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第22話
召喚姫3(アザンゼル王国)
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「気を付けるわ。私が欲しいのは情報だもの。後は乱す者だった場合の対処ですよね…どうしますか」
「セナリアンで抑えられる者ならば、まずは拘束だろうの」
「どこで管理するか…」
「エンペラールに渡すという手もあります」
「そうだな、見付けたのはエンペラールゆえな。ただ害する者だった場合は消すべきであろう」
「ええ、私もそう思います」
「セナリアンは?」
皆、各々言っていたが、セナリアンは違った。
「私はもし異世界人なら、返せるなら元の世界に返すべきです。これは陛下には最初に申し上げましたが、誘拐です」
「そうだったの」
「帰りたくないと言ったら?」
「それでも誘拐は誘拐でしょう?親元から奪われたかもしれないじゃない?」
「それは辛い!耐えられない!」
「私だって息子が奪われたら、耐えらない」
まだ子どもが幼いリスルートとマージナルは、渋い表情になっている。
「召喚は使ったことはありますけど、あまり詳しくないんです。伯母様、召喚術の本をあるだけ集めておいてもらえますか、取りに行かせます」
召喚術よりセナリアンが動く方が早く、物を召喚することはあっても、基礎しか学んでいない。まして、異世界人などと考えたこともない。
「任せて」
「王宮の書庫は私が探しましょう」
「殿下、私も手伝います」
「まずはこんなものですかね、とりあえず行くことが先決でしょう」
「そうだな、我々は情報によって対策をこちらでも考え、報告する」
「情報漏洩には気を付けてください。話す際は陛下の執務室もしくは、公爵別邸の応接室も同様の仕様にしてますので、そちらでお願いします。みんなは連絡するから、とりあえず待機ね」
皆、深く頷いた。
「公爵様」
「はい、リルラビエ様」
シャーロット・マクレガーの大ファンで、コルロンド家にも再々お邪魔して、すっかり親しいロジェールとリルラビエ。
「召喚術の書が集まったら、主人とそちらに伺ってもよろしいかしら?その方が、まとめやすいと思うのですが」
「勿論です」
「邸は大丈夫ですか」
「ええ、娘も息子もおりますからね。私たちは身軽ですのよ」
「伯母様、でしたら別邸にもポートもありますの、そちらで運ばれたらいいんじゃないかしら?これが鍵ですわ」
「あら、公爵邸にもあったの?」
セナリアンがコルロンド家に行くので、公爵邸に行ったのはセナリアンの出産時くらいで、その際もルージエ侯爵邸を経由しており、使うことがなかった。
「ええ、馬車停と応接室にあります」
「リルラビエ様も使えるのですね」
「ええ、セナの陣は私でも使えますの。足りなければ、あの大男も絞り出させます」
夫であるジュシはいつも通り、にこにこと皆と歓談している。
リルラビエも転移は自分だけであれば可能ではあるが、ポートが設置されていれば、魔力も少なく、車や同行者も可能である。セナリアンは鍵で制限を掛けており、誰でも使えるわけではない。
「ルセルとジュジュの世話も一緒にお願いしてもいいかしら」
「それなら良いのがいるわよ」
リルラビエの目線の先にいるジュシがにっこり笑っていた。
「そうでしたわね、ジュシ伯父様お願いしますわ」
もちろんだよ~っと再びぎゅうぎゅう抱き締められることとなった。セナはこの催しに子どもの頃から慣れているので、すっと力を抜くのがコツである。
「ルセルがもう少し大きくなったら、多分使えると思うんですよね」
「そうなのか?」
「ええ、そうしたらコルロンドのポートにルセルとジュジュですわよ」
「最高じゃないかああああ」
ここにもセナリアンのファンが存在している。自身にも孫がおり、勿論可愛いが、セナリアンの子はファンとしてまた違う可愛さだそうだ。セナリアンは忙しい身の上なので、使えるものはいくらでも使う。
セナリアンはそれぞれを転移で各邸に連れ帰り、起きていたルセルに少し会えないけどと話をして、ワトンとファナを連れてあっという間に旅立った。
「セナリアンで抑えられる者ならば、まずは拘束だろうの」
「どこで管理するか…」
「エンペラールに渡すという手もあります」
「そうだな、見付けたのはエンペラールゆえな。ただ害する者だった場合は消すべきであろう」
「ええ、私もそう思います」
「セナリアンは?」
皆、各々言っていたが、セナリアンは違った。
「私はもし異世界人なら、返せるなら元の世界に返すべきです。これは陛下には最初に申し上げましたが、誘拐です」
「そうだったの」
「帰りたくないと言ったら?」
「それでも誘拐は誘拐でしょう?親元から奪われたかもしれないじゃない?」
「それは辛い!耐えられない!」
「私だって息子が奪われたら、耐えらない」
まだ子どもが幼いリスルートとマージナルは、渋い表情になっている。
「召喚は使ったことはありますけど、あまり詳しくないんです。伯母様、召喚術の本をあるだけ集めておいてもらえますか、取りに行かせます」
召喚術よりセナリアンが動く方が早く、物を召喚することはあっても、基礎しか学んでいない。まして、異世界人などと考えたこともない。
「任せて」
「王宮の書庫は私が探しましょう」
「殿下、私も手伝います」
「まずはこんなものですかね、とりあえず行くことが先決でしょう」
「そうだな、我々は情報によって対策をこちらでも考え、報告する」
「情報漏洩には気を付けてください。話す際は陛下の執務室もしくは、公爵別邸の応接室も同様の仕様にしてますので、そちらでお願いします。みんなは連絡するから、とりあえず待機ね」
皆、深く頷いた。
「公爵様」
「はい、リルラビエ様」
シャーロット・マクレガーの大ファンで、コルロンド家にも再々お邪魔して、すっかり親しいロジェールとリルラビエ。
「召喚術の書が集まったら、主人とそちらに伺ってもよろしいかしら?その方が、まとめやすいと思うのですが」
「勿論です」
「邸は大丈夫ですか」
「ええ、娘も息子もおりますからね。私たちは身軽ですのよ」
「伯母様、でしたら別邸にもポートもありますの、そちらで運ばれたらいいんじゃないかしら?これが鍵ですわ」
「あら、公爵邸にもあったの?」
セナリアンがコルロンド家に行くので、公爵邸に行ったのはセナリアンの出産時くらいで、その際もルージエ侯爵邸を経由しており、使うことがなかった。
「ええ、馬車停と応接室にあります」
「リルラビエ様も使えるのですね」
「ええ、セナの陣は私でも使えますの。足りなければ、あの大男も絞り出させます」
夫であるジュシはいつも通り、にこにこと皆と歓談している。
リルラビエも転移は自分だけであれば可能ではあるが、ポートが設置されていれば、魔力も少なく、車や同行者も可能である。セナリアンは鍵で制限を掛けており、誰でも使えるわけではない。
「ルセルとジュジュの世話も一緒にお願いしてもいいかしら」
「それなら良いのがいるわよ」
リルラビエの目線の先にいるジュシがにっこり笑っていた。
「そうでしたわね、ジュシ伯父様お願いしますわ」
もちろんだよ~っと再びぎゅうぎゅう抱き締められることとなった。セナはこの催しに子どもの頃から慣れているので、すっと力を抜くのがコツである。
「ルセルがもう少し大きくなったら、多分使えると思うんですよね」
「そうなのか?」
「ええ、そうしたらコルロンドのポートにルセルとジュジュですわよ」
「最高じゃないかああああ」
ここにもセナリアンのファンが存在している。自身にも孫がおり、勿論可愛いが、セナリアンの子はファンとしてまた違う可愛さだそうだ。セナリアンは忙しい身の上なので、使えるものはいくらでも使う。
セナリアンはそれぞれを転移で各邸に連れ帰り、起きていたルセルに少し会えないけどと話をして、ワトンとファナを連れてあっという間に旅立った。
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