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第21話
踊る阿呆に付ける薬はない1
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陛下の生誕祭だけはセナリアンも毎年自身として出席している。
そのためグロー公爵家はセナリアンを飾り立てる!と男女問わず臨戦態勢だった。
当のセナリアンは忙しいこともあって、お任せしますわと丸投げしてしまっていたが、濃い色派と淡い色派に分かれてしまった。
淡い派の義母はマージナルにあなたの色ばっかりじゃつまらないわとまで言われて、濃い派はマージナルが私の妻だと言えば、私の娘よと大喧嘩、さらに本当の娘も母親に付いてしまい、父は何でも似合ってしまうからなとうっとり想像しているようだった。使用人も私はこちらだと様々な意見が出てしまい、揉めに揉めていた。
そこへふらっと帰って来た、セナリアンがこの生地を頂いたのと出して来たのが、夜空に星が刺繍された記事であった。それを見た瞬間、皆がそれにしましょう!と謎の団結が起こった。セナリアンはよく分からないけれど、折角だからいいかと気にも留めなかった。
という訳で、セナリアンはあの素晴らしい生地を義母と義妹とデザイナーで作った素晴らしく神々しいドレスを着ている。おかげでちょっと話し掛けるのに躊躇するレベルとなっており、マージナルはほくほくしている。
「今日も、美しいね、我が奥様は」
「あなたが言うと嫌味に聞こえるらしいわよ」
「そんなことはない!セナが一番綺麗だよ」
「はあ…」
歓談になり、セナリアンはマージナルにそろそろと言うと、彼は挨拶回りに行き、出席の立場でもセナリアンは巡回を行うことにしている。両脇には護衛ではなく、執事風のジョンラと侍女風のファナである。ファナはセナリアンとジョンラに隠れてめちゃくちゃ食べており、ウキウキである。
今回の一番は刻んだトマトのソースが掛かっているチキンの乗っているバケットだったようで、皿一面全て食べてしまっていたが、ファナは陛下にどれが美味しかったか教えて欲しいという任を賜っているので、怒られることは無い。ただあまりに無くなっていくので、セナリアンとジョンラは「消えた(わね)」と呟いたという。
そんな訳でお散歩という巡回をしていると、「東の方角で男女の揉め事」との情報が入り、しかも一人はアローラだという。義妹のためももちろんだが、今日は血を浴びるようなことは出来ないため、セナリアンが受け持つこととなった。
近付いていくと男性が四人と女性が二人が対峙しており、セナリアンは身の危険の程度は既に察知済みである。要約した情報によると夜のお相手をしろということらしい。しかも旦那だけじゃ物足りないだろう?みんなやっていることで、常識なんだぜ、可愛がってやるから来いよと恥ずかしいことを言っているらしい。
魔力差のこともあるにも関わらず、愛人や一晩限りのお遊びなどをするものもいるのだが、国王が一夫一妻の通り、推奨されている訳でも無く、ただの浮気である。政略結婚で双方が納得して、愛人を持つというのが、まだ建設的である。
「馬鹿ね」
「ええ、阿呆ですね」
「とんちき野郎ですね」
「愚かね」
「頭に寄生虫が入り込んだんですかね」
「それは寄生虫に失礼だわ」
「本当ですね!」
「むしろ頭に何もないのでは?」
「「その通りね(ですね)」」
さてと思っているとアローラではないご婦人が「祭事の日にあなたたち愚かだと思わないの!」「偉そうに言っているけど、本当に満足させたことがあるの?」「女は早く終わって欲しい時も演技をするのよ」「私は主人に大変満足しておりますので」と捲し立てており、三人はほうと意見を一致させた。
「ははは、強気な女を抱くのもいいだろうな。早く来いよ」
リーダー格の男が彼女の腕を取った瞬間だった。
「ねえ、何をしているの?」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
お気に入りに入れていただいている皆様、誠にありがとうございます。
清書が出来ましたので、
また順次投稿させていただきます。
この次の話が長くなりそうなので、
こちらは5話くらいで終わります。
よろしくお願いいたします。
そのためグロー公爵家はセナリアンを飾り立てる!と男女問わず臨戦態勢だった。
当のセナリアンは忙しいこともあって、お任せしますわと丸投げしてしまっていたが、濃い色派と淡い色派に分かれてしまった。
淡い派の義母はマージナルにあなたの色ばっかりじゃつまらないわとまで言われて、濃い派はマージナルが私の妻だと言えば、私の娘よと大喧嘩、さらに本当の娘も母親に付いてしまい、父は何でも似合ってしまうからなとうっとり想像しているようだった。使用人も私はこちらだと様々な意見が出てしまい、揉めに揉めていた。
そこへふらっと帰って来た、セナリアンがこの生地を頂いたのと出して来たのが、夜空に星が刺繍された記事であった。それを見た瞬間、皆がそれにしましょう!と謎の団結が起こった。セナリアンはよく分からないけれど、折角だからいいかと気にも留めなかった。
という訳で、セナリアンはあの素晴らしい生地を義母と義妹とデザイナーで作った素晴らしく神々しいドレスを着ている。おかげでちょっと話し掛けるのに躊躇するレベルとなっており、マージナルはほくほくしている。
「今日も、美しいね、我が奥様は」
「あなたが言うと嫌味に聞こえるらしいわよ」
「そんなことはない!セナが一番綺麗だよ」
「はあ…」
歓談になり、セナリアンはマージナルにそろそろと言うと、彼は挨拶回りに行き、出席の立場でもセナリアンは巡回を行うことにしている。両脇には護衛ではなく、執事風のジョンラと侍女風のファナである。ファナはセナリアンとジョンラに隠れてめちゃくちゃ食べており、ウキウキである。
今回の一番は刻んだトマトのソースが掛かっているチキンの乗っているバケットだったようで、皿一面全て食べてしまっていたが、ファナは陛下にどれが美味しかったか教えて欲しいという任を賜っているので、怒られることは無い。ただあまりに無くなっていくので、セナリアンとジョンラは「消えた(わね)」と呟いたという。
そんな訳でお散歩という巡回をしていると、「東の方角で男女の揉め事」との情報が入り、しかも一人はアローラだという。義妹のためももちろんだが、今日は血を浴びるようなことは出来ないため、セナリアンが受け持つこととなった。
近付いていくと男性が四人と女性が二人が対峙しており、セナリアンは身の危険の程度は既に察知済みである。要約した情報によると夜のお相手をしろということらしい。しかも旦那だけじゃ物足りないだろう?みんなやっていることで、常識なんだぜ、可愛がってやるから来いよと恥ずかしいことを言っているらしい。
魔力差のこともあるにも関わらず、愛人や一晩限りのお遊びなどをするものもいるのだが、国王が一夫一妻の通り、推奨されている訳でも無く、ただの浮気である。政略結婚で双方が納得して、愛人を持つというのが、まだ建設的である。
「馬鹿ね」
「ええ、阿呆ですね」
「とんちき野郎ですね」
「愚かね」
「頭に寄生虫が入り込んだんですかね」
「それは寄生虫に失礼だわ」
「本当ですね!」
「むしろ頭に何もないのでは?」
「「その通りね(ですね)」」
さてと思っているとアローラではないご婦人が「祭事の日にあなたたち愚かだと思わないの!」「偉そうに言っているけど、本当に満足させたことがあるの?」「女は早く終わって欲しい時も演技をするのよ」「私は主人に大変満足しておりますので」と捲し立てており、三人はほうと意見を一致させた。
「ははは、強気な女を抱くのもいいだろうな。早く来いよ」
リーダー格の男が彼女の腕を取った瞬間だった。
「ねえ、何をしているの?」
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この次の話が長くなりそうなので、
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よろしくお願いいたします。
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