ガッチリボディなのに、眠っているジュジュを抱いていることにこなれ過ぎている。さすが、忙しいリルラビエに代わって、実子とセナリアンを育てただけある。ルセルは口の周りにパイのかすを付けて、美味しい美味しいとご機嫌だ。
「お手紙も届いたんだよ!」
手紙を目の前でずっと広げているようで、よほど嬉しかったのだろうと思ったが、どうもセナリアンが見える。
「あれは…?」
「あれはセナリアンが映写されているんですよ、しかもしゃべっているんです」
「ジュジュもさっきまでは嬉しそうに見てたんですよ」
「明日はね、タルボが届くんだよ!」
「タルボ?」
「ええ、どうやら小麦粉で野菜や肉や海鮮を混ぜて焼いた物のようです。明日のお昼に届けると」
「まあ!明日はお昼は要りませんね」
「ええ、こちらもそのように手配を。使用人の分も送って頂いて、本邸にもお届けしましたので、皆喜んでいます」
「楽しみね」
「ええ!私も食べたいわ」
アローラが悔しそうに嘆いている。アローラにもセナリアンが調査で不在とは話してあるが、詳しいことは話していない。
「さすがに毎日来るのもね、届けさせるから夫婦で食べなさい」
「は~い」
「美味しそうなお店が多くて、ファナちゃんが食べて、選んで貰ったんだって!五個もお店に行ったんだって」
「まあ!こんなに美味しいならファナちゃんもご機嫌でしょうね」
ロジェールとルラーラはファナの食べっぷりを思い出した。細いのにみるみる吸い込まれ、しかも美味しそうにいくらでも食べるのだ。私の燃料は食べ物ですからと言い切る姿に二人はいくらでも食べさせたくなったのだ。
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