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第20話
心労が絶えない兄弟9(マルフレン王国)
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「見るな!」
「いや―――!!見ないで」
「えっ、何?」「小さすぎない?」「汚いわ」「可哀想ね」「ちょっと黒すぎない?」「臭そうよ」「いや、何か臭いわよ」
人々が二人に向かって何か言っており、おそらく何か別の物を見させて、こちらに関心を向けている。公爵家も子爵家も見えているのかと疑心暗鬼になっており、一体何を見せているのだろうか、言葉の選択が上手すぎる。
「何なんだあああああ」
「いやあ、見ないでよおおお!」
「分かってくれたかしら?恥ずかしいと思う行為をしていたことを」
誰でも最中にこんなところに転移されたら、恥ずかしいだろうと、誰も突っ込むことは出来なかった。
「どうする?ここに捨てて行く?多分、捕まるでしょうけど、いいわよね?」
「ごめんなさいぃ」
「ごめんなさい~許して~」
「不貞を認めるかしら?」
「認めます」「認めるわ」
半泣きになったところで、ようやく戻って来たが、公爵家と子爵家はぐったりしている。
「さて、後はそれぞれ慰謝料をよろしくお願いいたしますわね。サインズ公爵家には、ご子息が強請ったお金も書いてありますから、お返しくださいね」
「強請った?」
「そう、恥ずかしいですわよね、公爵家が…お金がないと思われては困るでしょう?クータ子爵も、今日中に支払ってくださいね。払わなければ、もっと酷いことになりますわよ?分かりますわよね?」
セナリアンは侯爵とキュリート、マーラ、ルブランとビスタを連れて、デラサード侯爵家に転移で戻ると、父娘はセナリアンに向かって、深く頭を下げた。
「本当にありがとうございました」
「ありがとうございました」
「いいえ、デラサード侯爵にはこれからも陛下を支えて貰わなくてはなりませんから。お嬢様もですよ、よろしくお願いいたしますわね」
「「はい!」」
「ええっと、あとは証拠ね、沢山いるからこれは弁護士にやらせるといいわ。そこの侍女はどうする?どこかの令嬢?」
セナリアンは立ち尽くしていたマーラに視線を向け、マーラは息をのんだ。
「はい、フタオ男爵家の令嬢です」
「ええと、これね、不貞の証拠。水晶は小さい方が使い捨てだから」
相手の名前や調査票、写真、あと水晶に映像も残されている。パードルはホテルではなく、借りていた部屋で情事を行っていたために、証拠は集めやすかった。
「マーラ、残念だわ。あなたはクビね、慰謝料は男爵家に請求するわ」
「お待ちください、私は騙されて」
「騙されていようが、仕える方の婚約者と乳繰り合うのは、あり得ないわ。そんなことも分からないの?」
免疫のない令嬢が言い寄られて、いい気になったのだろうが、仕えている令嬢の婚約者とそのような関係になれる方がどうかしている。
「ルーク、フタオ男爵家に返してくれ、これが慰謝料の請求書だ」
「は!ランテに連れて行かせます」
「これも持って行って頂戴、不貞の証拠ね。水晶を起動は出来る?」
「はい、大丈夫です」
「使い捨てだから、それは渡しても壊してもいいから」
「待ってください…」
「ねえ?謝罪もしないのに、待ってくださいって何?言い訳が出来ると思っているの?馬鹿にしているとしか思えないわ」
ここは私が悪役になった方が、理不尽な怒りを多少回避できるだろう。
「あっ、申し訳ございません」
「遅いのよ、反省して愚かなことをしたと自覚して、後悔しなさい」
マーラはランテに連れて行かれて、フタオ男爵家に戻され、水晶でパードルとの情事を見せられて、母は卒倒し、父は激怒して、荒れ狂うことになる。
「家族全員、当分これを身に付けといて」
セナリアンは銀細工の腕輪を三つ差し出した。
「これは?」
「物理的に悪意のある者を寄せ付けない魔道具の腕輪」
「そのような物を」
「いいの、やり過ぎてしまったから、どうしてもあなたたちを目の敵にするはずよ、三年くらいは持つはずだから」
「ありがとうございます。ルーク、あれを」
セナリアンの前に積まれたお金。貨幣は違うが、ざっと二千万エルメはある。
「いや―――!!見ないで」
「えっ、何?」「小さすぎない?」「汚いわ」「可哀想ね」「ちょっと黒すぎない?」「臭そうよ」「いや、何か臭いわよ」
人々が二人に向かって何か言っており、おそらく何か別の物を見させて、こちらに関心を向けている。公爵家も子爵家も見えているのかと疑心暗鬼になっており、一体何を見せているのだろうか、言葉の選択が上手すぎる。
「何なんだあああああ」
「いやあ、見ないでよおおお!」
「分かってくれたかしら?恥ずかしいと思う行為をしていたことを」
誰でも最中にこんなところに転移されたら、恥ずかしいだろうと、誰も突っ込むことは出来なかった。
「どうする?ここに捨てて行く?多分、捕まるでしょうけど、いいわよね?」
「ごめんなさいぃ」
「ごめんなさい~許して~」
「不貞を認めるかしら?」
「認めます」「認めるわ」
半泣きになったところで、ようやく戻って来たが、公爵家と子爵家はぐったりしている。
「さて、後はそれぞれ慰謝料をよろしくお願いいたしますわね。サインズ公爵家には、ご子息が強請ったお金も書いてありますから、お返しくださいね」
「強請った?」
「そう、恥ずかしいですわよね、公爵家が…お金がないと思われては困るでしょう?クータ子爵も、今日中に支払ってくださいね。払わなければ、もっと酷いことになりますわよ?分かりますわよね?」
セナリアンは侯爵とキュリート、マーラ、ルブランとビスタを連れて、デラサード侯爵家に転移で戻ると、父娘はセナリアンに向かって、深く頭を下げた。
「本当にありがとうございました」
「ありがとうございました」
「いいえ、デラサード侯爵にはこれからも陛下を支えて貰わなくてはなりませんから。お嬢様もですよ、よろしくお願いいたしますわね」
「「はい!」」
「ええっと、あとは証拠ね、沢山いるからこれは弁護士にやらせるといいわ。そこの侍女はどうする?どこかの令嬢?」
セナリアンは立ち尽くしていたマーラに視線を向け、マーラは息をのんだ。
「はい、フタオ男爵家の令嬢です」
「ええと、これね、不貞の証拠。水晶は小さい方が使い捨てだから」
相手の名前や調査票、写真、あと水晶に映像も残されている。パードルはホテルではなく、借りていた部屋で情事を行っていたために、証拠は集めやすかった。
「マーラ、残念だわ。あなたはクビね、慰謝料は男爵家に請求するわ」
「お待ちください、私は騙されて」
「騙されていようが、仕える方の婚約者と乳繰り合うのは、あり得ないわ。そんなことも分からないの?」
免疫のない令嬢が言い寄られて、いい気になったのだろうが、仕えている令嬢の婚約者とそのような関係になれる方がどうかしている。
「ルーク、フタオ男爵家に返してくれ、これが慰謝料の請求書だ」
「は!ランテに連れて行かせます」
「これも持って行って頂戴、不貞の証拠ね。水晶を起動は出来る?」
「はい、大丈夫です」
「使い捨てだから、それは渡しても壊してもいいから」
「待ってください…」
「ねえ?謝罪もしないのに、待ってくださいって何?言い訳が出来ると思っているの?馬鹿にしているとしか思えないわ」
ここは私が悪役になった方が、理不尽な怒りを多少回避できるだろう。
「あっ、申し訳ございません」
「遅いのよ、反省して愚かなことをしたと自覚して、後悔しなさい」
マーラはランテに連れて行かれて、フタオ男爵家に戻され、水晶でパードルとの情事を見せられて、母は卒倒し、父は激怒して、荒れ狂うことになる。
「家族全員、当分これを身に付けといて」
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「これは?」
「物理的に悪意のある者を寄せ付けない魔道具の腕輪」
「そのような物を」
「いいの、やり過ぎてしまったから、どうしてもあなたたちを目の敵にするはずよ、三年くらいは持つはずだから」
「ありがとうございます。ルーク、あれを」
セナリアンの前に積まれたお金。貨幣は違うが、ざっと二千万エルメはある。
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